近頃、コンビニやスーパーで見かける伊藤園の「杏仁烏龍」というドリンクを、みなさんはご存じでしょうか? この記事では、編集部Mが他社製品のカロリーと比較しながら、その味をレポートしていきます。
※価格や商品は2024年10月25日時点の情報です。
※最新の情報は公式サイトや公式SNSをご確認ください。
※店舗によって取り扱う商品が異なります。
目次
・伊藤園、スイーツ飲料「杏仁烏龍」を発売!
・「杏仁烏龍」が「午後の紅茶」よりも罪深いワケ
・伊藤園、25年第1四半期は前期から売り上げ減
伊藤園、スイーツ感のある新たな飲料「杏仁烏龍」を発売!
「杏仁烏龍」は、「お~いお茶」などでおなじみの伊藤園が9月16日から全国で販売を開始したドリンク。プレスリリースによると、昨今、“わらび餅”や“チーズケーキ”などのスイーツをイメージした飲み物が注目を集めている中、「『お茶』と『スイーツ』を組み合わせた飲料はSNS上で多く話題に上がり、スイーツとしての甘さがありながらもお茶のおいしさを感じる味わいに高い需要を見せています」(原文ママ、以下同)とのこと。
そこで、「無糖茶飲料市場のパイオニアとしての技術や経験を生かし、原料からこだわった烏龍茶にスイーツ感のある味わいを加えた新しい飲料」として、今回の「杏仁烏龍」を開発したそう。
260mlペットボトルと480mlペットボトルの2サイズあり、希望小売価格は前者が160円、後者が194円となっています。
伊藤園「杏仁烏龍」、サントリー「午後の紅茶 ミルクティー」よりも“罪深い”ワケ
ラベルは、杏仁豆腐の器の中に「杏仁烏龍 あんにんうーろん」の文字が浮かんだデザイン。杏仁豆腐は台湾のスイーツですが、アジアンテイストな雰囲気はなく、女性ウケを狙ったであろう、シンプルかつポップな印象を受けます。
ドリンクのベースは烏龍茶のため、液体の色はベージュ。見た目的にはミルクティーっぽい感じです。においを嗅いでみると、あの独特な杏の香りがしました。
いざ一口飲んでみると、めちゃくちゃ甘い! 液体には若干とろみがあって、口当たりはとってもまろやかなんですが、シロップ感が強くて、烏龍茶の要素はさほどありません。リリース情報では「烏龍茶の爽やかな『すっきり感』が特長」と書かれていましたが、甘さが口の中に残るように感じました。
私が行ったコンビニでは、480mlボトルしかなかったんですが、一度に全部飲み切るのはキツそう。烏龍茶を足したり、牛乳で割ったりしたらちょうど良さそうだなと思いました。
ドリンクとして考えると、逆に喉が渇きそうな1本ですが、「飲むスイーツ」として考えると、満足度は高いかもしれません。
なお、カロリーは、100mlあたり49kcal。小さい260mlボトルだと、約127kcalということになります。コンビニなんかで売られている杏仁豆腐を調べたところ、1個だいたい120~160kcalほどだったので、カロリー的に見ても、「飲むスイーツ」というのはピッタリでしょう。
ただ、480mlボトルに換算すると1本で約235kcalと、なかなかのハイカロリー。個人的に結構甘いなと感じるサントリーの「午後の紅茶 ミルクティー」が100mlあたり36kcal、500mlボトルだと180kcalになりますから、「杏仁烏龍」がいかに罪深いドリンクであるか、わかりやすいのでは?
伊藤園、大谷翔平とアンバサダー契約締結も「お~いお茶」の売り上げ伸びず……前期から利益35%減
ちなみに、そんな「杏仁烏龍」を販売する伊藤園が9月に発表した2025年第1四半期(24年5~7月期)の決算を見ると、売上高は1250億円で前期から3.2%増となった一方、営業利益は71億円で前期比28.7%マイナス。経常利益も72億円で31.5%ダウンしており、純利益は44億円と35%の減少傾向にあります。
「日本経済新聞」は、その背景として、原材料の高騰や、米大リーグ「ロサンゼルス・ドジャース」の大谷翔平選手と「お~いお茶」のグローバルアンバサダー契約を結んだことで広告宣伝費がかさんだ一方、売り上げが伸びなかったことにあると理由を分析していました。
10月からは、計207商品の希望小売価格を2.2~36.4%値上げし、「お~いお茶 緑茶」は600mlペットボトルが172円から194円、2lペットボトルは437円から464円に変更されています。
「杏仁烏龍」の480ml194円という値段を見たとき、正直「高いな」と感じたのですが、ほかの商品も値上げされているなら、妥当な値段なのかもしれません。
ただ、前述の通り、「杏仁烏龍」は甘さが強くてハイカロリーである点もふまえ、結構好みが分かれそうな商品だと感じ、伊藤園が誇る新たなヒット商品にはなりにくそうな印象を受けました。
業績低迷中の伊藤園を救う商品は今後現れるのか、引き続き注目していきたいところです。