2021年、22年に過去最高水準の売り上げと純利益を達成し絶好調だったインテリアショップ「Francfranc(フランフラン)」。しかし、23年8月期の決算では純利益が激減していることが明らかに。「Francfranc(フランフラン)」を実際に見てきました。
目次
・【Francfranc】業績とこれまでーー23年に純利益が激減
・【Francfranc】買い物してみた
・【Francfranc】業績低下の背景は、スリコや100均の台頭?
【Francfranc】業績とこれまで――23年に純利益が激減
1992年に「Francfranc」1号店が東京・品川区にオープン。2002年にJASDAQ(ジャスダック)市場に上場し、06年には東証1部指定替えしますが、12年に上場を廃止し、翌年セブン&アイ・ホールディングスの傘下に。
しかし、セブン&アイのもとでも業績が厳しく、21年に投資ファンドに売却されました。その後、21年22年と連続で350億円を超える売上高と20億円を超える純利益を記録。絶好調とビジネス系メディアに取り上げられたものの、23年の業績では苦戦していることが明らかに。
23年8月期決算によると、純利益は12億円(前年26億円)に終わっています。右肩上がりだった業績に急ブレーキがかかりました。
【Francfranc】買い物してみた
およそ4〜5年ぶりに「Francfranc」を見ますが、まず驚いたのはUSB式充電式ハンディファンへの力の入れよう! 「Francfranc」は近年この商品で大ヒットを飛ばしたことから、今年も新色や新型をズラッと陳列していました。
ハンディファンに付けられるネックストラップもさまざまなデザインがあり、同店を象徴するフリルまであったのには仰天です。無機質なアイテムを力技でガーリーに持っていくガッツを感じました!
ちょっとした食品も種類豊富に扱っています。瓶詰めや小袋に入ったおつまみ、瓶詰めのポップコーンやゼリー、調味料などが雑貨と一緒にレイアウトされ、価格はほとんどが500円以下とお手頃。
中でもゼリーなど新作の食品は、パッケージも相まっててっきり小物かと思うようなビジュアル! 夏っぽいグラスやカトラリーなど世界観を統一し展開していました。なお、ほとんどがフランフランのロゴが入ったオリジナル商品です。
食器やランチボックスが総じて高価格
食器も夏らしいクリアなもの、はやりのオーロラ仕様からオレンジ色などカラフルな色使いまでなど、いろんな系統のアイテムがズラリ。
もちろんかわいいんです。ですが、価格を見ると小皿250円(税込、以下同)茶碗500円といった調子で、「お高いなあ」と思ってしまいました。セリアでこういう色使いの同じサイズの皿が110円で買えるのを知っていると、どうしても割高感があります。
ブルーに縁取られたシンプルでシックな白い食器は3点セットで1,800円。こちらもセリアで似たようなものが1点110円で売られてたなぁ……なんて思いますが、もちろん、作りや素材が全然違うんでしょう。素人目にはわかりませんが……。
食器以外にも、くすみカラーのランチボックスが2,500円、そこにカトラリーと巾着がセットになって3,500円と、筆者の感覚とはゼロがひと桁違う世界。「スリコでこんな感じの売ってるよね!?」とまたしても思ってしまいました。
フォトフレームもかわいいです。でも、「ダイソーでそっくりなの買った!」「タンダードプロダクツで見たことある!」と、ついいちいち比べてしまいます。
こちらはオリジナリティを感じた商品。マイクロファイバーのクロスで、使い捨てできるタイプ。50枚入りで500円、色がかわいらしくいですよね。
使い捨てのキッチンクロスは各社から出ていますが、こちらは厚手で、とても使い捨てには思えないクオリティでした。
美容家電にびっくり
びっくりしたのは、美顔スチーマーやイオンドライヤーを看板とする美容家電コーナー! ここだけまるで家電量販店のようです。
これらはフランフラン初のオリジナル美容家電「salon(サロン)」シリーズで、「インテリアブランドならではの美容家電で毎日のセルフケアタイムをお楽しみください」とのこと。たしかに見た目はスッキリしていてスマートですが、機能面での特徴が伝わってこないので、なんだかおもちゃみたいだなと思ってしまいました。
良い香りがするアイテムが豊富
店に足を踏み入れた瞬間から、アロマ系の良い香りが漂ってくるほど、店内は香りが充満。ディフューザーの充実ぶりから力を入れようがわかりますが、香りが強めなので苦手な人もいるかも?
ディフューザーのほかにも、良い香りがするボディケアアイテム、バスグッズもズラリ。! 400円前後のハンドクリームやバスソルト、900円のネイルオイルなどお手頃感があり、パッケージがどれもかわいいのでプチギフトに良さそうです。
フランフランといえば、フリルとリボンのエプロン
フランフランのイメージといえば、個人的には「ピンク」「フリル」「リボン」「花柄」。そうした甘いテイストの商品が少なくなっている印象を受けたのですが、店の片隅に発見!
大きなフリルの肩紐、ロマンチックな花柄のプリントに、ウエストに特大のリボンがあしらわれたエプロン。ジェンダーレスでカジュアルなムードが隆盛な昨今、胃もたれしそうなくらいにどガーリー。これをてらいなく着られる方こそ、フランフランの正当な客層なんだろうと思う一方、それってなかなか険しい道のような気もしてしまいます。
【Francfranc】業績低下の背景は、スリコや100均の台頭?
今回、フランフランのあとにスリコとスタンダードプロダクツ、そしてダイソーの300円ショップ「スリーピー」にも寄ってみました。
すると、フランフランで見かけたようなカラフルなハンディファンをスリコで発見! 価格ももちろんグッとお値打ちです。ストラップもありました。
スタンダードプロダクツには、フランフランでも売っていそうなパッケージのハンドクリームやディフューザーがズラリ。
なにより衝撃的だったのはスリーピーの商品がフランフランそっくりだったこと! くすみカラーのマグカップやオーロラのグラス、カラフルな絵柄の食器やフリルのクッションカバーなどなど、枚挙に暇がないほどどれもこれもフランフラン!
もちろん前述の通り細かいところではフランフランのほうがクオリティが高いのだと思います。それにしたって、この価格の差には驚かざるを得ません。
クオリティはわからないけど見た目は良い
今回フランフランを訪れて感じたのは、以下の3つです。
(1)全アイテムが思うよりも4〜5割高い
(2)機能面の特性、商品の背景がよくわからない
(3)プチギフトに良いアイテムが多い
価格については前述の通りで、(2)はあえて乱暴に言うと「モノのクオリティはわからないけど見た目は良い」という商品が多いと思いました。素材や機能の説明がもっとあると、価格に納得感も生まれそうです。
一方、見た目は良くハイランク感もあるのでプレゼントで喜ばれそうではあります。はじめからギフトセットで用意されているアイテムも多いので、あれこれ考えず済みそうで助かりますね。
「Francfranc」は22年から23年で利益が大幅に減少。その時期はまさしくスタンダードプロダクツやスリコがちまたで評判になった時期と重なります。
夏を目前に控えた現在、ハンディファンを猛プッシュしているのがわかりましたが、このほかに「Francfranc」がどんな手で業績を巻き返すのか? 期待しています。