ラーメン業界で独自の存在感を放つ「ラーメン山岡家」。出店エリアは北海道と北関東のロードサイドが中心という異色のラーメン店です。業績が絶好調とのことで、実食してきました。
目次
・【山岡家】とは? 売上高も最終利益も過去最高を更新
・【山岡家】行ってみたらすごかった!
・朝ラーメン530円を実食!
・シャワー室まである唯一無二の存在
【山岡家】とは? 鳥貴族とサイゼリヤに並んで高成長
1988年9月に「ラーメン山岡家」1号店を茨城県牛久市に開店、 北海道と北関東を中心に店舗を増やし、2024年1月末時点で173店に成長した「ラーメン山岡家」。
同店は出店ポリシーが明確で、公式サイトによると、「100%直営」「ロードサイド店を中心」「大型トラックが利用可能な広い駐車場を用意」「年中無休24時間営業を基本」「食券制」とのこと。この確立されたスタイルにより、リピート率はなんと75%なんだとか。
運営する株式会社丸千代山岡家は、24年5~7月の累計売上高が35%増(前年同期比)、累計最終利益は248%増(同)と連続で過去最高を更新したとのこと。さらに、2~7月の経常利益も前年同期比3.2倍の15.8億円に急拡大!
ビジネスサイトの「マネーポストWEB」9月20日付記事では、山岡家が鳥貴族とサイゼリヤに並んで「円安、コスト増を跳ね返して高成長を遂げた注目の外食3銘柄」として挙げられています。
また 9月16日からは全国の小売店でカップ麺「ラーメン山岡家 醤油ラーメン」(日清食品株式会社)が発売中と、外食産業の中でかなり注目が集まっているもよう。
【山岡家】行ってみたらすごかった!
平日の午前10時、山岡家にやってきました。大型トラックがビュンビュン通過するバイパス沿いで、近くにはラーメンチェーン「町田商店」「幸楽苑」や、もつ専門チェーン「もつ次郎」や定食チェーン「野郎めし」など有力店も出店しているエリアです。
入口で食券式だと知らせる掲示物がありました。初来店で利用方法がわからないので助かります。
なお、食券機は新1000円札は未対応でしたが各種電子マネー払いは対応していましたよ。
座席は厨房前のカウンター席と、4~6人掛けのボックス席・小上がり席があり、今回はボックス席を利用。ざっと見たところ、どの席も一人客のよう。
駐車場に大型トラックや中型トラックが停まっていたので予想はしていましたが、客層はトラックドライバーや作業着を着た現場系の方のほかにも、スーツを着たサラリーマンや女性ひとり客の姿も。
机の上には調味料一式と呼び出しボタン、ティッシュボックス。ティッシュボックスに少し汚れがついていますが、24時間営業なのに調味料周りはちゃんときれいに保たれていて好感です。
壁はメニュー写真の掲示のほか、手書きの文字や味のあるイラストを用いた各種のお知らせ(Tシャツ販売やってます、紙エプロンの用意ありますなど)が無秩序に貼られているんですが、これがいい意味でだらしなさを醸していて、昭和のおばあちゃんちに来たような感覚に……。
セロテープを剥がした跡もそこかしこにあり、店の年季も感じます。外には大型トラックがビュンビュン走り抜けていくのがよく見えて、別世界観が高まります。
キッズコーナーも郷愁たっぷり
キッズコーナーと書かれたエリアがあったのでのぞいてみました。子ども用の椅子と、ガシャポン、絵本やマンガ、そして塗り絵とクーピーらしきものが用意されています。
どれも年季を感じさせる味わいで、ここだけ昭和で時が止まっているようです。特に使用感あふれるカラーボックスは、自分が子どものころの実家の風景を思い出して、グッとくるものがありました……。
【山岡家】530円の朝ラーメン実食
店内の雰囲気になんだか切ない気持ちにさせられたあと、午前5時~11時まで(24時間営業店舗のみ)販売する朝ラーメン(530円)を実食!
食券購入後、席につくと店員が食券を回収しに来てくれるようなのですが、筆者は存在に気づかれてなかったようなので、厨房まで声をかけにいって対応してもらいました。
そうして到着した、朝ラーメン!
麺のかたさ、油の量、スープの濃さは選べますが、初めてなので全部「ふつう」にしています。
小ねぎがたっぷり、チャーシューと海苔の上には味噌っぽいものが乗っています。ごまも全体にたくさんかかっていて健康にも良さそう。ちなみに、山岡家は農業事業も展開していて、ねぎを栽培しているとか。これも自社栽培かもしれません。
スープを飲むと、豚骨の味わいがありつつも、塩ラーメンのスープに近い後味。くどさがないので朝からラーメンを食べているという罪悪感は弱めです。
店内の掲示物に、麺の太さは「特製の太麺」のため茹で上がりまで7分かかるとあったので、どれだけ太いの? と構えていましたが、食べてみると一般的な細麺のよう。
そして海苔に乗っかっている味噌をつまむと、びっくり! 強烈な酸っぱさで目が覚めました。味噌ではなく梅干しペーストです!!
ペーストをちょこっとラーメンに乗っけてみると絶品で、容赦ない酸味が頭の隅まで叩き起こしてくれます。これはまさに「朝ラーメン」の名にふさわしい出来栄え!
ペーストをスープに溶かせば酸味も弱まり、ほんのり梅味ラーメンとしても楽しめました。
食後に気がついた「朝ラーメン」のポスター。筆者がノーチェックだっただけで、「細麺」「梅ペースト」とちゃんと書いてありました!
【山岡家】まねできない唯一の存在
今回初めてとなった「山岡家」はまさに異色の体験でした。その理由は3つほど挙げられます。
①佇まいも雰囲気もガチ昭和のまま
②店内から見えるのは大型トラックが走行する光景
③駐車場に大型トラックがたくさん停まっている
今は2024年ということを完全に忘れてしまう、昭和40~60年代を感じさせる独自のテイストは唯一無二でしょう。ちょっと薄暗い雰囲気と、無骨なハードボイルドさもあります。
近年、テーマパークや飲食店が「昭和レトロ」をテーマにして人気を集めているとか。その店、山岡家は昭和56年生まれの筆者でさえも、ちょっとたじろいでしまうほどの「洗練されてないガチ昭和」ぶりでした。
もちろん、今回利用した店が年季の入っているだけで、新規オープンやリニューアルした店舗は異なると思いますが、唯一無二の出店スタイルなのは間違いないでしょう。なお、店舗によっては長距離ドライバーのためにシャワー室もあるとか。
山岡家を支えているのはトラックドライバーさんたちではありますが、そうではない筆者からしてもとても魅力的な唯一のチェーン店でした。