• 日. 12月 22nd, 2024

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リーダーママを褒めまくり、誕生日プレゼント交換も……ママ友グループのノリについていけない!

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係は、価値観や環境の違いからさまざまなすれ違いが起きやすい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、ママ友トラブルの解決策を考える。

 ママ友付き合いにしんどさを感じるのは、年齢も育ってきた環境も生活レベルも違うママたちとの価値観やノリの違いが露呈したときではないだろうか。今回は、やたらと距離が近いママ友たちとの付き合いに疲弊してしまったというお母さんの声を取り上げる。

目次

・幼稚園ママ友グループのノリについていけない
・ママ友に誕生日プレゼントを贈ることに
・ママ友ウォッチャーの解説

リーダーママを褒めまくり。幼稚園ママ友グループのノリについていけない

 浩子さん(仮名・38歳)は、都内で3歳になる女児を育児中。プレ保育を経て、3歳から近所にある幼稚園に入園させた。

「体力にあまり自信がないので、しばらくは仕事をせず、育児を優先しようと思っています。娘が入園したのは、預かり保育制度もあるうえに、園内にネイティブの先生が常勤しているため、子どもが簡単な英会話をできるようになると人気の園。どうしても入園させたいママたちは、プレ保育から通わせており、いま仲良くしているママ友たちとは、その頃からの付き合いです」

 浩子さんの娘が通っている幼稚園は、芋ほりや餅つき大会など、休日に保護者も参加する行事が盛んだ。

「園長先生はいつも『夫婦仲が良い家庭の子は、すくすく育つ』と言っていて、休日行事に参加するパパも多い。そのせいか、園の友達とは家族ぐるみの密な関係になりやすいんです。娘同士の仲が良い明日香さん(仮名・32歳)とも、普段からお互いの家に遊びに行く間柄。顔の広い明日香さんとお迎えの後に園庭で立ち話をしていると、彼女と親しいママ友が数人集まってきて、ママ友の輪が広がっていきました」

 明日香さんの実家は、地元の商店街で精米店を営んでいる。そのため、親の代から明日香さんと仲が良いママ友もいるという。

「明日香さんの実家は、幼稚園の卒園式で配る紅白饅頭も作っていました。彼女自身もこの幼稚園の卒園生のため、進んで委員をやったり、運動会の手伝いなどにも積極的で、周りのママさんから信頼されているんです」

 園のリーダー的存在の明日香さんに、自分も頼もしさを感じているという浩子さん。しかし最近、ママ友グループの面々が彼女を持ち上げるノリについていけないと漏らす。

「明日香さんがみんなの中心という雰囲気があるからか、彼女の娘が園の発表会でスピーチをする役に選ばれると、周りのママさんが『すごーい、○○ちゃんは賢いからね』『○○ちゃんはおしゃべりが上手だもん』と、とにかく褒めまくるのです。私も『○○ちゃんが選ばれると思ってた』と話を合わせるのですが、これまで友達に対し、褒めてコミュニケーションを取るという経験があまりなく、だんだんそのわいわいキャッキャしたノリがつらくなってきました」

 明日香さんは、幼稚園の仲良しママ友たちが集うLINEグループに、家族で遊びに行った時の写真や新しく買ったものの写真をよく送ってくるそうだ。

「この前は、ブランコを購入して家の庭に設置したという報告とその写真を送ってきました。みんな『すごい!』『今度遊びに行きたい』と盛り上がっていたんですが、なんだかいつも明日香さんが話題の中心で、彼女を持ち上げなければいけないという空気が嫌なんです」

ママ友に誕生日プレゼント……リーダーママの提案に気が重くなる

 そんなある日、明日香さんから「■■ちゃんのママに誕生日プレゼントを渡そう」という提案LINEが来たという。

「明日香さんは、普段LINEグループにいるメンバー以外のママにも、個別でメッセージを送っていたようで、新しいLINEグループを作っていました。どうやらプレゼントを渡すことはもう、彼女の中で決まっているみたいなんですよね。そのお祝い準備用のLINEグループでは、何を買うのか、誰が買いに行くかという話題で盛り上がっていて……正直、誰か一人をお祝いしたら、『じゃああの人のことも祝わなきゃ』とプレゼント交換が定着することになるし、面倒くさいと思ってしまいました。ちなみに、グループ内で次に誕生日を迎えるのは明日香さん。必ずみんなで『なにか贈ろう』という展開になると思うと、今から気が重くなります」

 浩子さんは、ママ友との過剰な付き合いについていけないと感じた。

「私の姉は保育園に子どもを通わせているのですが、『園で会った時にあいさつをする程度で、あまり集まったりしない』と言っていました。うちの幼稚園は、お迎えの時間が同じなので、どうしても顔を合わさなければならないし、子どもたちはそのまま同じ学区内の小学校に進学する予定。明日香さんをはじめ、ほかのママとも付き合いを避けることは難しそうなのです。それに、そもそも明日香さんとはトラブルがあったわけではないし、彼女自身は本当にいい人。でも、彼女を中心としたママ友グループのノリについていけない。付き合いは続けたいけど、プレゼントを贈り合ったり、やたらと明日香さんを持ち上げるコミュニティから抜けたいというのが本音です」

 なお、明日香さんが主導となっているママ友への誕生日祝いは、彼女の提案で「子どもと一緒に楽しめるLUSHのバスボム詰め合わせにしよう」という話になっているそうだ。

「LUSHのバスボムって1個数千円するものもあるんですよ。私は、そんな高い入浴剤を使わないので、『食べるもののほうがいいんじゃ?』とためらいました。でもほかのママ友は『おしゃれだね』って明日香さんのセンスを褒めるんです。根本の部分が合わないのでしょうね……」

ママ友ウォッチャーが解説!
ほかのママ友コミュニティとも付き合いを持つべし!

 ママ友付き合いでは、どうしても周りと合わせることが必要とされる。ママ友間でトラブルが生じると、子ども同士の付き合いにも影響を及ぼすことがある。それを避けるために、ママたちも我慢をしてしまうのだろう。

 ママ友付き合いというのは、職場での付き合いに似ている。仕事に悪影響が出ないよう、上司や同僚に納得いかないことがあってもグッと我慢した経験は、誰もが一度はあるはずだ。しかしママ友付き合いの場合、我慢をして周りに合わせても、賃金が発生するわけではない。そのため「我慢をするよりも、付き合い自体をなくしたい」と思ってしまいがちなのだが、とはいえ、子どものことを考えるとなかなかそうもいかず、さらに悩んでしまうという人もいるのではないだろうか。

 今回、浩子さんが最も煩わしく思っているのは、“ママ友に誕生日プレゼントを渡す”というイベントとお見受けするが、こういうのは定着してしまうと今後も続いていくだろう。本来ならば、まず明日香さんが「プレゼントを渡すか否か」をほかのママ友に相談すべきだが、浩子さんの話を聞くに、すでに断りづらい空気になってしまっているように思う。

 今後の対策を挙げるならば、明日香さんに気の進まない提案をされたら、一度「会って話さない?」と声をかけてみることだ。というのも、LINEだと文章のやりとりなので、どうしても断りづらくなってしまうから。金銭が発生する重要なことは、なるべく会った時に決めようと、浩子さんがルール化してみてはどうだろう。

 また、浩子さんは、明日香さんをとにかく褒めるというママ友グループのノリについていけないと言うが、確かに園の先生と仲が良く、顔が広い委員のママは、周りからの信頼が厚いため、褒められがち。しかし、小学校に入ってしまえば、児童数も多くなるだけに、特定の子どもや親が周りから褒められる機会は減る。ママたちの明日香さんアゲが始まったら、「今だけのこと」と思って、うまく聞き流しておくのもアリなのではないだろうか。

 加えて、浩子さんにぜひ実践してもらいたいのが、明日香さん以外のママ友グループとも付き合いを持つことだ。たとえ薄い付き合いでも、ほかのママ友コミュニティがあれば、「明日香さんを中心としたママ友グループとノリが合わない」という悩みは、いくらか軽くなる。特別、何か行動を起こさなくても、子どもがもう少し大きくなると、習い事などがきっかけでほかのママとの交流が始まると思う。

By Admin