最新の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、6月28~30日)で、アニメーション映画『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』(6月28日公開)が初登場1位に輝いた。
目次
・『それいけ!アンパンマン』歴代最高のスタート
・アニメ映画『ルックバック』、興収は1位『それいけ!アンパンマン』超え
・全国映画動員ランキングトップ10(2024年6月28~30日、興行通信社調べ)
『それいけ!アンパンマン』歴代最高のスタート
7月1日発表の全国週末興行成績ランキングで首位に立った『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』。漫画家・やなせたかし氏原作の子ども向けアニメ『それいけ!アンパンマン』(日本テレビ系)の劇場版最新作となっている。
アンパンマン(声優・ 戸田恵子)とばいきんまん(声優・中尾隆聖)が絵本の世界を守るため、力をあわせて強敵に立ち向かっていくというストーリーで、森の妖精・ルルン役で上戸彩、すいとるゾウ役でナインティナイン・岡村隆史もゲスト出演。
全国319スクリーンで上映を開始し、初日から3日間で観客動員13万7000人、興行収入1億7200万円をあげて1位発進。過去のシリーズでは、2018年6月公開の『それいけ!アンパンマン かがやけ!クルンといのちの星』が最終興収6.5億円で歴代トップの成績を誇るが、今作は歴代最高のスタートを切っており、2週目以降の成績の伸びにも期待がかかる。
アニメ映画『ルックバック』、興収は1位『それいけ!アンパンマン』超え
今回のランキングで2位につけたのは、同じく6月28日に封切られたアニメ映画『ルックバック』。全国128館という小規模での公開ながら、3日間で動員13万5000人、興収2億2700万円と、興収においては『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』を上回っている。
そんな『ルックバック』は、集英社のウェブサイト「少年ジャンプ+」で21年7月に公開された漫画家・藤本タツキ氏の長編読み切りをアニメ化。同年12月に『このマンガがすごい!2022』(宝島社)のオトコ編第1位にも選ばれた話題作で、漫画に対するひたむきな思いで繋がっていく2人の少女の姿を描いている。
主人公・藤野の声を河合優実、藤野の漫画に惹かれた引きこもりの同級生・京本の声を吉田美月喜が担当。監督・脚本・キャラクターデザインを手がけるのは、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』など話題のアニメに携わってきたアニメーション監督でアニメーターの押山清高氏。
もともと原作のネット人気が高かったこともあり、公開前から注目されていた劇場版『ルックバック』。58分と短めの作品だが、鑑賞を終えたネットユーザーからは「約60分とは思えないほどの満足感」「短いストーリーの中にいろいろなものが詰まっている」「話が面白いのはもちろん、藤野や京本というキャラクターの描き方、アニメーションも素晴らしい」などと絶賛されている。
また、原作にはさまざまな既存作品のオマージュが散りばめられていると指摘されてきたほか、19年7月に発生した京都アニメーション放火殺人事件を連想させるような描写もあり、映画鑑賞後も考察するファンが続出。
「“エモ”で消費して終わってはいけない」といった苦言を呈する書き込みもみられるが、とにかくいろいろな見方ができ、「また見に行こう」とリピート鑑賞を予定している者も少なくない。
SixTONES・京本大我主演『言えない秘密』は6位
今回のランキングではほかにも、ルピタ・ニョンゴ主演のホラー映画『クワイエット・プレイス:DAY 1』が5位に、SixTONES・京本大我主演の恋愛映画『言えない秘密』(いずれも6月28日公開)が6位に初登場。
『言えない秘密』は07年公開の台湾映画(監督・脚本・主演はジェイ・チョウ)を日本版にアレンジした作品で、京本はピアノが弾けなくなってしまった音大生・樋口湊人を演じ、ヒロイン・内藤雪乃役には古川琴音が起用されている。
動員や興収の初動は正式発表されていないが、全国264スクリーンという中規模公開で6位発進はまずまずといったところ。ただ、SixTONESの人気メンバーである京本は本作が映画単独初主演だったことを踏まえると、上位発進が見込まれていた可能性が高そう。
鑑賞済みのネットユーザーからは「ノスタルジックで美しく、感動できる作品」「ファンタジー要素もあるけど自然に受け入れられた」「湊人も雪乃も、いいキャスティングだったと思う」などと評価されているが、「“秘密”は薄々わかってしまってサプライズ感に欠ける」といった声もちらほら。
なお、同じSixTONESメンバーでは松村北斗が今年2月公開の映画『夜明けのすべて』で上白石萌音とダブル主演を務めていたが、初動は1億5000万円で4位発進となっていた。
全国映画動員ランキングトップ10(2024年6月28~30日、興行通信社調べ)
1位:『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』
2位:『ルックバック』
3位:『ディア・ファミリー』
4位:『九十歳。何がめでたい』
5位:『クワイエット・プレイス:DAY 1』
6位:『言えない秘密』
7位:『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』
8位:『バッドボーイズ RIDE OR DIE』
9位:『映画 おいハンサム!!』
10位:『帰ってきた あぶない刑事』