整理収納アドバイザーの伊藤まきさんが、片付けに悩む読者の自宅を使いやすく生まれ変わらせる連載シリーズ【「煩悩部屋」ビフォーアフター】。
連載企画『ビフォーアフター』新シーズンです。第9回目の片付けモニターは、港区・3LDKのマンションで暮らす4人家族のGさん(40歳)。今回は、汚部屋の片付けではなく、収納グッズを買わないで「賃貸暮らし」のキッチンを使いやすく手直しする特別編です。
目次
・【お悩み】収納家具やボックスを増やさないで片付けたい
・【コーナン】パーチクルボードで吊り戸棚に棚板を追加
・【キッチン収納】①②③ビフォー
・【キッチン収納】①のビフォーアフター&ポイント
・【キッチン収納】②のビフォーアフター&ポイント
・【キッチン収納】③のビフォーアフター&ポイント
・【まとめ】棚板追加で収納力アップ&快適に!
【お悩み】収納家具やボックスを増やさないで片付けたい
クライアントプロフィール
・Gさん(40歳)
・4人家族
・3LDK
・賃貸マンション
・東京都港区在住
収納に関する要望
・引越しが多いため、収納家具は増やさない
・かさばる「プラスチックボックス」を増やさない
・モノの量は減らさない(捨てない)
写真はGさん宅のキッチンです。外国人向けなので、全体の造りが一般的なマンションよりも大きめ。「海外転勤が多い」とのことなので、上記以下のこだわりを守りながら、収納を手直しすることにしました。
【コーナン】「パーチクルボード1,628円」で吊り戸棚に棚板を追加
収納家具を増やしたくないとのことだったので、大きな板材を戸棚のサイズに合わせてカットし、棚板を増やすことにしました。
転勤による引越しが多いお宅なので、今回は木材ではなく「安価で退去時に処分しやすい」パーチクルボードを選択しています。
引越しが多いからこそ、収納予算は抑えめに!
パーチクルボード(182×60cm)を5枚にカットしました。1枚あたり約325円に抑えることができたので、非常にリーズナブルです。
今回は安価で処分しやすい板材を選びましたが、引越しの予定がない場合は「木材の化粧板」でも良いでしょう。90×30cmで約1,500円なので、今回と同じサイズなら予算は約6,000円以上となります。
【キッチン収納】①②③ビフォー
今回は①②③の吊り戸棚の収納を棚板を使って手直ししていきます。
次からは、ビフォーアフターとポイントをそれぞれご紹介します。
【①のビフォーアフター】コンロの近くは食材を置かない
棚板を1枚増やすだけで、収納力が大幅にアップしました。最下段には食材を入れていましたが、コンロが近い場所なので、ふきんなどの収納場所に変更しています。
【①のポイント】「高さ10cm」の低い棚にキッチン小物を収納
棚板を組み直すときは、高さ10cm前後の「低い棚」を用意すると◎です。今回は、セリア「キレイストッカー ワイド」にキッチン小物を収納しました。取手がついているので、引き出しのように使えて便利です。
【②のビフォーアフター】最上段に使用頻度の低いモノを収納
最上段の高さに適したモノがわからず、空の状態になっていました。
棚板を追加することで、土鍋やキッチン家電のちょうど良い収納スペースに。手の届きにくい最上段には、使用頻度の低いモノを入れるのがおすすめです。
ほかの段も「食材ストック用」のスペースに変更しました。
【②のポイント】水筒や広口瓶を低い棚に収納
こちらにも①と同様に、高さ10cm前後の「低い棚」を用意しました。水筒や広口瓶(ともに8cm)を横倒しにして収納できる空間に。左端にはセリア「キレイストッカー ワイド」をひとつだけ追加。ストッパーにもなるので、出し入れしやすく便利です。
【③のビフォーアフター】シンク上は「使用頻度」が高いモノを収納
棚板を1枚追加することで、5分割のスペースに! シンク上の棚なので、カップ類を中心に「使用頻度」が高いモノを配置しました。
Gさん宅の吊り戸棚は、震災時ストッパーつきで造りが頑丈なので、「重たいモノ・割れるモノ」も収納しています。
【③のポイント】カトラリーやサランラップを低い棚に収納
上から3番めに、高さ10cm前後の「低い棚」を用意しました。今回はカトラリーなどを収納しましたが、サランラップや保存袋などの「箱モノ」、大皿やボードなどの「平モノ」、前述した水筒やパスタ瓶などの「円筒モノ」などの収納にもぴったりのサイズです。
【まとめ】「棚板追加」と「高さ10cmの棚」で収納力アップ&快適に!
一般的に、棚板の高さはファイルボックスサイズ(約32cm)が多いです。固定ではなく、可動できる棚であれば「約10cm」「約18cm」「約32cm」を目安に棚板を用意すると良いでしょう。上手に追加&調整することで、「収納グッズを買わない収納」が実現できます。