アサヒビールの公式X(旧Twitter)の投稿が、King&Prince(以下、キンプリ)ファンの間で物議を醸している。2022年11月、平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太(現Number_i)がグループ脱退を発表した後、ネット上で注目を集めた「キンプリ構文」をネタにしているのではないかと、怒りの声が上がったのだ。
目次
・アサヒビールが仕掛けた“縦読み”メッセージとは?
・「キンプリ構文」のXポストに批判相次ぐ
・アサヒビール、X投稿を削除
アサヒビール、吉沢亮&橋本環奈の新CM告知ポストに隠された“縦読み”メッセージとは?
9月30日、アサヒビールのXアカウントは「長文ですが、ご確認ください」(原文ママ、以下同)として、テキスト画像をアップ。そこには同社の商品である「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」について、「大切なことなので、よく読んでいただきたいです」「そう、とにかくアルコール分3.5パーセントのビールをあなたに楽しんでほしいなと」といった宣伝文が記されていた。
10月2日午後9時には、「待ってこれ 手震えるんだけど」との一文や、「#ドライクリスタル」「#ドラクリ」のハッシュタグをつけて、新たな画像を公開。前述の文章内の複数の文字に赤丸がついており、上から“縦読み”していくと「リようとかンなとかんぱいあさって」とのメッセージが浮かび上がった。
翌日の3日、アサヒビールは公式サイトにてニュースリリースを掲載し、「『アサヒスーパードライ ドライクリスタル』新TVCM 『好きな事に向き合うために。吉沢亮』篇、『自由に使える時間こそ。橋本環奈』篇 10月4日から放映開始」と告知。前日の縦読みメッセージにあった「リようとかンな」は、吉沢と橋本を匂わせたものと思われる。
アサヒビール、「キンプリ構文」意識? ファンから批判相次ぐ
この投稿をめぐって、キンプリファンから「キンプリ構文」を意識したのではないかと疑問の声が上がることになった。
22年11月4日、当時キンプリメンバーだった平野、岸、神宮寺がグループ脱退と事務所からの退所を宣言した後、SNS上で広まった「キンプリ構文」。平野が公式モバイルサイトの有料ブログで“縦読み”メッセージをつづっているとする平野ファンが、「待ってこれ」「手震えるんだけど」とXで指摘したところ、拡散されることに。
「この平野ファンは、ブログの一部文字に赤い丸をつけ、“縦読み”をすると『かなしいなてはなすの(悲しいな手離すの)』というメッセージになると主張。しかし、Xで拡散されると『こじつけ』といった否定意見も噴出しました。こうした経緯から、『待ってこれ』『手震えるんだけど』のフレーズとともに、自身に都合のよい解釈をした文章をセットで投稿する形式は『キンプリ構文』と呼ばれるようになったんです」(男性アイドルに詳しい記者)
前述のアサヒビールのポストは、この「キンプリ構文」を連想させる表現だっただけに、「大企業がこんなふうに有料ブログのことをイジるのはとても悲しい」「キンプリの分裂騒動をネタにするってどんな神経してるの? どれだけの人が傷ついたと思ってるの?」「アサヒビールは買わない」と批判的なコメントが相次いだ。
アサヒビール側が一連の背景を把握した上でPRに取り入れたのかどうかは定かではないが、「知ってる上でやったのなら、なおさら悪い」「炎上商法?」などとキンプリファンからは不快感を訴えるコメントが続出。巻き込まれた側の吉沢、橋本にも同情の声が集まっている。
アサヒビール、「配慮に欠けた表現」と謝罪しX投稿を削除
一方、そもそも「手震える」のワードが不適切との指摘も。アルコール依存症の患者は、アルコールが体から抜けた際に「手が震える」といった禁断症状が出るとされ、アサヒビールのホームページ内にある「アルコール依存症の症状」というページでも同様の解説が載っている。
そのためネットユーザーからは「ビールの広告で『手震える』とかありえない」「アルコール商品で『手震える』の一言がマズイって、社内の誰も思わないのが激ヤバ」「アサヒのお酒を飲むと“アル中”(アルコール中毒)になって危険だよってこと?」と厳しい指摘も上がっていた。
その結果、アサヒビールのXアカウントは10月3日午後4時台に「2024年10月2日21時のポストにおいて、配慮に欠けた表現がございましたので、当該ポストを削除させていただきました。ご不快な思いをおかけしましたことを、謹んでお詫び申し上げます」と謝罪した。
吉沢と橋本が出演する新CMの放映開始前に、多くの消費者を敵に回してしまったアサヒビール。今後は信頼の回復に努めていってほしいものだ。