インスタント食品ながら、さまざまな栄養素がバランス良く摂れる日清の「完全メシ」。お米が不足している昨今、対応策のひとつになるのではないでしょうか。そこで今回は管理栄養士の猪坂みなみ先生に、完全メシシリーズの中から、カップライス4品の特徴やおすすめを教えてもらいました。
目次
・日清「完全メシ」の栄養素的な特徴とメリット&デメリット
・【完全メシ】 カレーメシ 欧風カレー
・【完全メシ】キーマカレーメシ スパイシー
・【完全メシ】ハヤシメシ デミグラス
・【完全メシ】韓国風旨辛メシ ユッケジャン
・管理栄養士のベスト1
・編集部が実食!
日清「完全メシ」の栄養素的な特徴とメリット&デメリット
――日清 「完全メシ」の栄養素的な特徴やメリットを教えてください。
猪坂みなみ先生(以下、猪坂) 「完全メシ」は、厚生労働省が定めている「日本人の食事摂取基準」という、エネルギーと栄養素の適切な摂取量が示された基準をもとに、たんぱく質、脂質、炭水化物の三大栄養素をバランスよくとれるよう調整しています。さらに、ビタミンやミネラル、食物繊維なども配合されているので、普通のインスタント食品を食べるよりも格段に多くの栄養素を摂取することができます。
これだけ栄養バランスの整った食事を作ろうとすると、食材を揃えて調理して……とかなりの手間がかかりますが、こちらの商品はお湯を注ぐだけなので、調理が簡単だというのも嬉しいメリットだといえるでしょう。
――デメリットを挙げるとすれば、どのような点がありますか。
猪坂 こういったカップタイプのインスタント食品は、あまり噛まずに食べることができてしまうので、かき込む早食いにつながりやすいという点がデメリットだと思います。咀嚼の回数が少ないと、満腹感を得られるまでの時間が短くなり、物足りなくなって他の食べ物に手が伸びてしまう……という悪循環に陥りやすくなります。
実際に、満腹感は食事開始から約20分後に脳に伝達されるため、早食いの人は太りやすいという研究もあります。また、あまり咀嚼を必要としない食事ばかりを続けていると、顎まわりの筋肉が衰えるリスクもあります。
そのため、食べる時はゆっくりよく噛んで食べることや、あえて小さいスプーンを使って一口の量を減らすことなどを意識し、早食いを防止すると良いでしょう。
日清「完全メシ」を食べる際に注意したいポイント
――食べる際に注意したい点があれば教えてください。また、猪坂先生ならどんなときに食べますか?
猪坂 先ほどもお伝えしたように、早食いや咀嚼回数の減少につながりやすい点は注意が必要です。
また、同じ「完全メシ」シリーズでも、種類によって栄養素の配合量が異なる点は押さえておくべきです。たとえば、「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」は1食あたり483kcalで、たんぱく質は20.0g含まれていますが、同じ完全メシシリーズのカップスープ「完全メシ コーンクリームポタージュ」はエネルギーが192kcal、たんぱく質は9.0gで、摂取できる栄養がかなり少なくなります。
さらに、意識しておきたい点としては、「この商品さえ毎日食べればOK」とは考えないことです。確かに厚生労働省の食事摂取基準に基づいた栄養素は配合されていますが、自然食品にはそれ以外にも健康に寄与する成分が含まれています。
たとえば、野菜にはポリフェノール、魚にはDHAなど、正式な基準はないものの、健康に良い影響を与える成分があるのです。そのため、こういった加工食品だけを食べ続けると、これらの成分が不足する可能性があります。バランスを考え、他の食品と組み合わせて楽しむことが大切です。
私自身が食べるとすれば、「食事を準備する余裕がない」ときや、「無性にインスタント食品が食べたくなった」ときかと思います。
完全メシ カレーメシ 欧風カレー:冷えを防ぐビタミンEが豊富
――「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」について、栄養素的な特徴を教えてください。
猪坂 1食当たりのエネルギーは483kcal、たんぱく質の含有量は20.0g、食物繊維は7.9gです。他の商品と比べると、血流を促進してくれる抗酸化成分であるビタミンEや、糖をエネルギーに変換するのを助けてくれるビタミンB1、水分の代謝をスムーズにしてくれるカリウムなどの栄養が一番多く配合されています。
特にビタミンEは、血流を改善することで手先や足先の冷えを防ぐ効果が期待されているので、今の時期ですと室内の冷房が強くて手先が冷えがち、というようなときに選ぶのも良いでしょう。
完全メシ キーマカレーメシ スパイシー:さまざまな栄養素がいちばん多い
――「完全メシ キーマカレーメシ スパイシー」について、栄養素的な特徴を教えてください。
猪坂 1食当たりのエネルギーは468kcal、たんぱく質の含有量は19.7g、食物繊維は8.7gとなっており、食物繊維は4商品の中で一番多く含まれていますね。また、ビタミンAや、ビタミンD、ビタミンB6、ビタミンC、鉄分などの成分も、他の商品よりも多いです。
そのため、最近特に野菜やきのこ類が不足気味かも、というようなときに選ぶと良いでしょう。
完全メシ ハヤシメシ デミグラス:たんぱく質の摂取を増やしたい人に
――「完全メシ ハヤシメシ デミグラス」について、栄養素的な特徴を教えてください。
猪坂 1食当たりのエネルギーは472kcal、たんぱく質の含有量は20.6g、食物繊維は7.7gで、わずかな差ではありますが、たんぱく質は全商品中最も多く含まれています。他のビタミンやミネラルなどの栄養素は、概ね前の2商品のほうが多く含まれているか、ほぼ同じくらい、といったところです。
ほんの少しでもたんぱく質の摂取量を増やしたい! という方にはおすすめですね。
完全メシ 韓国風旨辛メシ ユッケジャン:野菜をプラスして楽しんで
――「完全メシ 韓国風旨辛メシ ユッケジャン」について、栄養素的な特徴を教えてください。
猪坂 1食当たりのエネルギーは451kcal、たんぱく質の含有量は17.9g、食物繊維は7.0gとなっており、他の3つの商品と比較するとどれも控えめになっています。ビタミンやミネラル類の量も、全体的に他の商品よりは少なめのようです。
そのため、これを単品で食べるというよりは、ミニトマトや蒸しブロッコリーなどをプラスして、足りない栄養を補いながら楽しむと良いでしょう。
管理栄養士が選んだベスト1は「完全メシ キーマカレーメシ スパイシー」
――栄養面を踏まえて猪坂先生が選ぶなら、どれにしますか?
猪坂 どれも栄養バランスは調整されているので大きな差はありませんが、食物繊維、ビタミンAや、ビタミンD、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビタミンC、鉄分など、多くの栄養素で配合量が4商品中1位 だったという点で、「完全メシ キーマカレーメシ スパイシー」を選びたいです。
編集部が実食!「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」
お湯を入れて5分後、付属の「パウダーとオイル」を投入。ぐるぐるとかき混ぜて完成しました。最初はゆるゆるだったので「本当にカレーになるのか?」と疑問でしたが、だんだんともったりとしてきます。
さっそく実食! ひと口食べてみて、筆者がいちばん感じたのは「甘さと若干の酸味」。玉ねぎやトマトによるものでしょうか。「中辛」とのことですが、辛いものが苦手でも全然ふつうに食べられると思いました。
ダイスミンチやポテト、にんじんといった具材はゴロっと存在感があり、バターの香りもほんのり。味が濃いので食べ応えは十分あると思いますが、ルーとお米が一体化しているので、箸休めの部分がありません。後半はちょっと食べ進めるのがしんどくなってしまいました……。
先生が言っていたように、「無性にインスタント食品が食べたくなった」ときには向いているかもしれません。また「とにかく濃い味が好き!」というかたにはおすすめできると思いました。
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