家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。
<今回のお悩み>
「うちに不満や怒りを持っている人が近くにいるかもしれない」
昨年、一軒家を購入しました。隣の家には(おそらく)高齢女性が1人暮らしをしているのですが、勝手口のドアの開け閉めが激しいというか、かなり大きな音がして、我が家に何か不満があり、怒りを込めてそのようなことをしているのではないかと不安になっています。
我が家には小さい子どもが2人(2歳と5歳)がおり、朝からわーわーと大騒ぎしているのでその音が気になっているのではないか。喫煙者の夫の副流煙が向こうまで流れていって迷惑をかけているのではないか……などなど。最近は不安で不安でノイローゼ一歩手前になっています。
夫は「そんなに気になるなら、菓子折りでも持って『何か迷惑をかけていないか』と聞きにいけば」というのですが、もしその場で叱られたらと思うと、とてもとてもそんなことできないのです。「うちに不満や怒りを持っている人が近くにいるかもしれない」ということがストレスなのです。
引っ越してきたばかりなのであまり周りに知り合いもおらず……この不安をどうすればよいのでしょうか。
(にちこ、40歳)
【プウ美ねえさんの回答】
あなたのように繊細な想像をするひとに、想像より悪い事はあまり起こらないものです。もしまだ引越しの挨拶をしていないのなら、安心のためトライしてはいかが。やってみて損はありません。周囲の家にも回りましょう。複数の菓子包をさりげなく見せれば「うちにだけ思うところがあって来たわけではないようだな…」と相手の警戒心もほどけます。たんに機嫌を知りたいなら「実家からたくさん送ってきまして……」などと嘘をついての菓子折りもありです。もちろんご夫君は、おこづかいを渡してでも同行させること。どちらか一人でも好感をもってもらえれば、ぐっと安心だからです。それから、何か迷惑をかけていないか、などと自分から聞いてスキを見せる必要はありません。「お子さん達の音が……」と言われたところで無音にはできないからです。最初に「”いろいろ”ご迷惑かけると思いますが、今後もよろしくお願いします」ととびきりの笑顔で言い切って、相手が何か言うチャンスを封じてしまいましょう。
おねえさんは引越しが多く、かつ近所づきあいが大の苦手なので、むしろ積極的に菓子持参で挨拶しています。「わたくしは最初に礼を尽くしましたからね? 不満があっても大目に見るのが大人の態度でございますよね?」という防御の構えを見せるためです。実家に帰るときも近所の人と目があえば「いつも親がお世話になっております」と空々しいくらいの大声と笑顔で挨拶します。不審な中年が出入りしていると誤解されないよう、これも自分を守るためです。他人の気持ちなど想像しても本当のところはわからず、キリがありません。自分から礼儀と親しみをしめせば堂々とできて、心の平和が得られますよ。
【今月のエプロンメモ】
お隣はご高齢ということで、長く使っている勝手口の建てつけが悪いだけかもしれません。開閉音が大きいくらいでは、なかなかドアを付け替えたりしないものです。もしくは、お耳が遠い可能性もあります。そのあたりのこともいっさい触れずに、まずは菓子折りで相手のようすをうかがうのです……。