覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける瑠壬(るみ)さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
目次
・危険ドラッグで飛び降りや全裸で保護などの事件
・大昔から人間には「ラリってしまいたい気持ち」がある
・市販薬もたくさん飲めば「危険」
危険ドラッグで飛び降りや全裸で保護などの事件
一時期、「撲滅された」ことになってた危険ドラッグですが、最近また問題になってるようです。
ニュースによると、今年1月から2月にかけて「幻覚剤のLSD(lysergic acid diethylamide 、リゼルグ酸ジエチルアミド)」に「成分が似てる危険ドラッグ」(1D-LSD)を使った20代が2人もマンションから飛び降りて亡くなったそうです。
マンションの8階から飛び降りた女性と「一緒にいた男性」の話では、女性がネットで買った「1D-LSD」を使ったら急に様子がおかしくなり、「新しい自分になる」とか「飛んじゃう」などと意味のわからないことを言いだして、「男性が目を離した隙に飛び降りた」そうです。
新しい自分になりたいて思うこと、誰でもあると思うんですよ。なんかとても切ないです。
ほかにも亡くなってはないようですが、20代の男性が全裸で保護されたり、男子高校生がバスや車を叩いて壊したりした事件でも「1D‐LSD」が使われてたそうです。
「成分が似てるドラッグ」て、微妙ですよね。合成のクスリ(=違法薬物)は規制が難しいそうです。規制は、クスリの名前やなくて「成分」なんですが、危険ドラッグは細かすぎて規制が追いつかないんです。
大昔から人間には「ラリってしまいたい気持ち」がある
危険ドラッグは暴排条例でシノギが細くなった(収入源が減った)ヤクザの「新しいシノギ」ともいわれて、一時は大流行しました。2015年の逮捕者が1,196人といちばん多かったそうですが、その後は減ってたんですけどね。減ったのは「やっぱり覚醒剤のほうがいい」とか言われたり、「いろんなものをテキトーに混ぜて作ってるから同じものがなかなか作れなくて面倒くさい」とかゆう都市伝説的な理由もありました。
その後はコロナ禍とかもあって21年には145人まで減ったんですが、22年は279人、23年は424人とまた増えてきてるんですね。まあ、ええことではないですが、大昔から「ラリってしまいたい気持ち」があって、それに勝てないんですよ。
編集者さんが「2000年以上前に南米のペルーで描かれた岩絵は『幻覚剤をキメた古代人たちが、音楽に合わせてノリノリで踊っている姿を描いたものである』とポーランドのワルシャワ大学とかが発表したそうです」と教えてくれました。
「踊る人間のまわりに描かれたジグザグ線や点模様は、トリップ中に見られた幻覚の視覚表現である可能性が高い」そうです。
そうゆう「キメたい気持ち」をただ禁止するだけやから、クスリはいつまでも売られてるのとちがいますかね。
市販薬もたくさん飲めば「危険」
誰にでも「キメたい気持ち」とともに「不安」もありますよね。
3月末から4月にかけて新宿歌舞伎町の「トー横」(新宿東宝ビルの横)周辺で11〜18歳の男女が31人も補導されて、中には小学6年生の女の子もいたそうです。
家で居場所がないとか、いろいろ不安なんやと思いますが、そもそも危ないし、トー横では市販されてる普通の風邪薬のOD(overdose、過剰摂取)も問題になってますよね。「怪しいクスリ」やなくても、たくさん飲めば死ぬこともあります。
春休みや夏休みだけ補導したり、「新宿東宝ビルの横」にだけバリケードを作っても意味ないと思います。
トー横周辺に来る子どもたちや若い女性の寂しさや不安、それを狙う悪い人たちの思惑とか、そっちを解決しないと、いつまでたってもなくなりません。最近は児童虐待も毎年増えてて、今年は19年連続で過去最多やそうですよ。
子ども本人への暴行だけやなく、目の前ですごい夫婦ゲンカとかをしてもダメですからね。そんな家にいたくなくて家出をしたくなる気持ちはわかりますから、トー横から追い出すだけでは解決しないです。
瑠壬も何か力になれればええのですが。