TBS系「日曜劇場」で放送中の『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』が、2月4日に第4話を迎える。初回世帯平均視聴率11.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で発進後、第2話11.1%、第3話10.9%と推移している同作は、2024年1月期ドラマの中で唯一“2ケタ視聴率キープ中”の独り勝ち状態。しかし、ネット上では“類似ドラマ”の存在が指摘され続けているという。
西島秀俊が主演を務める『さよならマエストロ』は、脚本家・大島里美氏のオリジナルドラマ。5年前の“ある事件”により、家族も音楽も失った天才マエストロ・夏目俊平(西島)が、廃団の危機に瀕している静岡県晴見市の市民オーケストラ「晴見フィルハーモニー」に参加して情熱を取り戻していく物語だ。一方で俊平が、その“事件”を機にヴァイオリン奏者の道を断ち、現在は晴見市役所に努める娘の響(芦田愛菜)との関係を修復させていく過程も見どころの一つとなっている。
「『日曜劇場』はTBSの“看板枠”ですし、西島と芦田は実力・好感度ともに抜群の役者。高視聴率は当然といえば当然ですが、ドラマの内容に関しては当初から物議を醸しています」(同)
日曜劇場『さよならマエストロ』は『リバーサルオーケストラ』に「似ている」
ネット上で指摘されているのは、『さよならマエストロ』が昨年1月期に日本テレビ系「水曜ドラマ」枠で放送されていた『リバーサルオーケストラ』と設定が「似ている」ということ。同作の主人公は、天才ヴァイオリニストだったものの、“ある出来事”により舞台から離れていた市役所職員・谷岡初音(門脇麦)で、彼女が“変人マエストロ”常葉朝陽(田中圭)とともに、西さいたま市を中心に活動するがけっぷちのオーケストラ「児玉交響楽団」を再生させる姿が描かれた。ちなみにこちらは、脚本家・清水友佳子氏のオリジナルドラマだ。
「『さよならマエストロ』『リバーサルオーケストラ』ともに、天才音楽家が地方のオーケストラを救う物語。盗作やパクリというほどではないですが、『似ている』という視聴者が少なくないのは頷けます」(同)
ちなみに、『リバーサルオーケストラ』のほうも放送当時、08年の韓国ドラマ『ベートーベン・ウィルス』(後に日本でもテレビ東京やフジテレビなどで放送)と「そっくり」と、ネット上でささやかれていた。
「『ベートーベン・ウィルス』は、かつての夢を諦め、視聴職員として働くヴァイオリニストと変人マエストロが、さまざまな問題を抱える素人同然の人々とともに、クラシックオーケストラ結成という夢に向かう物語。確かに『リバーサルオーケストラ』の初音と朝陽の設定やストーリー展開が似ており、ネット上には『二番煎じ』との声も少なくなかった。そんな『リバーサルオーケストラ』と類似している印象のある『さよならマエストロ』は、もはや何番煎じなのか……」(同)
20年前と比べてドラマ枠は倍近くに、テレビ関係者は企画出しに苦労?
近年、テレビ界では深夜帯を中心にドラマ枠が“爆増”しており、それが類似ドラマを続出させる要因なのかもしれない。
「20年前と比べ、現在のドラマ枠は倍近くまで増えており、配信ドラマも充実しています。見るものの選択肢が増えるのは視聴者にとっていいことですが、テレビ関係者が企画出しに苦労しているであろうことも想像できます。とはいえ、わずか1年前のドラマと似た作品が放送されるのはマズい気が……今後も『なんとなく似ているドラマ』が短期間に相次ぐ可能性は現状、否定できません」(同)
『さよならマエストロ』の場合は安定した視聴率が獲れているだけまだいいが、類似ドラマで数字も悪いとなると起用される役者も気の毒。今年、何か“新しさ”を感じられるドラマが誕生することを祈りたい。