整理収納アドバイザー1級でお掃除のプロ・クリンネストの伊藤まきさんが、家の “お掃除”に関する悩みを“安く・簡単”に解決するコツを紹介します!
夏は害虫が増えやすい季節だからこそ、水回りをキレイに保つことが大切。特に排水パイプ内は暗くて湿気が多いので、ゴキブリにとっては格好の隠れ家。お手入れを怠ると、産卵や水飲みの場所になってしまう可能性があります。
そこで今回はゴキブリの住みやすい環境を作らないために、また詰まらせて高額な修理費を出すハメにならないよう、洗濯機とキッチンの「排水口・排水管のお掃除術」をご紹介します。
目次
・【準備】家にあるモノを活用
・【万能棒の作り方】ドロドロ汚れを絡め取る
・【パテ&マステ】ゴキブリの侵入を防ぐ
・【洗濯機の排水口掃除】1~8
・【キッチンの排水管掃除】1~8
・【まとめ】年に1度は排水まわりをチェック!
【準備】排水口・排水管掃除は、家にあるモノを活用
まずは掃除道具の準備から。懐中電灯、マイナスドライバー、バケツ、ゴム手袋、タオル、割り箸を用意してください。バケツがない場合は、ボウルにレジ袋をかぶせたものでもOK。ほか、着古した服や靴下、不要になったボディタオルなども役立ちます。
【万能棒】ドロドロ汚れやゴミを絡め取る!
不要になったボディタオルを適当なサイズに切って、割り箸で挟めば「万能棒」の完成! 排水口の隙間、パイプ、凹凸周りのドロドロ汚れやゴミを絡め取るのに役立ちます。そのまま捨てれば良いので、扱いも簡単です。
【水道管用パテ・マスキングテープ】ゴキブリの侵入を防ぐ!
水道管用のパテやマスキングテープも準備したいアイテム。種類や大きさによって異なりますが、ゴキブリは幼虫から成虫まで1mm〜3mm程度の隙間でも侵入することができるので、清掃後にふさぐために使います。
【洗濯機の排水口掃除1】注意書きシールや取り扱い説明書を確認
写真は縦型洗濯機に貼ってあるシールです。いろいろな洗剤を使い分けている家こそ、排水口まわりのドロドロが増えやすいので、こまめなお手入れが必要。使用頻度にもよりますが、月に1回以上の清掃が理想とされています。
【洗濯機の排水口掃除1】排水口の詰まりは、逆流トラブルに!
洗濯機の電源を切ってコンセントを抜いた後、排水口から排水ホースを引き抜いてパーツを外していきます。組み立て手順を忘れないよう、都度写真で撮影しておくと良いですね。ドロドロした汚れやゴミが多い場合は、不要な布類で拭き取りましょう。
【洗濯機の排水口掃除3】スプレータイプの「漂白剤」をかけるだけ
ゴミを取り除いたら、スプレータイプの「漂白剤」をかけておきます。水を流せるタイプの防水パンならこの方法がいちばん簡単です。
【洗濯機の排水口掃除4】分解したパーツは「靴下」で汚れを取る
パーツについたドロドロ汚れを、キッチンやお風呂の排水口に流してしまうと意味がありません。そこで活躍してくれるのが着古した靴下。ビニール手袋の上から被せ、手で汚れを取っていくのがおすすめです。靴下がなければ、軍手でもOKです。
【洗濯機の排水口掃除5】汚れをとったら「漂白剤」に漬け置き
だいたいの汚れが取れたら、バケツに水と漂白剤を入れて漬け置き洗いをします。この間に、防水パンまわりの拭き掃除をしておくと効率的です。
【洗濯機の排水口掃除6】新聞紙やペットシーツの上でパーツを乾かす
パーツの漬け置き後は、しっかりと水洗いをして乾かします。新聞紙やペットシーツがあると便利ですね。ちなみにパーツの組み立て手順を忘れてしまった場合は、防水パンの品番で調べることができます。
【洗濯機の排水口掃除7】水気を拭って、しっかりと乾燥させる
パーツを戻し、水気を拭ってしっかりと乾かします。長期間外出する場合も、この清掃をしておくと安心です。
【洗濯機の排水口掃除8】「万能棒」で凹凸の汚れもスッキリ!
防水パンの周りの隙間、凹凸部分にたまりやすいホコリや汚れはボディタオルと割り箸を使った万能棒で掻き出します。掃除機では吸い取れないゴミがよく取れますよ。
次は、キッチンの排水管のお掃除です。
【キッチンの排水管掃除1】シンク下の扉を開け、現状を確認!
最初にシンク下の扉を開け、排水管まわりの状況を確認します。筆者宅の場合、3年前に「家まるごと排水口清掃」を専門業者に依頼したものの、高圧洗浄機のみ(約3万円〜)だったので、パーツの分解洗浄をするのは6年ぶりになります。
【キッチンの排水管掃除2】排水トラップの「ふた」を外してみよう
写真は排水トラップのふたを開けたところです。 S型タイプは悪臭や害虫の侵入を防ぐため水が溜まっています。ふたを開ける時はバケツを用意しましょう。パーツの分解洗浄は元に戻せなくなる可能性が高いため、キッチンの「取扱説明書に記載がない」場合は、プロに依頼するようにしてください。
【キッチンの排水管掃除3】お風呂場でパイプの分解洗浄
外したパイプをお風呂場で分解洗浄します。パイプの赤線以外の部分は、「万能棒」を使って汚れを掻き出しました。油汚れが流れないよう、排水口に水切りネットをつけています。
【キッチンの排水管掃除4】トラップ部分は「水圧」で押し出す
万能棒が届かない部分は、水圧で汚れを押し出していきます。
【キッチンの排水管掃除5】パーツが古い場合は?
配管ホースに溜まった汚れは、ボディタオルを入れ込んで汚れを掻き取りました。築年数が古い物件で悪臭が出る場合は、排水口をまるごと交換するほうが、プロによる洗浄より安く済む場合もあります。
【キッチンの排水管掃除6】油汚れを取ったら「漂白剤」で仕上げる
油汚れを取ったら、漂白剤で漬け置きして仕上げます。キッチンシンクからぬるま湯を一気に流したり、パイプ洗浄剤を入れたり、漂白剤を入れたりしたものの、まったく効果がありませんでした。漬け置き洗いがいちばん効果的です。
【キッチンの排水管掃除7】排水トラップ周りは隙間だらけ
写真赤字の「OPEN」の部分は、排水まわりのトラブルがあった際に水道管のまわりを確認できるよう、開閉が可能です。ふたを開けると、暗くジメジメしていたので、ハッカ油入りの重曹水で、しっかり拭き掃除をしました。
【キッチンの排水管掃除8】隙間と穴を「パテとマステ」でふさぐ
全体を清掃後、水道管用パテとマスキングテープで、隙間をふさぎました。もしものトラブル時にすぐ外せる素材を使うと良いでしょう。
【まとめ】1年に1度は排水まわりをチェックする習慣を
洗濯機の排水口はこまめな清掃が推奨されています。特に風呂の残り湯を使っている場合は「月1回以上」の清掃がおすすめです。
キッチンの排水管は市販の「パイプ洗浄剤」を入れるお手入れが基本。悪臭や詰まりが出てから、排水管を確認するケースが多いと思いますが、問題が無くても「使い方によって」汚れは溜まっていきます。
放置して多額の修理代がかかるケースもあるので、何年も確認していないお宅は、一度ふたを開けて確認するのも良いと思います。パッキンなどが劣化している場合もあるので、その場合は専門業者に連絡するようにしましょう。賃貸物件の場合は、管理側に相談すると良いですね。