昨年7月期に、「日曜劇場」で放送された連続ドラマ『VIVANT』(TBS系)。主演の堺雅人をはじめとする豪華キャスト陣や、番組が記録した高視聴率が話題になったものの、同12月からNetflixで開始した世界配信は“不発”に終わったことが報じられている。一方で今、業界内外ではまったく別の“日本人俳優の配信ドラマ”が注目を集めているようだ。
目次
・『VIVANT』はなぜ世界では大コケしたのか?
・『忍びの家』忍者へのアプローチが世界にウケた?
『VIVANT』はなぜ世界では大コケしたのか? 「日本礼賛、アジア諸国を見下す作品」
『VIVANT』は、中央アジアのバルカ共和国で事業を進める丸菱商事社員・乃木憂助(堺)が主人公のオリジナルドラマ。堺だけでなく阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司、二宮和也ら、“主演クラス”の役者が多数起用され、それぞれの役柄、またドラマのストーリーも放送前は伏せられていた。
「TBSの“看板枠”である『日曜劇場』のドラマで、事前に莫大な制作費が投入されていることも伝えられていたため、視聴者の期待は高かった。放送開始後もネット上で考察合戦が白熱するなど話題性抜群で、視聴率はオール2ケタ台、最終回は世帯平均19.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました」(芸能ライター)
そして、同ドラマは昨年末に190以上の国と地域でNetflix配信されたが、今年2月17日にニュースサイト「デイリー新潮」も報じた通り、配信ランキングでトップ10入りしたのは“ご当地・日本”と台湾のわずか2カ国のみにとどまり、海外では“大コケ”という結果に。
「もともと世界市場を視野に入れていたという『VIVANT』がコケた理由について、X(旧Twitter)ユーザーの間では、『日本のドラマとしてはスケールが大きかったけど、世界水準には達してなかったのかも』『脚本がご都合主義すぎたから?』『日本を礼賛し、アジア諸国を見下しているような作品が世界で受け入れられるわけない』などと、さまざまな意見が飛び交っています」(同)
『忍びの家 House of Ninjas』は世界2位! 賀来賢人の忍者に対するアプローチとは?
そんな中、Netflix「週間グローバルトップ10」(2月12~18日)のテレビ・非英語部門で2位を記録した『忍びの家 House of Ninjas』(同15日から配信開始)が話題を呼んでいる。
「Netflix独占配信中の『忍びの家』は、主演俳優の賀来賢人が原案、共同エグゼクティブ・プロデューサーも務めているオリジナルドラマで、“現代最後の忍び一家”である俵家が、国家を揺るがす史上最大の危機と対峙していくというストーリー。配信から1週間後の今月22日には、『今日のシリーズTOP10』において世界16の国と地域で1位に輝き、46の国と地域でトップ3入り、92の国と地域でトップ10入りしたと伝えられました」(スポーツ紙記者)
『VIVANT』大コケ報道の直後ということもあって『忍びの家』の快挙は一層目立ち、X上にも「賀来さんすごい!」「実際に見てるけど超面白い」「世界は絶対こういうのが好き」といった書き込みが寄せられている。
「『忍びの家』は賀来が自らNetflixに企画を持ち込み、主演兼制作を務めているという異色の作品。2月19日に男性誌『エスクァイア日本版』のウェブサイトで公開されたインタビューで賀来は、『忍者をデフォルメしたり下手に現代化させたりせず、ストレートに描くこと』を意識したなどと語っています。忍者という存在に憧れる外国人が多い一方、日本の作品ではコメディタッチで描かれるケースも多いだけに、その姿を真正面から表現するというのは確かに革新的。賀来の忍者に対するアプローチが真摯なので、世界的に高評価を得ているのではないでしょうか」(同)
『VIVANT』を吹き飛ばした『忍びの家』の世界的な旋風がどこまで拡大していくか、注視したい。