下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
漫画家の高橋春男氏が逝去した。「噂の真相」で「絶対安全Dランキング」などの連載を長年執筆してもらった。一流の社会風刺・ギャグで冴えに冴えていた人気連載だった。年に一度のフグ忘年会ではギャグの連発でずっとお腹を抱えて笑わせてもらった。76歳。早すぎる。寂しい。
第681回(1/11〜1/16発売号より)
1位「松本人志 暴走休業で『代償は100億円』」(「女性自身」1月30日号)
同「ダウンタウン松本活動休止 コンビの窮地に相方 浜田雅功が打つべき一手」(週刊女性1月30日号)
2位「羽生結弦 元妻活動再開の決意『束縛母からゆづを救う!』(「女性自身」1月30日号)
3位「堂本剛 『結婚は絶望』変えた百田夏菜子の潜伏愛12年」(「女性自身」1月30日号)
※ 「女性セブン」は合併号休み
ダウンタウン・松本人志の性加害問題は大きな波紋を呼び続けているが、一連の松本の対応はまさに暴走としかいいようのないものだった。
昨年末、「週刊文春」(文藝春秋)が松本の“性行為強要”をスクープしたが、松本及び所属事務所の吉本興業は即座に報道内容を全面否定、訴訟をチラつかせた。そして「週刊文春」の第2弾が掲載されると知るや、その直前に松本は「裁判に注力したい」として芸能活動を休止してしまう。
この判断は事務所ではなく松本の独断だったといわれるが、そもそもこうした問題で第2弾、第3弾を用意しているのは、これまでの文春砲を見ても明らか。そんな中で事務所までもが最初から “全面否定”“訴訟”という強行な態度を、しかも自ら逃げ場をなくすようなコメントを出すこと自体“悪手”だ。
さらに活動休止前の松本の行動もひどかった。Xで《事実無根なので闘いまーす。》として『ワイドナショー』(フジテレビ系)出演を宣言したり(その後出演は見送りに)、被害女性が送ったとする“お礼ライン”が流出すると《とうとう出たね。。。》というコメント付きで拡散したりと、まさに“暴走”だった。
そんな状況下、当初は吉本興業や“芸能界の大御所”松本に遠慮して、遠慮がちで様子見的だったマスコミも、この一件を扱うようになっている。今週の「女性自身」、そして「週刊女性」も松本問題を特集している。しかし、その内容はかなりがっかりするものだった。
松本問題の本質を深掘りしない「女性自身」と「週刊女性」
まず「自身」。切り口は松本が名誉毀損裁判を起こした場合、その間に芸能活動を休業したままの松本の損害額はいくらになるのか、というもの。記事では松本の年収は10億円以上になると試算、裁判期間は一審だけでも1〜2年、さらに双方譲らず最高裁まで闘えば、その間休業を続ける松本の損害額は100億円にのぼると指摘している。そのため裁判になれば、松本側はかなり高額の損害賠償を提示してくる可能性もあるという。
一方「週女」は訴訟になった場合、どんな展開が予想されるかを解説する記事だ。松本が勝訴した場合の損害額算定、文春側の主張が認められるには何が必要を弁護士が説明、さらに根回しもなく突然活動休止した松本への風当たり、そのための復帰の困難さ、そして松本の“穴”を誰が埋めるかなどが羅列されている。そして、特集タイトルにある“浜田雅功が打つべき一手”については「打つ手なし」だって(笑)。
ともあれ2誌ともこんな調子で、問題の本質である芸能界の大物による“性加害”、そして取り巻き連中の女衒的行為については、まったく深堀りしていない。「週刊文春」の報道を見れば、松本の性加害が日常的かつシステマチックに行われていて、かつ複数の女性たちが被害に遭っていたが、そうした視点での検証はない。
また、松本の男尊女卑的発言や女性差別的な言動は過去に問題となり炎上騒動も起こってきたが、そうした指摘もない。さらに、問題の背景にある吉本興業を牛耳っているとまで言われる松本の強権ぶり、裸の王様ぶりに対しての言及もない。女性週刊誌なのに、芸能記事なのに。
吉本興業に遠慮して様子見なのか。訴訟リスクを恐れてか。どっちもか。
羽生結弦に関する「女性自身」の面白い記事
昨年のスピード離婚から評価ガタ落ちの羽生結弦だが、そんな中でも擁護トーンだった「女性自身」が面白い羽生記事を掲載している。
まず離婚した元妻について、親交のあった友近のディナーショーや化粧関連会社社長のイベントに出演するなど、バイオリニストとしての活動を再開し、今後事務所に所属する可能性に触れている。つまり元妻は、プロバイオリニストとして積極的に活動するということだ。加えて、元妻がいかにバイオリンを愛していたのに、羽生の家族からバイオリンの演奏さえ禁じられていたことを指摘する。
そして登場するのが、羽生を溺愛サポートしてきた羽生の母親だ。
「羽生家にとって、“羽生結弦”はみんなが自分を犠牲にして作り上げてきた作品も同然です。
だから、外から家族に入った奥さまにも、犠牲を払ってもらうのは当たり前だ、と考えているのでしょう。お母さまは、“妻は一般人”という体裁を保つことに責任を感じていたのかもしれません」(家庭問題評論家・池内ひろ美氏のコメント)
そして記事には、こんな“三段論法”が。元妻が活動を広げ有名になったら、いつまでも羽生との離婚のイメージがついて回ると、羽生を溺愛するママは気が気でない。しかし、こうした母子共依存下で、羽生本人も被害者なのかもしれない。そのため元妻は活動を広げ音楽を奏でることで、羽生を母親からの呪縛から解放すべく“出会った頃を思い出して”とメッセージを送っているのかも、だって。
ほんまかいな。“妄想”“想像”と羽生に突っ込まれなければよいが――。
KinKi Kids・堂本剛の結婚について思うこと
KinKi Kids・堂本剛とももいろクローバーZ・百田夏菜子の結婚発表は驚いた。交際1年未満だというが、事務所も直前まで知らされなかったらしい。ジャニー喜多川氏やメリー喜多川氏が生きていたら結婚できていたのかな、剛。そんなことを思った。