3月18日、人気刑事ドラマ『踊る大捜査線』(フジテレビ系)シリーズの最新映画情報が発表された。1997年1月期放送の連続ドラマから始まり、スペシャルドラマや映画、舞台なども展開してきた同作。もともとの主人公は、警視庁湾岸署の刑事・青島俊作(織田裕二)だが、今秋公開予定と明らかにされた映画は、警察官僚の室井慎次(柳葉敏郎)を中心に描かれる。2012年9月公開の『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』以来、12年ぶりの映画となる。
目次
・『踊る大捜査線』新作発表の反響
・続編も好調、フジの超ヒットコンテンツ
・『踊る大捜査線』シリーズ過去の興行収入
『踊る大捜査線』新作発表、喜びの声の一方で「今さらすぎる」
柳葉演じる室井は、連ドラ版『踊る大捜査線』で警視庁刑事部捜査第一課強行犯捜査担当管理官として登場。警察官僚という立場上の葛藤がありながらも、湾岸署に配属された熱血漢の青島が、ベテラン刑事・和久平八郎(いかりや長介)のもとで成長していく姿を徐々に認め、それと同時に感化されていくというキャラクターだった。
のちのシリーズでは昇進や降格を経験しつつ、『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』で警察庁長官官房組織改革審議委員会委員長に就任。最新映画は、室井が主人公となる以外の内容はまだほとんど伏せられているため、続報が待たれる。
「人気シリーズとあって久々の新作発表を喜ぶネットユーザーが多くみられる一方、『今さらすぎる』『フジには新規の企画にかける余力がないのか』『結局「昔のほうが良かった」になりそうで心配』といった声も少なくありません。とはいえ“超ヒットコンテンツ”は時間が空いても大コケはしにくく、それに賭けたいというフジ側の心情も理解できます」(スポーツ紙記者)
『ガリレオ』『HERO』フジの超ヒットコンテンツは時間が空いても大コケしない?
例えば、07年10月期に同じくフジで放送された連ドラ『ガリレオ』(福山雅治主演)も、第2シーズン(13年4月期)やスペシャルドラマの放送、映画も公開。最新作は22年9月公開の『沈黙のパレード』で、「映画としては9年ぶり」と大宣伝された結果、最終興行収入30億円を記録した。
「また、やはりフジで01年1月期に放送された連ドラ『HERO』(木村拓哉主演)も、同じように第2シーズン(14 年7月期)、スペシャルドラマ、映画が制作されました。そして、15年7月公開の映画第2作目『HERO』は最終興収46.7億円をあげています。こうした例を踏まえると、『踊る大捜査線』シリーズも失敗の可能性は低そう。ただ、今秋公開予定の新作はあくまで“スピンオフ”という位置づけで、主人公も青島ではないことがどう影響してくるか……」(同)
2005年公開『容疑者 室井慎次』の最終興行収入は?
シリーズ初の映画『踊る大捜査線 THE MOVIE』(98年10月公開)は最終興収101億円を叩き出し、第2作目『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(03年7月公開)では最終興収173.5億円の大ヒットを記録。後者は、国内で上映された歴代映画の興収ランキングで10位(24年3月21日時点)の成績となっている。どちらも青島が主人公だった。
「一方、05年5月にはシリーズの主要キャラクターの1人である真下正義(ユースケ・サンタマリア)を主人公としたスピンオフ映画『交渉人 真下正義』も公開されており、青島抜きでも42億円となかなかの好成績。さらに、同8月にも室井がメインで青島が登場しないスピンオフ映画『容疑者 室井慎次』が公開されていて、こちらは最終興収38.3億円でした」(同)
『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』は、青島が主人公で最終興収59.7億円。スピンオフよりはヒットしたものの、全盛期の勢いはすでに失われていた印象だ。そこからすでに12年たった今、室井のスピンオフ映画第2弾は、果たして成功するのだろうか。