情報も種類もたくさんありすぎて、どれを選んだらいいか混乱してしまう家電。いったい何を基準にどれを買えばいいの!? とにかく面倒くさがりな編集者・くさ子とドケチなライター・ケチ美が、米飯管理技能士で家電+ライフスタイルプロデューサーの神原サリーさんに、いま話題の製品や間違いのない製品を聞きました。
※2020年11月1日公開の記事を再編集しています。
※価格や商品は2022年11月1日時点の情報です。
※最新の情報は公式サイトや公式SNSをご確認ください。
目次
・炊飯器選びのポイントは東西で異なる?
・もはや高級炊飯器レベル、電気圧力鍋「Re・De Pot」
・一番のオススメ炊飯器は、タイガー「炊きたて」シリーズのコレ!
・京都で代々続く老舗米料亭が監修した日立の炊飯器
・シチューや牛丼も同時にできちゃうタイガーの炊飯器
・糖質10〜20%カットを実現、アイリスオーヤマの炊飯器
炊飯器選びのポイントは東西で異なる?
第11回は、いつものお米が最高のごちそうになる、食欲の秋にぴったりの極上の「炊飯器」をご紹介します。ダイエッターにおすすめの炊飯器もありますよ!
ライター・ケチケチ美(以下、ケチ美) 新米の季節に炊飯器の新モデルが続々と登場するって知りませんでした。毎日使うものだからいいものを買えばQOLがグンと上がるんでしょうけど、炊飯器って高級なのはとことん高級ですよね。そこまで味が違うのかなあ。
編集者・面倒くさ子(以下、くさ子) そうそう、食べ比べができないのでよくわからない。結局、可もなく不可もない、そこそこの製品を選ぶしかない。掃除機などと違って効果がどれほどか、わからないですよね〜。
神原サリー(以下、神原) 端的に言うと、炊飯器の良し悪しは、内釜の厚みや材質によるものなので、価格に比例します。
ケチ美 やっぱりそうですか……。
神原 あとは、メーカーとの相性ですね。西のメーカーのタイガー、象印、パナソニックは、ごはんが柔らかく炊き上がる傾向にあります。東のメーカー、日立、東芝、三菱はシャッキリ系といえるでしょう。地域によって「おいしいごはん」の感覚が違うので、迷ったら出身地とメーカーを合わせるとか、実家でどのメーカーの炊飯器を使っているかを見てみると、好みに合う確率が高いと思いますよ。
くさ子 メーカーの所在地は意識したことありませんでした! ところで炊飯器の種類で、「マイコン」と「IH」ってよく聞くんですけど、どう違うんですか? どれを選べばいいでしょうか?
神原 「マイコン」は内釜の下からヒーターの熱を当てて加熱するタイプです。「IH」は磁力線を使って内釜そのものを発熱します。マイコンよりも強い火力で全方位から加熱するので、ふっくら感がアップ。さらに「圧力IH」となると圧力をかけながら、より高火力で一気に炊き上げるので、短時間でも甘みを引き出しモチモチ感が出る。機能が加わるごとに価格が上がります。今は「IH」もしくは「圧力IH」の製品が多いですね。
くさ子 なるほど〜、そういうことなんですね。
もはや高級炊飯器レベル、電気圧力鍋「Re・De Pot」
ケチ美 ではさっそくオススメの製品を教えていただきたいのですが……お手頃だとうれしいです!
神原 私が一番オススメしたいのは、炊飯器ではなく電気圧力鍋の「Re・De Pot(リデ ポット)」(A-Stage)です。煮込み料理などもできますが、ごはんが4合炊けます。これがもうね、10万越えの炊飯器よりおいしい! 1万4,800円(税込)です。
ケチ美 1万4,800円が10万円よりおいしい!? ほんとですか?
神原 本当です。一般に、電気圧力鍋で炊いたごはんはモッチリはするけれど、表面はふやけて崩れやすい傾向にあるのですが、この製品で炊くと表面にはハリが残り、それでいてモチッと食べられる。悔しいくらいおいしいです。もはや炊飯器と言ってもいい。
くさ子 そこまでベタ褒めの製品、これで米が食べたい!!
神原 炊飯時間にも注目です。炊飯器の場合、プログラムの中に、米に水を吸わせる浸水工程がすでに含まれているんですが、電気圧力鍋は、水を吸わせるために30分程度おいてから炊かないとならないんですね。ところが、この製品は洗米してセットしてすぐにスイッチを入れてOK。圧がかかるのがとても速く、スイッチを入れてから減圧までトータルで25分ほどで炊けます。
くさ子 25分!? めちゃくちゃ速い。炊飯器の早炊きモードと同じくらいで、よりおいしく炊けるのは魅力的ですね。
神原 小さくてデザインもスタイリッシュ。色もマットなレッド、ネイビー、ブラックの3色展開。ごはんの上に味付けしたスペアリブを乗せて、一緒に炊けば25分で「ごちそう炊き込みご飯」もできます。圧力鍋としてのレシピも豊富なので、料理の幅も広がりますよ。
一番のオススメ炊飯器は、タイガー「炊きたて」シリーズのコレ!
ケチ美 ちなみに、予算の制限がなかった場合、一番のオススメ炊飯器はなんですか?
神原 正統派「炊飯器」としての今年ナンバーワンは、タイガー「炊きたて」シリーズの50周年記念モデルとしてこの秋発売された「ご泡火炊き JPL-A100」ですね。昨年発売されたモデルは、おこめに柔らかさがあって私の口には合わなかったんですが、今年のこの製品は最高です。
京都のある料亭でいただいた土鍋ごはんの味が忘れられないのですが、それを超えたかも。粒感、香り、甘み、弾力、ツヤツヤ感……思わず感動です! 50銘柄の炊き分け機能も付いて、気合が入っていることがわかります。
ケチ美 でも、お高いんでしょ?
神原 10万円前後ですね。
ケチ美 思った以上に高かった!
くさ子 それだけ出せば、料亭の味が楽しめるということなんですね。
神原 そうなんですよ。極めるとどうしても高くなってしまうんです。
ケチ美 そこをなんとか⋯⋯。
京都で代々続く老舗米料亭が監修した日立の炊飯器
神原 日立の炊飯器は総じてお手頃価格。最高級モデル「ふっくら御膳 RZ-W100DM」でも5〜6万円で手に入ります。しかも、他のメーカーのいろんな要素を取り入れていて、「最高峰」とは言えないまでも全体的にバランス高めにできてるんですよ。
昨年から、京都で代々続く老舗米料亭「八代目儀兵衛」に監修してもらったとのことで、売り上げが伸びているそうです。圧力をかけながら最高107℃の高温で加熱し、余分な水分を飛ばした後、圧力をかけたまま、高温をキープしてじっくり蒸らす。外側は噛みごたえがあり、ジュワッと甘みが出るくせのない味ですね。
ケチ美 5〜6万円で10万円越えの味とはコスパがいい。
神原 そうですね。「10万円は出せないけど味も妥協できない」という人にオススメです。デザインもいいし、操作性もいい。細かい部品もなく洗いやすくてお手入れしやすい。蒸気が出にくく置き場所を問わない。オールマイティに好まれそうな製品ですね。
くさ子 洗いやすい、置き場所を問わないというのはありがたい!
シチューや牛丼も同時にできちゃうタイガーの炊飯器
神原 一人暮らしにぴったりなのは、「マイコンジャー炊飯器〈炊きたて〉 JAJ-G550」(タイガー)。「tacook(タクック)」と呼ばれる、ごはんとおかずが同時に作れる機能が特長です。付属の内鍋に材料を入れておくと、炊飯中の蒸気で加熱され、ごはんとおかずが同時にできちゃうんです。穴の空いた蒸し器を使って炊飯器で蒸し料理をするのはよく聞くと思うんですが、これはシチューや牛丼といった汁気のあるおかずも作れる!
くさ子 シチューやカレーの煮込み料理って、煮込んでいる間、ずっと火のそばにいなきゃいけないから面倒なんですよね。これはほっといていいし、ごはんとおかずが同時にできあがるというのは、かなりうれしい!
神原 1人分にちょうどいい3合炊きで9,000円前後という価格も魅力。おかずを作るときは1合までしか炊けませんが1人分なら十分でしょう。
くさ子 炊飯器にも見えないデザインですね。
神原 かわいらしい形でワンルームに置いても邪魔にならないですよね。レンジで温めたときにベタベタ、パサパサしない冷凍用のごはんが炊ける「冷凍ご飯」メニューもあって便利ですよ。マイコンだけど、それなりにおいしく炊けます。
ケチ美 本当に、いろんな炊飯器があるんですね。
糖質10〜20%カットを実現、アイリスオーヤマの炊飯器
神原 変わり種としては、「ヘルシーサポート炊飯器 RC-IJH50-W」(アイリスオーヤマ)もおもしろい。通常の炊飯器よりお米に水分を多く含ませ、糖質10%または20%カットを実現しています。
ケチ美 要するに水分でかさまししてるってことですか?
神原 その通りです。おいしさの追求でいうとまあまあですが、ダイエットしたい人には向いてますね。 1万4,800円(税抜)という価格もいい。
くさ子 さすが、独自路線の製品が多いアイリスオーヤマですね!
神原 アイリスオーヤマには、米と水の重量を計測して必要な水の量をモニターに表示してくれる「量り炊き」機能が付いている炊飯器があったり、ご飯をよそった分の「カロリー表示」機能がある炊飯器があったりするんですよ。アイリスオーヤマはお米の製造、販売もしているので、銘柄による炊きわけ機能にもこだわりが感じられます。
くさ子 あー、私、米と水の計量が面倒でいつもテキトーです。だから、量り炊き機能は惹かれますね。でも、やっぱり神原さんイチオシの「Re・De Pot」が一番欲しい。スイッチひとつ「ごちそう炊き込みご飯」が完成するのはズボラ的に惹かれる。
ケチ美 うちは食べ盛りの子どもがいるので、コスパと5.5合炊きを考慮して「ふっくら御膳」が気になります! 11月23日は「炊飯器の日」らしいので、それまでに購入を検討します〜。