• 日. 12月 22nd, 2024

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明日あなたが被害にあうかもしれない

松本人志“擁護”の印象操作! 読者をミスリードする「週刊女性」の内容とは?

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

目次

今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
松本人志を擁護する「週刊女性」の悪質な印象操作記事
大谷翔平とフジテレビ出禁はどっちもどっち!?
松本人志なき後は有吉弘行の独壇場

 サザンオールスターズが野外音楽祭『ロック・イン・ジャパン・フェスティバル』に出演することが発表された。が、しかし、サザンのフェス出演は今回で最後らしい。理由は酷暑。地球温暖化は、こんなところにも波及する。恐ろしい、そして暑い……。

今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3

第704回(6/20〜6/25発売号より)
1位「松本人志 告発女性の驚嘆発言『性被害は受けてない!』」(「週刊女性」7月9日号)
2位「大谷翔平 逆鱗『フジテレビは許さない』」(「女性セブン」7月4日号)
3位「松本人志愕然! 吉本芸人20人有吉軍団に鞍替え」(「女性自身」7月9日号)

松本人志を擁護する「週刊女性」の悪質な印象操作記事

 性加害問題で芸能界を休業している松本人志に関し、「週刊女性」が驚がくの証言を掲載している。記事によれば、「週刊文春」(文藝春秋)に松本からの性加害を告発した1人であるXさんが、“自分は告発するつもりはなかった”と周囲に必死に説明、“自分は被害を受けたという認識ではない”と語っているというのだ。

 もしこれが本当なら、現在進んでいる松本性加害問題の訴訟に大きな影響があるのも必至な重大証言だろう。この報道を受け、ネットでも“松本冤罪説”を唱え、松本を擁護する声が大きくなっている。が、しかし「週女」記事を読むと、多くの疑問が浮上してきた。

 まず、最重要となるはずのXさんの証言について。実はこれ、Xさん自身の言葉ではない。Xさんの匿名の知人の伝聞コメントとして紹介されているもので、記事を読む限り「週女」はXさん本人からの直接証言を得ているわけではない。しかも、このXさんが「文春」でどのような告発をした人物かもわからない。

 というのも、記事にはXさんについて「今回の裁判の焦点となる性被害疑惑を『文春』に告発したXさん」とだけ。しかし「文春」に性被害を告発したのは計11名にのぼる。つまり証言の信憑性がどの程度のものなのか、記事を読んでもよくわからないのだ。対してメディア史においても「文春」報道の信憑性、ウラ取りの緻密さには定評があり、この程度の匿名証言でそれが覆るとは思えない。

 そしてXさんの知人の証言だけでなく、「週女」記事のその後の論理展開も小賢しく、読者をミスリードさせるものだ。記事にはXさんの知人の“性被害は受けていない”証言の後、こんな文章が唐突に綴られている。

「仮に、今回の裁判において重要な証言者となるであろうA子さんやB子さんが『自分は性被害を受けていない』と主張を翻した場合、裁判にどのような影響を与えるのか」

 はあぁああーー??? 記事ではあくまで“性被害はない”証言をしたのはXさん(の知人)のはずだ。そしてA子さんやB子さんが同様の証言をしたという事実はない。

 にもかかわらず「週女」は、なぜかA子さんやB子さんの存在を持ち出し、“文春にとっては不利になる”などと弁護士に解説さえさせている。仮定とはいえ、悪質な印象操作としか言いようがない。さらに、記事では今後の松本の芸能界復帰についての状況を好意的に記してもいる。

 もうおわかりだろう。「週女」記事は、仮定に仮定を重ねた“驚嘆”記事となっているということが。

 「週女」には“前科”がある。松本性加害問題発覚直後の今年1月、松本の疑惑に対し疑問を投げかけるような報道をしたことがあったからだ。

 記事によれば、松本に女性を紹介したとされるスピードワゴン・小沢一敬と女性とのLINE画面が出回り、そこには「小沢さん、今日は幻みたいに稀少な会をありがとうございました。会えて嬉しかったです。松本さんも本当に本当に素敵で」「最後までとても優しくて 小沢さんから頂けたご縁に感謝します」などの文面があったとされる。

 この報道に対し、ネットでは、さかんに松本の冤罪説が唱えられ、松本本人もXで「とうとうでたね。。。」と反応したことで、告発女性への誹謗も巻き起こっている。加害者に迎合的になる被害者がいることは性被害事件でもよく指摘されることだが、そうした指摘はほとんど無視された。まさにマスコミによるセカンドレイプだが、今回の「週女」も、その流れのなかにあるとしか思えない。ひどい――。

大谷翔平と出禁のフジテレビはどっちもどっち!?

 そして次もマスコミ問題だ。連日テレビで見ないことはない日本のヒーロー大谷翔平が日本テレビとフジテレビを「出禁処分」にした。そんなニュースが駆けめぐっている。

 5月、大谷がロサンゼルス市内に785万ドル(約12億3,000万円)の新居を購入したことが判明したが、その“豪邸報道”を巡って日テレとフジが大谷の逆鱗に触れたというのだ。

 その報道とは、大谷選手が購入したとされる豪邸の外観を映したり、家の裏手にまで回り鬱蒼とした木のすき間から見える敷地内のバスケットゴールの映像を放映、そして住宅街を車で走り抜けながらテレビカメラを回したり、さらに近隣住民へのインタビューも。確かにプライバシー上問題があるかもしれないが、最近では珍しい“イケイケ報道”だ。

 しかし、どうだろう。昭和の時代、芸能界や有名人たちに対し、こうしたプライバシー無視は平然と行われていた。芸能レポーターが玄関チャイムを鳴らし、カメラがずらっと並ぶ。だがメディアスクラムが問題となり、プライバシー重視やコンプライアンスが叫ばれ、またワイドショーが衰退する中、こうした“イケイケ取材”は減っていった。

 それでも、一旦タガが外れると暴走する。かつてのワイドショー、情報番組ならどこまで踏み込めばアウトかセーフか、そのギリギリの線で勝負したものだが、現在はその経験則もない。だから相手が激怒するまで暴走してしまう。

 とはいえ、今回の豪邸報道は少し奇妙でもある。大谷といえば、家族取材をNGにするなど野球以外のマスコミ取材に対し慎重だ。そのため数字の取れる大谷の機嫌を損なわないようマスコミも最大限の配慮をしてきた。遠慮もしてきた。それはそれで問題だが、しかし今回はなぜ突っ込んだ?

 もしかしたら、それは大谷のあの振る舞いにあったのではないか。今年4月大谷はハワイの高級リゾート地に別荘を購入したことが報じられた。しかも購入しただけでなく、このリゾート会社の宣伝動画にも登場し「僕はハワイが大好きです」などとPR、さらに別荘の詳細についても不動産仲介会社のオーナーがマスコミに嬉々として答えていたのだ。

 つまり、かなり“不動産に対しオープン”というイメージがついたのではないのか。それを見て、安易なテレビ制作クルーが「ロスも同じ」と思い込み突撃取材――。

 ロスとハワイの物件に対し真逆の対応を取った大谷と、その真意を読み違えたマスコミ、今回はどっちもどっちかも。

松本人志なき後は有吉弘行の独壇場

 1位でも取り上げた松本人志。休業が続いているが、そんな松本なき後の芸人・バラエティ界は有吉弘行の独壇場だ。有吉は吉本興業ではなく太田プロ所属だが、面倒見がよく、しかもフランクで吉本芸人までもが集まり軍団となる。そして「女性自身」の記事には、こうある。

「粗品さんやノブコブ吉村さん、チョコプラなど、吉本の人気芸人20人前後が有吉軍団入りしている現状に松本さんは愕然としているでしょうね」

 だろうね――。

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