大正ロマンあふれる内装とサイフォンで淹れるコーヒーがウリの喫茶店「椿屋珈琲」。売上高は好調も、実は利益は落ちているそう。実際に店を利用してきました。
目次
・【椿屋珈琲】売上高増も、コーヒー豆高騰で利益減
・「椿屋カフェ」、セットメニューは最安1391円
・1,580円のプレミアム紅茶シフォンセットを実食!
・値上げをしたら超高級店に?
【椿屋珈琲】売上高増も、コーヒー豆高騰で利益減
高価格喫茶店「椿屋珈琲」などを運営する東和フードサービス。2024年5〜7月期の売上高は、前年同期比4%増の31億円で、「椿屋珈琲」にインバウンド客が増えたことや、値上げで客単価がアップしたといいます。
しかし、税引き利益は15%減の1億3800万円。カフェ店営業利益は8%減の2億3100万円で、コーヒー豆の価格上昇、人件費などの増加が影響したとのこと。売上高からは見えてきませんが、実は苦境のようです。
現在、コーヒー豆は記録的な不作が影響して価格が高騰。ボトルタイプやスティックタイプの家庭用コーヒーが次々値上がりしています。
【椿屋珈琲】系列の「椿屋カフェ」、セットメニューは最安1391円
椿屋珈琲の系列店、「椿屋カフェ」にやってきました。店名は異なるものの、メニューは同じものが提供されているそうです。店頭のショーウィンドウにはケーキがきれいに並んでいます。
店内は大正ロマンを感じさせるシックな雰囲気。壁には店名の由来でもあるツバキの絵が描かれ、間仕切りのすりガラスにもツバキがあしらわれています。
平日のランチタイムだったので通常メニューのほか「ランチ3点セット」もありました。そのほか、「MARINA BLEND」という「サイフォニスト日本一」に輝いたスタッフ考案による特別なコーヒーも紹介されています。
周りのお客さんはランチセットを食べている方が7割、ケーキセットが3割といったところ。どちらを頼もうかな? とメニューをチェックしたところ、筆者にはどれも少々お高め価格で迷ってしまいました。
ケーキセットもランチセットも1,580円(税込、以下同)が中心価格で、最安セットはランチの「ミックスサンド」1,430円。トーストセットならお手頃なのでは? と確認するも「ハニートースト」1,580円……。ちなみに、パセラの名物、食パンを1斤使った「ハニトー」は650円です。
【椿屋珈琲】プレミアム紅茶シフォンセットを実食!
迷った揚げ句、ケーキセットにしました。プレミアム紅茶シフォンとドリンクのセットで1,580円です。飲み物はコーヒーで「スペシャルティ」(ブレンド)にしました。
器はすべてロイヤルコペンハーゲンで、これも椿屋珈琲と同じサービスだとか。
コーヒーは提供する直前に、サイフォンからカップに注いでくれました。
スペシャルティコーヒーは苦みと酸味のバランスがよく、あっさり飲みやすいクセのない味わい。意外な軽さでした。
シフォンケーキの生地、クリームに茶葉がたくさん使われているのが目で確認できます。茶葉はアールグレイを使っているそうです。
実食すると、生地はしっとり。口にいれるとふわふわと溶けるようなタイプのシフォンケーキとは違います。アールグレイの香りは芳醇でプレミアムの名にふさわしい紅茶感!
次に、クリームだけで食べてみると結構な甘みがあり、ちょっとびっくりしました。というのも、生地もしっかりと甘いので、クリームと一緒に食べるとかなりの甘さになってしまうからです。もちろん、コーヒーと合わせればナイスバランスになるのでしょうが、筆者のスペシャルティでは少々苦みが足りず、力不足感が否めず……。深煎りブレンドで苦みをきかせたほうが相性は良かったかもしれません。
昭和のケーキを想起させる甘さだったシフォンケーキ。椿屋珈琲が大正ロマンをテーマにしていることを鑑みると、あえて懐かしさを覚える甘さに仕上げているのかもしれません。
【椿屋珈琲】値上げをしたら超高級店に……
今回、椿屋カフェを利用して驚いたのは価格帯でした。
サイフォンで提供するスタイルと、居心地にこだわった空間作りが似ている「倉式珈琲店」はケーキセットの最安値が1,000円を切っています。しかも倉式は、コーヒー約2杯分が提供されていたので、今回1500円超えとは、筆者のお財布事情的には苦しさがあったのが正直なところです。
しかし、椿屋珈琲の売上高は伸びているので、大正ロマンの世界観や味、サービスは求められているのでしょう。昨今、世界的なコーヒー豆の不作とあって、業界全体でコーヒー価格の値上がりは既定路線といえるようす。どうやら、椿屋珈琲も昨年末〜今年春までに値上げをしていたようですが、ケーキの価格だったとか。ここからさらにコーヒー価格も値上げをしたら、筆者は利用できない超高級店になってしまいそうですが、今後の動向にも注目したいと思います。