「いきなり!ステーキ」「やっぱりステーキ」「感動の肉と米」などでステーキ戦国時代となっている現在。しかし、格安ステーキチェーンの元祖といわれているのが「ステーキけん」。わずか3店舗にまで大激減した同店に行ってきました。
※2024年6月5日時点の情報です
※価格はすべて税込み
※最新情報は公式サイトやSNSをご確認ください
目次
・【ステーキけん】とは?
・【ステーキけん】行ってみた
・ランチメニューは18種類以上!
・ランチ「ハラミカットステーキ」実食
・食べ放題のサラダバー、デザート、スープバー、カレーバー
・大手チェーンからクセ強めの個人ステーキ店に変貌
【ステーキけん】とは?
2006年に1号店を千葉県流山にオープンすると、初月で1000万円を売り上げるというロケットスタートを切った「ステーキハンバーグ&サラダバーけん」。ロードサイドに次々と店舗を開拓し、2012年の最盛期には238店まで拡大したとか。
しかし、16年には98店舗にまで激減。17年には67店舗とみるみる減少していき、そして20年3月に元運営会社が倒産。24年現在は岩手、千葉、東京のわずか3店舗になっています。
なお凋落の背景として、類似した格安ステーキチェーンの台頭と創業者・井戸実宇治の炎上キャラクターが指摘されています。
【ステーキけん】行ってみた
東京で1店舗となった「ステーキけん」へ行ってきました。ビルの2階にあり看板も地味なため、場所を知らないと通り過ぎてしまいそうな佇まいです。はためいていたのぼりが目印となりました。
ここからは、衝撃的だったポイントと共に紹介していきます!
衝撃ポイント①:ステーキの自販機
ビルの2階、店に上がる階段の前にステーキの自販機を発見! ラーメンチェーンがこうした自販機を置いてるのは見たことがありますが、ステーキ肉には驚きました。
【ステーキけん】ランチメニューは18種類以上!
平日の昼12時前に到着。客席は2〜3割の埋まり具合でしたが、このあとにどんどんお客さんがやってきて、午後1時前には5割ほど埋まりました。
ランチメニューは豊富! ステーキ、ハンバーグ、グリルチキンなど18種類もあります。どれもサラダ、カレー、ライス、スープ、デザートが食べ放題の金額です。
「感動の肉と米」の1,000円価格に慣れてしまった身としては、全体的に高いなあというのが率直な感想ですが、サラダやカレーなどが食べ放題の「ビッグボーイ」と比べたら価格帯は同じクラスでしょう。
今回は、ステーキで最安の牛ハラミカットステーキ130g1,738円に決定! しかし、オーダー後にもっと安いメニューを発見しました。「平日ランチ限定」の肩ロースカットステーキ1,353円。ランチメニュー表には載っていない隠れた存在なので、まったく気がつかず……。悔しい!
そもそも手渡されるメニュー表やファイルが5冊ほど(ランチメニュー、厚みのあるグランドメニュー、パスタメニュー、ステーキの特別メニューらしきクリアファイル、「けんの楽しみ方」という)あるため、事前にある程度の目星をつけていないとメニュー表を見るだけでも大変な時間を要します。くれぐれも、メニューの事前チェックをおすすめします!
衝撃ポイント②食べ残し、食品ロスへの圧力
なお、入店してすぐのトビラに「サラダバーのご利用方法の再変更のお知らせ」との張り紙がありました。
言っていることは、「皿をサラダバーに置くことにしたよ」「食べ残ししないでよ」ということなんですが、着席時に渡されたファイルにもまったく同じことが書かれています。
大田区全体で食品ロス削減の運動を行っているようですが、このように何度も「食べ残ししないよう」に釘を差されては、食事前から楽しむ気持ちもしぼんでしまうというか……。
また、「サラダバーご利用方法の再変更のお知らせ」も「“変更”のお知らせ」としないところにトゲを感じ取ってしまいます。客との間でサラダバーをめぐり度重なる衝突があったのでしょうか……。丁寧な物腰ではあるものの、全体的に圧を覚えます。
【ステーキけん】ランチ「ハラミカットステーキ」実食
食べ残ししないよう脅されている身分のため、ステーキを食べるまでなにも口にせずにスタンバイすること12分ほど。
ハラミカットステーキ130gが到着! 熱々の鉄板の上で肉がジュージュー言いながら登場しました。上にかかっているのはマーガリンです。
肉焼き加減はなにも伝えなかったところ、ミディアム程度でした。4切れと少なめではあるものの、肉はしっとり柔らかく◎。
つけあわせはポテトとコーン。ステーキの下にオニオンスライスが敷かれています。
オーソドックスなポテトですが、思ったよりホクホクでおいしかったです。
ステーキソースは4種類あるうち、けんオリジナルをチョイス。
なんの期待もせずに口にしたのですが、これがおいしくてビックリ! 甘みが強いのですが、奥のほうにさまざまなスパイスが感じられる奥深い味わい。このソースだけを堪能したくなり、ポテトをディップしてむしゃぶりついてしまいました。
ネット上の情報によると、味噌をベースにしたソースなんだとか。こんな味わいのステーキソースは、「ビッグボーイ」にも「肉と米」にも「いきなり!ステーキ」にもない!
【ステーキけん】食べ放題のサラダバー、デザート、スープバー、カレーバー
ステーキを完食したので、食べ放題コーナーへ来ました。
サラダやデザートの手書きメニューが昭和レトロなかわいらしさ! この雰囲気、大手チェーンには出せない味ですね。
サラダバーで春菊、にんじん、プチトマト、オニオンスライスを取ってきました。鮮度の良い野菜でおいしい! ドレッシングはわさび醤油と和風の2種類を試したところ、どちらもおいしかったです。
パンの食べ放題はバゲット1種類のみ。ガーリックバター風のマーガリンといちごジャム、マーマレード、マーガリンが置いてあったので、ガーリックマーガリンを塗りました。
衝撃ポイント③カレーもスープも具だくさん!
カレーは肉がゴロゴロ! 「具が溶けちゃいました」系統のカレーバーを出す店もあるのに対し、こちらはびっくりするほど具が多い! 肉はスプーンでほろりと崩れるほど柔らかくなっています。
スープも具だくさん! 鍋からおたまを持ち上げると大量のわかめが収穫されました。具がほとんどない某大手ファミレスのスープバーに慣れきってしまったので、これが食べ放題で良いのですか!? と驚がく! なぜか給食の配膳を思い出した。具だくさんすぎて器によそうのにコツが必要だからでしょうか。
【ステーキけん】大手チェーンからクセ強めの個人ステーキ店に変貌
現在わずか3店舗となった「ステーキけん」。数年前までは一大チェーン店だったことから、店の設備やサービスも大手らしさが残っていると思っていたんですが、はっきり言ってその面影はゼロ!
張り紙の多さ(トイレやドリンクバーなどにも各種張り紙)、サラダバーの手書きメニュー、情報量の多いメニュー表、そして太っ腹すぎるカレーやスープ。どれも大手チェーンなら見られない個性でしょう。
一大チェーンだった頃を知る人が利用したらどう思うのかわかりませんが、過去を知らない人が使ったら「食べ放題サービスは気前がいいけど、ちょっとクセが強いステーキ店だな」と感じそうです。
東京の店の様子を見る限り、残り2店舗も個性ある店になっていそうなので、興味がわいてしまいました。機会があれば、寄ってみたいと思います!