家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。
目次
・今回のお悩み
・プウ美ねえさんの回答
・今月のエプロンメモ
<今回のお悩み>
「愚痴に正論で返す夫にムカつきます」
結婚15年の夫はとても善良な人です。家事や育児も協力的で、わたしのしたいことも応援してくれるし、とてもいい夫だと思います。
いつも感謝していますが、腹の立つところが一つあります。
言ってもしかたないと、わかっていても言ってしまうことってありますよね? 過去の出来事について「あのとき、こうすればよかったな」とか……。そんな時、夫は必ず「そんなこと言うもんじゃないよ」みたいなことをぬかす、いえ、のたまうのです。
わたしがなぜそんなことを口にするのか、その気持ちを考えてくれないのでさびしくなります。さっきも、子どもがとても優しいことを言ってくれた話をして、つい「上の子はそんなこと一度も言ってくれたことがない」とこぼしたところ、「そういうことを言っても誰も幸せにならない。上の子ができて下の子ができないこともあるだろう!」と予想どおり叱られてしまいました。
夫の言っていることは正しいし、上の子の気持ちによりそったのかもしれませんが、わたしが長年「上の子が何をしてあげても親だから当然」とお礼一つ言わない態度に傷ついていて、夫が「子ども同士を比較しないように」といつも言うことがわかっていてもさびしさのあまりポロリと口にしてしまった、そっちの気持ちによりそえよ!!!! と頭に血が上ってしまい、「んなことわかってるわよ! あなたにそう言われたら誰か幸せになるとでもも思ってるの!?」と罵倒してしまいました。
「別にそう言いたくて口から出てるだけの言葉にいちいち解決策を示さなくていいから、ただ聞き流してほしい」「その言葉ではなく、その言葉を発言するわたしの気持ちに共感してほしい」という話は再三しましたが、ずっと同じなので、今後も変わらないと思います。わたしはどうしたらいいでしょうか?
(メルシボ子さん、44歳)
プウ美ねえさんの回答
15年も一緒にいるパートナーを善良といいきれるなんてすばらしい信頼関係。あなたもきっと素直で善良な、魅力ある人だからそう言えるのですね。
さて、ご夫君の言葉が「ボクの大好きな、素敵なあなたでいてほしい」という願いだということは、おわかりですよね? 人格の否定とは違います。
なのでさびしがったりせず ”きれいなブラウスについてた糸くずを払ってもらった” ぐらいの気持ちで喜んでみてはどうでしょう。なにより、毎回いちいち諌めるのは、これからもガマンをせずにあなたと暮らしたい、という愛があるからこそです。「はぁ~い」と納得したフリをしてやりすごすのが吉ですよ。
何年もつきあったあと「君の愚痴にはもう疲れた、お願いだから別れてほしい」と言って去っていった恋人がいました。いつもうるさがったりせず「ふーん、そうか、大変だな」と静かに聞いてくれたので、すべての気持ちをオープンにしてよいのだと調子に乗っていたのです。言うほうはラクチンでしたが、相手は毎日ガマンの連続だったでしょう。
おねえさんは今、この世にいるひと全員を、わかりあえない他人だと思っています。誰かと一緒に心地よく過ごせるのは、奇跡のような一瞬の偶然……そう考えるほうが万事うまくいくのです。もろもろの不幸は「相手を自分の思い通りに変えたい」から始まります。
あなたはご夫君のお諌めが今後も変わらないだろうと身にしみている。そして彼を変えたい、ではなく「わたしはどうしたらいいか」とおっしゃっている。これはもう大正解です。ご家族へのちいさな不満や愚痴や後悔は、今やってらっしゃるように、匿名でインターネットにぶちまけるのが一番よろしい。
今月のエプロンメモ
生身の人間にじっくり話したりすると心の闇が増幅します。顔もしらない相手に「わかる~! 下の子って親も余裕もてるし、かわいいよね!」と共感されるぐらいがちょうどよいのです。ご結婚年数からすると上のお子様は未成年でしょうか。親への思いやりは今後いくらでも芽生えますから、大丈夫。
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