吾峠呼世晴氏による人気漫画(集英社)を原作とするアニメ『鬼滅の刃』の新シリーズ「柱稽古編」(フジテレビ系)が5月12日よりスタート。第1話ではベテラン声優の速水奨が脇役で登場し、アニメファン、声優ファンの注目を集めた。
目次
・ベテラン声優・速水奨、『鬼滅の刃』に鴉役で登場
・速水奨、「唯一無二」の声も演技は「上手ではない」?
・速水奨の“モブキャラ出演”は「三方よし」のワケ
ベテラン声優・速水奨、『鬼滅の刃』鴉役で登場し話題に
速水は、1980年に行われた『アマチュア声優・ドラマ・コンテスト80』でグランプリを受賞したことをきっかけに声優デビューを果たした、歴45年の大ベテラン。『超時空要塞マクロス』(TBS系、1982年10月~83年6月)のマクシミリアン・ジーナス役や、『BLEACH』シリーズ(テレビ東京系)の藍染惣右介役で知られる。
そんな速水が登場したのは、5月12日放送の『鬼滅の刃 柱稽古編』第1話。主人公・竈門炭治郎(声:花江夏樹)が所属する「鬼殺隊」を率いる“お館様”こと産屋敷耀哉(声:森川智之)の使いの鎹鴉役を演じ、「豪華すぎる」「速水奨の無駄使い」などとSNS上で大きな話題を呼んだ。
「速水は、大ヒット上映中の『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』にも、主要キャラ・孤爪研磨役の父親役で出演。公式サイトの出演者の欄に名前はなかったため、映画のラストに流れるエンドロールを見て、速水が出演していたことに気がついた人も多いようで、SNS上では『やたらいい声だと思ったら、速水さんだったのか!』『エンドロールで名前を確認して驚いた』『出演時間短いのに圧倒的存在感』と話題になっていました」(芸能ライター)
また、速水は近年、ほかのアニメでも出演シーンの少ないサブキャラを務める機会が多いようで、「ちょい役ばっかりめちゃくちゃするじゃん」「ちょい役でどんだけ出るんだ?」との指摘も上がっている。
ベテラン声優・速水奨、「唯一無二」の声を持つものの……演技は「あまり上手ではない」?
そんな速水は業界内で、いったいどのように評価されているのだろうか。
「速水は、甘い低音でよく響く、唯一無二の声質の持ち主。彼のように声を聞いただけでパッと名前が浮かぶ、特徴的な声を持つ声優は、若い世代にはあまり多くありません。60代になった今でも『速水奨の声がほしい』と名指しでオファーされることは多いと思いますよ。ただ、声質には非常に恵まれている一方で、肝心の演技はあまり上手ではなく、どこか“棒演技”。おそらく自分の声に美学を持っていて、声が良いゆえに、表現に縛りを作っているように感じます」(制作会社関係者)
なお、声優になる以前に俳優として活動していた速水は、劇団四季、飛鳥企画、ぷろだくしょんバオバブ、大沢事務所、青二プロダクションと事務所を移ったのち、再び大沢事務所に“出戻った”過去が。13年10月には声優&アーティスト事務所「Rush Style」(ラッシュスタイル)を立ち上げ、その代表に就任している。
ベテラン声優・速水奨の“モブキャラ出演”は「三方よし」のワケ
名のあるベテラン声優だけに、メインキャラを射止めることも容易いように思われる速水。しかし、どうやらモブキャラとしてアニメに出演する理由があるようだ。
「『鬼滅の刃』の場合は、速水のように名のある声優を多くモブキャラに使用しているから例外ですが、彼のようにメインを張れる声優がモブを演じるのは、おそらく『事務所の宣伝』のためでは。事務所の代表である速水がモブを演じることで、今後、自社の若手を起用してもらいたいという、彼なりのアピールではないかと予想します。速水はスタッフにプレゼンができ、視聴者としても速水の声を味わえるという『お得感』がある。作品としても豪華になりますから、速水サイド、アニメファン、製作側にとって“三方よし”でしょう」(同)
速水のほか、これまでにも山寺宏一、緑川光、子安武人、木村良平、福山潤、諏訪部順一、森久保祥太郎ら超人気声優が脇役として出演して話題を呼んだ『鬼滅の刃』。今後は、どんな大物がゲスト出演するのか注目だ。