千葉県にある「イトーヨーカドー柏店」が10月27日、53年間の歴史に幕を閉じました。最終日の現地の様子をレポートします。
目次
・イトーヨーカドー柏店が閉店
・閉店約1時間前に到着
・店内をチェック
・食料品はすっからかん!
・従業員を無視して、正面入り口で場所取りをする人々
・来年1月には10店舗が閉店
【イトーヨーカドー柏店】53年間の歴史に幕
2016年に赤字に転落するなど業績が悪化し、全国で大量閉店しているイトーヨーカドー。今夏には26年までに33店舗を閉店する計画が発表され世間に衝撃を与えました。
そして、同リストに含まれる柏店は、1971年4月に開業。現在、柏駅周辺にある大型ショッピング施設「スカイプラザ柏」や「柏髙島屋ステーションモール」などよりも数年早く開業し、半世紀以上も柏市民の生活を支えてきました。
なお、サイゾーウーマンでは以前、5月の柏店の様子を紹介。閉店セールが始まって間もない時期でした。
最終日の店内には、掘り出し物があるかも……というわけで、閉店1時間前の店舗へ行ってきました。
【イトーヨーカドー柏店】閉店約1時間前に到着
最終日の閉店は午後7時とのことなので、閉店間際の店内を見て回るため、午後6時頃に店舗へやってきました。
入り口には「お客様の安全面の確保・近隣交通状況に配慮し営業最終日での閉店セレモニーは実施致しません。何卒、ご理解の程よろしくお願い致します。店長」と書かれた貼り紙があちこちに貼られていました。
8月に神奈川県の「イトーヨーカドー綱島店」が閉店した際、入り口前に大量の人が集まり、シャッターが下りる様子を見守る映像がニュースで報じられていましたが、ああいう状況は避けたいようです。
確かに、柏店の周りは道が狭く、人が集まったら歩道はすぐに通れなくなりそう。向かいの通りにはマクドナルドなどの飲食店も多いので、迷惑をかけないためにも当然の決断といえます。
とはいえ、お店の前にはすでに場所取りしているような方がちらほらいるような……?
【イトーヨーカドー柏店】店内をチェック! キャン・ドゥが「70%オフ」
1階の正面入り口を入ると、展示コーナーが出現。イトーヨーカドーのファンが書いた「想い出メッセージ」が壁に貼られています。この企画は先日閉店した同県・津田沼店などでも行われていました。
1階のメモリアルコーナーを抜けると、「御徒町問屋直売」と書かれた宝飾品店がありました。「5万5,000円均一」と「11万円均一」の商品が並んでいます。
ここからは1階ずつ上がって見ていきたいと思います。ちなみに柏店は1階から4階が服飾を中心に扱うフロア。5階には家庭用品と100円ショップの「キャン・ドゥ」、6階と7階に「ブックオフ」などのテナントが入っていて、地下1階が食料品売り場になっています。
いたるところに取り付けられた紅白の幕が閉店の寂しさを誘う店内ですが、やたらとバッグ売り場が目立ちました。ある売り場では、明らかにイトーヨーカドーの従業員ではなさそうな男性が、大きな声で呼び込みをしています。雰囲気としては、駅の構内でよく見る臨時のバッグ売り場のような感じ。
値札の価格よりも安くする旨を言っていますが、どうやらその値段はこの男性に聞くとこっそり教えてくれるシステムのようです。東京・上野のアメ横にでも迷い込んだような雰囲気で、こういうのに慣れていない筆者はハードルの高さを感じてしまいました。
各階で割引セールが行われる中、特に魅力的に感じたのが、3階に入っている子ども服チェーン「Mac-House」。
半額になっている商品も多く、中にはセール価格の1,490円からさらに80%オフになっているパンツなども並んでいました。
4階の一角には、「柏70年の歩みと未来ビジョン展」と題した展示コーナーがありました。
5階に行くと、キャン・ドゥでも「雑貨全品70%オフ」のセールを行っていて驚き! 100均ならぬ30均です。ただ、商品はほぼなくなっていました。がっかり。
同じく5階の生活用品売り場では、ストックしておきたいキッチンペーパーや掃除用品などが30%オフや半額ほどで売られていました。
在庫も豊富。筆者も買いたかったものの、レジに長蛇の列ができていたのでなくなく諦めます。
【イトーヨーカドー柏店】食料品はすっからかん!
ここでエレベーターに乗って、地下1階の食品売り場へ移動。「夕食用に食材を買いたいな」と思っていたんです。
しかし、一部ツナ缶やペットボトルのジュースなどはあったものの、生鮮食品はすっからかん。この時間に来た私が甘かったようです……。
チラシによると、この日は特別提供品として海老天が3本のった「今までありがとう!感謝の大海老天重」という商品が540円で販売されたもよう。ただ、この時間には残っていませんでした。
【イトーヨーカドー】従業員を無視して、正面入り口で場所取りをする人々
午後6時30分になると、一部アパレル売り場の照明が少し暗くなり、店内には閉店を伝える「蛍の光」が流れ始めました。
「え? 閉店までまだ30分あるのでは?」と戸惑っていると、1階では従業員がお客さんを出口に誘導し始めます。
誘導に従い外へ出ると、正面入り口の前に人だかりができていました。ただ、入り口では従業員の男性が、周辺や通行人などの妨げになるからと、“建物を撮影していただくのはありがたいですが、終わったら歩道に留まらないようにお願いします”という旨を申し訳なさそうに繰り返しアナウンスしています。
しかし、そんな呼びかけを無視し、入り口前では無表情で場所取りする人が多いこと多いこと……。とはいえ、もちろんアナウンスを聞き入れる人も多く、歩行者の中には「イトーヨーカドーに感謝してるなら、スタッフのお願い聞いたらいいのに」と苦笑する人も見られました。
私もシャッターが下りる感動的な瞬間に立ち会いたい気持ちはありますが、従業員が困っていましたし、何より歩行者や周囲の迷惑になりたくないので、そそくさと退散します。
【イトーヨーカドー】来年1月には10店舗が閉店
大盛況だった様子のイトーヨーカドー柏店の最終日。生鮮食品は笑っちゃうほどきれいに売り切れていましたが、バッグや下着をはじめとする服飾品や生活必需品は商品が結構残っていて、閉店直前でもかなりお得にゲットできそうでした(行列必至ですが……)。
また、店内の随所にノスタルジックな雰囲気が残っていて、懐かさを感じると同時に「なぜ変われなかったのか……」とやりきれなさを覚えたのも事実。ただ、イトーヨーカドーは今後、祖業のアパレル事業から撤退して食品中心のサービスに切り替わるそうですから、企業イメージはだいぶ変わりそうです。
11月には埼玉県・春日部店が閉店、来年1月には長野県・南松本店、岩手県・花巻店など全国の10店舗ほどが閉店を控えているイトーヨーカドー。各店舗では最終日へ向けて魅力的なセールが行われているようなので、気になる方はチェックしてみては?