イオン系列やマツキヨ系列が居並ぶドラッグストア業界において、独自路線のスタイルで上位につけている「コスモス薬品」。同社の魅力を探るべく、買い物してきました。
※価格や情報は4月末時点の情報です。
※最新の情報は公式サイトやSNSでご確認ください。
目次
・【コスモス】とは
・【コスモス】買い物してみた
・【コスモス】低価格高クオリティのPBはトップバリュ超え?
※2024年8月26日公開の記事を再編集しています。
【コスモス】とは?
宮崎発の大手ドラッグストア「コスモス薬品」。「ドラッグストアコスモス」の屋号で2024年5月31日現在の店舗数は1,490店と一大チェーンになっています。
1973年2月に宮崎県で創業した漢方薬局が前身で、83年に現在の社名「コスモス薬品」に変更。2005年に本社が宮崎から福岡に移りました。
「ダイヤモンド・チェーンストア」2024年9月15日号(ダイヤモンド社)によれば、2024年度のドラッグストア業態の売上高ランキングは、1位ウエルシアホールディングス、2位ツルハホールディングス、3位マツキヨココカラ&カンパニー、そして4位にコスモス薬品がランクイン。
24年5月の既存店売上データでは、コスモス全店での売上高は11.2%増(前年同月比)。ウエルシアホールディングスが全店売上高1.4%増、マツキヨココカラから4.4%増となっているのに対し、驚異的な伸びといえるでしょう。
コスモスはドラッグストアながら食品が豊富に扱われているのが特徴。医薬品、生活用品など従来のドラッグストアの商品展開に加え、加工食品や酒類・飲料、生鮮食品まで扱う業態は「フード&ドラッグ」とも呼ばれ、その代表的存在がコスモスとされています。
コスモス薬品、自力で大量出店
業界1位のウエルシアは、イオンの子会社化によってイオングループのドラッグストア4社が統合され店舗数を拡大。3位のマツキヨココカラ&カンパニーは社名の通り、マツモトキヨシホールディングスとココカラファインが経営統合した会社です。
上位グループが大手との吸収や合併によって勢力を拡大するのに対し、コスモスは自社の力のみで大量出店、業界4位にまで躍進しています。
【コスモス】買い物してみた
近年は食品を扱うドラッグストアも一般的。いったい、それらとコスモスの違いはなにか? 実際に確かめに行ってきました!コスモスに到着すると、まず駐車場の広さにびっくり。建物もドラッグストアらしからぬ大きさで、立派なスーパーマーケットの外観です。
入口すぐに、赤文字で「全商品税込価格です」の垂れ幕が。ものすごい主張です。
チラシの価格を見ると、たまご138円やおかめ納豆69円など、安い! かっぱえびせん79円、じゃがりこ89円などお菓子も低価格です。
店内に入ってすぐに、トマトやキャベツなど野菜コーナー。じゃがいもは一袋108円とお得です。
ぐるりと店内を回って見ると、壁沿いがほとんど冷凍コーナーになっていることに驚きました。そしてアイスの価格が安い!
パピコ、チョコモナカジャンボ、板チョコアイス、MOWや爽といったカップアイスなどが98円! ファミリーパックのモナ王なども低価格です。
冷凍食品も圧巻の点数。もちろん価格も抑えられていて、ニップン「オーマイBigカルボナーラ」が178円など魅力的ですが、目を見張ったのはPB商品のスゴさ!
PB「ON365」「おいしい総菜」が高クオリティ
白を貴重にしたパッケージに「ON365」という青いロゴがついているのがコスモスのPB「ON365」の冷凍食品! 定番の餃子など並ぶ中、こちらは「ミックスお好み焼き」188円。製造は日清。購入した日に食べましたが、おいしかったです!
なお、「ON365」(オン・サン・ロク・ゴ)は「365日、いいものを、より安く」をモットーに、「信頼できるメーカーと共同で品質の優れた商品を開発」したPBとのこと。
魚の総菜も豊富で目移りするほど。写真の右は「骨取りさばのみぞれ煮」298円。極洋が製造しています。味付けがよく、骨もないので子どもに出しやすくて便利。こちらもリピ買い決定!
チルド商品の「さっぱりジャポネハンバーグ」198円。こちらもおいしかったです。
そして、これら2つは惣菜のPB「おいしい惣菜」の商品。「レンジでチンするだけ・湯せんするだけ」、後片付けがラクになる「ゴミ軽減・洗いもの軽減」を意識したシリーズとのことです。
大分発のファミリーレストラン「ジョイフル」の冷凍食品もありました。ジョイフルを利用したことがないんですが、物珍しさから「チキンステーキ」298円と「ハンバーグ」248円を思わず購入。
しかしチキンステーキは下味の塩コショウが衝撃的な濃さでした……。チキンもハンバーグも解凍してからフライパン調理が必要と工数が多いのも想定外だったので、みなさんは気をつけてください!
イオンのトップバリュそっくりのカニカマも!
冷食以外にも、納豆(59円)やアルコール飲料(ストロングチューハイ350mlで98円)などなど、「ON365」の商品はとにかく豊富!
とろろ昆布(98円)なんてマイナーそうなものまで展開していて、びっくりしました。舌触りが良く、ちゃんとおいしい! 「麻婆豆腐の素」(128円)は永谷園の製造でした。
会津産こしひかりのレンチンご飯パック(180g×6食)も、テーブルマーク製造で458円と低価格! 実食したところ、パック臭さもなく、おいしくいただけました。
強炭酸水は500ml59円。安い!
カニカマまでPBで売ってます。
下の写真はイオンのPB「トップバリュ」のカニカマですが、見た目がそっくり! 72gと内容量まで同じで、製造はどちらもニッスイ。まったく同じ商品と言って差し支えないでしょう。
日用品PB「StandarDay」がシンプルでオシャレ
日用品のPBも豊富! 水切りネットや乾電池、フリーザーバッグやラップなどがシンプルでセンスを感じさせるパッケージで並んでいます。
日用品のPB「StandarDay」は、「落ち着く配色・シンプルデザインの包装・容器とし、低価格ながら上品で洗練されたデザインを追求しました」とのこと。 実際、極めてシンプルですよね。100円ショップのセリアにもこんなようなパッケージのクッキングシートがあったような?
肌着のPB「FIVEFREE」はユニクロ意識?
タオルや靴下、肌着コーナーもチェック。「FIVEFREE」というアンダーウエアシリーズがズラリと展開されていました。
コスモス公式サイトには記載が見当たりませんでしたが、どうやら「FIVEFREE」は旭化成アドバンスと共同開発したPBのよう。
肌着まで大手と手を組んで展開してしまうとは、もはやドラッグストアでもフード&ドラッグでもないレベル!
なお、この「FIVE FREE」は通気性、放湿性、冷感が特徴とのこと。価格もキャミソールで798円とお手頃なので、ユニクロのエアリズムの代わりに使ってみてもよさそうですね!
【コスモス】PBはイオンのトップバリュに並ぶレベル!
今回、コスモスでの買い物はとても楽しい時間でした。その魅力は以下の3点にまとまります。
①お菓子やアイスが安い!
②食品、日用品、肌着までPBの品揃えがスゴい!
③PB食品がお値段以上でちゃんとおいしい
PBの豊富さは前述した通りですが、「ドラッグストア」にもかかわらずこれほどまで力を入れるのはなぜ? と疑問になるほどでした。
イオンのトップバリュと同じ商品があったように、PB食品の充実具合やクオリティはイオンと肩を並べるレベル。
そして旭化成アドバンスという大手繊維メーカーとまで共同開発していることにもビックリ! フード&ドラッグどころかウエアにまで手を伸ばそうとしているのでしょうか? もはや「ドラッグストア」は隠れみのにすぎないのでは? とすら感じます。
大手が上位を占めるドラッグストア業界で、独立独歩で進化してきたコスモスのさらなる成長を楽しみにしています! なお、会計は現金のみなのでご利用の際はご注意くださいね。