カミラ王妃の長男で、母思いなことで知られる料理評論家のトム・パーカー・ボウルズが、クリスピー・クリーム・ドーナツのレビューを執筆。酷評した内容が絶妙だと話題になっている。
目次
・庶民感覚を失わないカミラ王妃の息子
・クリスピー・クリーム・ドーナツをユーモアたっぷりにレビュー
・表紙に王冠が描かれた新刊をリリース予定
・ユーモアセンスはカミラ王妃から受け継いだ?
庶民感覚を失わないカミラ王妃の息子
カミラ王妃が最初の夫との間にもうけた長男で料理評論家のトム・パーカー・ボウルズ。実の母親は英国王妃。継父でゴッドファーザーでもあるチャールズ3世は国王、異母弟ウィリアム皇太子は次期君主と、母の再婚により王族とステップファミリーになった。
母との関係はとても良く、異母弟のヘンリー王子が自伝本『スペア』
で王妃のことを「危険」「邪悪」「(女王の)王冠のために長期戦を続けている」と描写した時には、「私は誰がなんと言おうが気にしない。長期戦なんかじゃない。母は愛する人と結婚しただけだ」と珍しく反論。ヘンリー王子への宣戦布告だと話題になった。
チャールズ国王の戴冠式に出席し、息子のフレディが王妃のページ・オブ・オナー(ローブの裾を持つ役割)を務めたことから、「カミラは自分の息子や娘に孫を王室に引き寄せ、乗っ取りをたくらんでいるのかも」「息子や娘にも称号を与えるんじゃない?」などと言われることもあるが、トムは「母は王族になったが、自分は何も変わらない一般市民だ」と一線を引いており、称号にも興味なし。もちろん王室からの手当ももらっておらず、庶民感覚を失わない人だとイギリス国内では知られている。
クリスピー・クリーム・ドーナツをユーモアたっぷりにレビュー
そんなトムが、普段レビューしているミシュランレベルのレストランから離れ、「英国の料理界にすっかりなじんだアメリカの食べ物のひとつ」である庶民的なドーナツを取り上げたところ、ネット上で評判を呼んでいる。
2003年に英国進出を果たした、アメリカのドーナツ店「クリスピー・クリーム・ドーナツ」。トムは、ロンドン・エンフィールド店に繰り出し、ドライブスルーでドーナツを12個オーダーした。
同店の看板メニュー「オリジナル・グレーズド」は「この地球で最もおいしいドーナツのひとつ。車で来たかいがあった」と舌鼓を打ったものの、ピンク色のユニコーンをイメージしたドーナツは最悪だと酷評。
ドーナツをピンクのアイシングにたっぷり浸し、スプリンクルをかけ、ツノをつけた商品だが、トムは「ピンク色のプリティ・リトル・ユニコーンには手を出さないほうがいい。『エンフィールドのポルターガイスト』以来、お目にかかったことがないような体外離脱を誘発させる暴力的な糖分の塊だ」とブラックユーモアたっぷりにレビューした。
このレビュー記事は、現地時間7日に英紙「メール・オン・サンデー」に掲載。ネット上では「笑える」というコメントがつき、「クリスピー・クリーム・ドーナツは高いよね。めったに食べられないご褒美だよ」「ラズベリージャムの入ったイギリス版ドーナツのほうが安いし、おいしいよね」と話題に。
トムは、同店のホットコーヒーについても「温かなドブの水」とガッカリな気持ちが伝わってくる辛口コメントを書いたが、これに対しては「コーヒーに関してはイギリスのどこ行ってもまずいし」といった意見が多かった。
表紙に王冠が描かれた新刊をリリース予定
ネットで話題になったことから、トムをよく知らない人による、「王妃の息子だから好きなことして暮らせるんだね」「そのうちサーとか名乗るんじゃない?」といったヘイト的な書き込みもあったが、「あなたイギリス人じゃないでしょ。彼は20年以上料理評論家として活動しているし、料理に関する本もたくさん出しているプロなんだけど」と冷静に指摘されていた。
これまでに料理に関する本を7冊出版。雑誌「エスクァイア」ではフードエディターを務めるなど、料理に関する知識が高いと高く評価されているトムは、今年9月、8冊目となる料理本『Cooking and The Crown』をリリースする予定だ。
表紙に王冠が描かれた新著には、「ヴィクトリア朝から続く王室の伝統料理を含む、100のレシピを紹介」しており、「歴史と王室と美食をミックスした、人々を魅了する一冊」になるだろうと出版社は説明。
トム自身も「料理歴史オタクとして、ウィンザー城王室文書館に保管されているオリジナルレシピを読み、この本を執筆することができて大興奮してる」と語っていた。
今回のドーナツのレビューの直後、昨年すでに発表されていたこの新著についてのニュースが再びネット上で流れ、Xでは、「カミラの息子は王室で金稼ぎしているとか言われないんだね」「男だから批判されないんだよ。メーガンは女だから批判される」などと夫人のファンを中心に、トムに対しするバッシングが起こった。
しかし、このバッシングには「本当にどうでもいいんだけど。夫人と違って、トムの本は昨年出版することが発表されてたし」「王室のレシピなんだから、王冠が表紙に描かれていてもいいじゃん。メーガンだって王室を離脱してからも称号にしがみついて、金もうけに利用しているんだし」などとたしなめるコメントもついいた。
ユーモアセンスはカミラ王妃から受け継いだ?
ダイアナ元妃の敵だと悪口を書かれ、世界中から悪者扱いされ、今でもドラマや映画で悪く描かれるが、そのことについては何も言わないカミラ王妃とトム、そしてトムの妹ローラ。
複雑な家庭に育ったものの、これまでメディアに対して母や王室に対する不平不満を口にしていないのは、カミラが母親としてそれなりにきちんとしているからだと評価する人は少なくない。
トムは名門イートン校にオックスフォード大学、ローラも寄宿学校からオックスフォード・ブルックス大学に進学するなど、学もあり、「王室の悪口や内情をNetflixでベラベラしゃべる誰かとは違い、王室に関しては出しゃばらず控えめで好感が持てる」という人も多い。
今回のクリスピー・クリーム・ドーナツのレビュー記事は辛口だったが、彼のブラックユーモアセンスを高く評価した人が多かった様子。クールで抜群のユーモアセンスを持つと評判が上がっているカミラ王妃だが、その血はトムにもしっかり受け継がれているようだ。