外出時や緊急時など歯磨きができないときや、日頃の口臭ケアに使える「洗口液」。ドラッグストアの棚には多種多様な洗口液が並んでいますが、プロが選ぶのはいったいどれ? 宮崎県大崎市のまつむら歯科クリニックの院長、松村賢先生に人気の洗口液について評価してもらいました!
目次
・洗口液と液体ハミガキの違い
・洗口液の成分的な特徴
・ドラッグストアの「洗口液」売り上げベスト10
・売り上げベスト10から洗口液のおすすめ商品3つ
・歯科医師が使っている洗口液は?
洗口液とは? 洗口液と液体ハミガキの違い
「洗口液」は、口に含んですすぐことで、口臭を予防したり、含まれる薬用成分によって歯周病予防、むし歯予防につながることが期待されます。ドラックストアにはさまざまな製品がありますが、「マウスウォッシュ」や「デンタルリンス」といった名称で販売されており、皆さんもその名称のほうが聞き馴染みがあるかもしれません。
実は、「マウスウォッシュ」「デンタルリンス」と呼ばれるオーラルケア商品は「洗口液」と「液体歯みがき」の2種類に分類されます。しかし、2つが混同して認識されてしまい、間違った方法で使用しているケースが見られます。実際、「ドラックストアの洗口液売り上げベスト10」の商品も、「洗口液」と「液体歯みがき」が混在している状況です。
では「洗口液」と「液体歯みがき」はどのような違いがあるのでしょうか?
洗口液
口の中に含んでうがいすることで、口臭予防や、成分によっては歯周病、むし歯の予防が可能です。ブラッシング不要ですが、うがいするだけでは、むし歯や歯周病の原因となるプラークは除去できないため、あくまでも歯みがきの補助的なアイテムとして使用するのが良いでしょう。
歯みがき後に使用することにより、歯みがきでは行き届かない歯と歯の間や歯茎に有効成分が行き渡り、より予防効果が期待できます。また外出先で歯みがきができない場合や口臭が気になる場合にも簡単に取り入れることが可能です。
液体歯みがき
歯みがき粉を液体化したもので、口に含んで全体に行き渡らせ、そのままブラッシングする、もしくは、20〜30秒クチュクチュしてから吐き出し、ブラッシングをします。歯みがき剤なので歯ブラシと組み合わせて使用することで効果を発揮します。
練り状の歯みがき粉との違いは、液体状なので歯の隙間など隅々まで有効成分が入りやすくなる点。また、研磨剤、清掃剤が含まれていないため、歯茎や歯面を優しくケアすることができます。
なお、歯みがき後のうがいが不要のため、有効成分がお口の中に残りやすいというメリットも。水が出ない、使用できない場合でも歯が磨けることから、災害時にも使えます。防災グッズに歯ブラシと歯みがき粉をご用意されている方は、歯磨き粉を液体歯みがきに変えてみてはいかがでしょうか?
歯の着色が気になる方は、汚れを落とす有効成分が含まれている練り状歯みがき粉との兼用をおすすめします。
このように、「液体歯みがき」は歯みがきの前や歯みがき時に、「洗口液」は歯みがきができないときや歯みがきの後に使用するなど方法や効果に違いがあります。この商品はどちらかな? と悩んだ場合には商品の裏面を見ていただければ「洗口液」「液体歯みがき」の記載がありますので、確認してご購入ください。
洗口液の成分的な特徴
ドラッグストアやスーパー、コンビニエンスストアで販売されている洗口液は、薬事法により「化粧品」と「医薬部外品」に分かれています。「化粧品」は、お口の中をきれいにしたり、香料により口臭を和らげる効果がありますが、口臭、虫歯、歯周病の原因となる菌を殺菌する有効成分は含まれていません。
一方で「医薬部外品」には薬用成分が配合されており、口臭、むし歯、歯周病などを予防できます。その点から「医薬部外品」の製品をおすすめしますが、たくさんの種類が販売されているため、ご自身の目的にあった有効成分が含まれている洗口液を選ぶことが大切です。
・【虫歯予防を目的とする成分】「CHG」「CPC」「フッ素」など
・【歯周病予防を目的とする成分】「CPC」「BTC」「エッセンシャルオイル」など
・【口臭予防を目的とする成分】「クロルヘキシジン」「CPC」「二酸化塩素」「塩化亜鉛」
・【ホワイトニング目的の成分】「炭酸水素ナトリウム」「ポリリン酸ナトリウム」
目的別成分例を紹介しましたが、販売されている商品の中には含まれている有効成分により「歯周病予防」「ホワイトニング」といった効果を明記しているものもありますので、参考にして選ぶのも良いでしょう。
そのほかにもアルコール成分が含まれる製品とノンアルコールの製品があります。アルコール成分が含まれているタイプは爽快感を得ることができます。刺激に弱い、また炎症がある、お口が乾燥しやすい方はノンアルコールのタイプを選びましょう。毎日使用するものですから、味や刺激、ご自身のお口の中の状況に合わせて使い続けられる製品を選ぶことをおすすめします。
ドラッグストアやスーパーマーケットの洗口液売り上げベスト10
(2023年11月01日~2024年1月31日、ウレコン調べ)
1位:薬用リステリン トータルケアプラス 1000ml(区分:医薬部外品 液体歯みがき)
2位:クリアクリーン デンタルリンス ソフトミント 600ml(区分:医薬部外品 洗口液)
3位:リステリン トータルケアゼロプラス 1000ml(区分:医薬部外品 液体歯みがき)
4位:洗口液 オクチレモン 5本(区分:化粧品 洗口液)
5位:GUM プラス デンタルリンス スッキリ爽やかタイプ 900ml(区分:医薬部外品 液体歯みがき)
6位:クリニカ クイックウォッシュ 450ml(区分:医薬部外品 洗口液)
7位:GUM デンタルリンス レギュラー 960ml(区分:医薬部外品 液体歯みがき)
8位:GUM デンタルリンス ノンアルコール 960ml(区分:医薬部外品 液体歯みがき)
9位:薬用リステリン トータルケア 歯周クリア 1000ml(区分:医薬部外品 液体歯みがき)
10位:GUM デンタルリンス レギュラー 付替 960ml(区分:医薬部外品 液体歯みがき)
売り上げベスト10で洗口液のおすすめ3つ
売り上げランキングは「洗口液」と「液体歯みがき」が混在しています。洗口液は2位クリアクリーン デンタルリンス ソフトミント 600ml、6位クリニカ クイックウォッシュ 450mlのみ。ご自身の目的に合わせて選んでください。今回は有効成分が含まれる「医薬部外品」の商品から、◎◎に注目しておすすめを選びました。
1位 リステリン トータルケアゼロプラス 1000ml
医薬部外品 液体歯みがき
殺菌力はそのままに、低刺激・ノンアルコールのため、毎日使いやすい製品です。この1本で「虫歯」「歯周病」「口臭」「歯石」「着色」「汚れ」「粘着き」に対応している点も優秀です。
<成分>
・イソプロピルメチルフェノール(IPMP):広範囲の菌に対する殺菌効果が高く、バイオフィルム(菌のかたまり)への浸透性に優れている。
・塩化亜鉛:口臭原因物質を減少させる。
2位 薬用リステリン トータルケアプラス 1000ml
医薬部外品 液体歯みがき
1位の製品にアルコール成分が加わっています。効果は同様ですが、アルコール成分が含まれているので、爽快感がお好みの方はこちらの製品がおすすめです。
3位 薬用リステリン トータルケア 歯周クリア 1000ml
医薬部外品 液体歯みがき
歯周病予防を始めたい方におすすめです。またノンルコールで低刺激で使いやすい商品です。
<成分>
・イソプロピルメチルフェノール(IPMP):広範囲の菌に対する殺菌効果が高く、バイオフィルム(菌のかたまり)への浸透性に優れている。
・グリチルリチン酸ジカリウム:抗炎症作用があり、歯肉炎などの炎症に効果がある。
歯科医師が使っている洗口液は?
今回のランキングに入ったリステリンシリーズのノンアルコール製品の「液体歯みがき」と、ランクインしなかった「洗口液」、どちらも使用しています。理由としては、リステリンは歯ブラシと兼用することで歯肉炎や歯周病に効果があることが文献で報告されているからです。また刺激が苦手な家族とも兼用できるためノンアルコールタイプを選択しています。また薬用洗口液「コンクールF」も殺菌効果がとても高くおすすめです。
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