11月よりNetflixで配信が始まった『あいの里 シーズン2』。5日に配信された1話~8話のポイントについて、『君はモテないんじゃない、フラれてないだけだ あなたの恋をダメにする25個の“思い込み”』(扶桑社)などの著書がある“恋愛マスター”で、「くじら結婚相談所」の所長でもあるくじら氏に解説してもらった。
目次
・『あいの里 シーズン2』とは?
・恋愛リアリティショーがあまり好きではないワケ
・ちぃはもっと「ギタりんを利用する」べきだった?
・男は「女の一途」を大して喜ばない
・女は男を「ガンガン比較したほうがいい」
・あきぽんは結婚相手として「危うい」?
・あきぽんの「本質を見失う危うさ」とは?
※以下、『あいの里2』8話までのネタバレを含みます。これから見る方はご注意ください。
『あいの里 シーズン2』とは?
Netflixで配信が始まった『あいの里 シーズン2』(全20話/毎週火曜午後9時、5週にわたり配信)は、沖縄の古民家を舞台に35歳以上の男女が「最後のパートナー探し」を繰り広げる恋愛リアリティ番組。5日に8話までが一挙配信されると、参加者の三角関係や複数登場する衝突シーンなどがネット上で大きな話題に。12日現在、Netflixの視聴数ランキング「今日のTV番組TOP10(日本)」で人気アニメなどを抑えて1位となっている。
1話~8話の参加者
パチゆみ(51)スポーツジム経営
あきぽん(44)美容師
たみフル(45)漫画家
マンハッタン(59)元商社マン
せん姉(57)食育トレーナー
隊長(48)元レスキューパイロット
ちぃ(40)舞台俳優&カメラマン
あやかん(35)秘書
ギタりん(52)先生
マキオ(39)リフォーム業
ニノ(42)モデル&webエディター
12日の2週目の配信を前に、婚活の専門家であるくじら氏に『あいの里』シリーズの見どころや8話までの気になるシーンを以下で解説してもらう。
結婚相談所の所長がポイント解説:
出産リミットや親の介護など会話が超リアル
『あいの里』は正真正銘の“恋愛リアリティショー”である。
冒頭からなんだが、オレは恋愛リアリティショーがあまり好きではない。なぜなら、毎日のように恋愛や婚活に悩む方々のマンツーマンカウンセリングをしているオレにとって、恋愛リアリティショーの演出がどうにも嘘くさく感じてしまうからだ。
リアルを知っているからこそ、「リアルで悩んでいる人たちはそんなもんじゃないぞ」と気づいてしまうのだ。
しかし、この『あいの里』は違う。35歳以上の男女という縛りがあることで、参加者同士の会話も超リアルだ。出産のリミットや持病、離婚歴や親の介護問題など、キラキラなどしていられない現実がここにはある。そんなわけで、『あいの里』は昨年配信されたシーズン1から夢中になって見ていた。
ゆえに、今回『あいの里 シーズン2』のコラムを書いてほしいという依頼が来た時は、過去のどんな仕事よりもテンションが上がってしまった(笑)。
早速、男女の生態の違いを日々研究しているオレが、婚活のプロとして1話~8話の内容を解説していこう。
『あいの里2』ちぃはもっと「ギタりんを利用する」べきだった?
前半の見どころといえば、舞台俳優&カメラマンのちぃと美容師のあきぽんの距離が縮まっていき、カップルが成立した流れだろう。ちぃに感情移入し、うまくいって良かったと感じた人もいるはずだ。
しかし、男性心理の面で考えると、ちぃのアプローチには足りないところがあった。あきぽんの気持ちをもっと確実に仕留めることもできたのだ。
非常に言葉は悪いが「ギタりんを利用する」のである。
ちぃ、あきぽん、ギタりんは「二等辺三角関係」だと番組でイジられていた。ちぃとあきぽんの距離が縮まっているのに、不器用なギタりんが一方的にちぃに片思いしていたからだ。
ギタりんは2人の距離が近づいていることをわかりながらも、「5分だけオレとの時間を作ってほしい」とちぃに懇願。これに対し、ちぃはすべての時間を使ってあきぽんにアプローチしたかったため、この5分すらも惜しんであきぽんに集中したのだ。
このアプローチ法は、女性がやりがちなミスである。
『あいの里2』男は「女の一途」を大して喜ばない
女性読者の方々は、「一途なアプローチをして何が悪いの?」と思うだろう。ただ、これは本当に女性目線の考え方だ。女は男に「一途にアプローチをされたい」と思う。だから自分も男に対して「私は一途ですよ」という態度を見せようとする。
驚きの事実かもしれないが、男は女に一途になられたとしても大して喜ばない。なぜなら男は「オンリーワン」よりも「ナンバーワン」が好きだからだ。
男心をもっともくすぐるのは「あなただけよ」ということを伝えることではなく、「あなたが一番」と態度で伝えること。つまりこのケースでいえば、ギタりんとの時間を作ったうえで、あきぽんと2人になった時に「やっぱりあなたと一緒にいるのが一番楽しい」などと伝えるのがベストというわけだ。
女は自分がほかの女と比べられることを死ぬほど嫌うため、「男も同じ」だと思い込んでしまう。違うのだ。男は比べられたほうがうれしいのだ。
『あいの里2』男は「オレのほうが優秀なオスだろ!」とアピール合戦している?
生物学的にも女は「選択する性」といわれ、男は「競争する性」といわれる。ほかの男たちと常に競争し、女に選ばれるために「オレのほうが優秀なオスだろ!」とアピール合戦をしているのが男という生き物なのだ。
だから、婚活中の女性は男をガンガン比較したほうがいい。そのうえで「あなたが一番」と付け足せば、結婚に近づいていくだろう。
結果的にちぃとあきぽんはうまくいったが、もっと確実に関係を築く方法があったのだ。
まあ、その後のギタりんの暴走で、ちぃはギタりんに2時間近く説教をしたわけだから、結局、ギタりんにも時間を使っていた。それがたまたま良い方向に傾いた可能性もあるだろう。
もっと言えば、ギタりんへの愚痴をあきぽんにこぼし「やっぱりあなたが一番」感を伝えていれば、あきぽんとの関係はもっと深まっていただろう。オンエアされていないだけで、こういうやりとりもあったのかもしれない。
この辺を無意識にできてしまう小悪魔的な女性は、婚活も成功しやすいといえる。
『あいの里2』あきぽんは結婚相手として「危うい」?
そして、せっかくなので結婚相手としてのあきぽんの適性についても解説していこう。
あきぽんはイケメンで女性の話をきちんと聞いてくれる男だ。自分はこう感じるけど「ちぃはどう感じるの?」というのをていねいに聞き出していた。専門用語でいうところの「傾聴」が上手なタイプで、モテるのもわかる。
一方、ギタりんは「オレはこう思う」ばかりで相手がどう感じるかをまったく聞き出せていなかった。これでは女性は「尊重されていない」と感じてしまうだろう。
あきぽんはコミュニケーションが上手なため、恋愛相手としてはとても良いと思う。しかし、結婚相手としては危ういところを感じてしまったのが率直な感想だ。
なぜなら、彼は「家族よりも、仕事のやりがいが優先」という価値観を感じるシーンがあったからだ。
『あいの里2』あきぽんの「本質を見失う危うさ」とは?
あきぽんは、ちぃの髪を切りながら「子どもを持ったことが、仕事においてマイナスになることもある」と発言をしていた。
これは現代病的な思考ともいわれ、「生きる」ためや「子孫を残す」ための「手段」であったはずの仕事が「目的」になってしまっている印象を受ける。男性が狩りをしていた大昔で例えるなら、家族のために猪を狩っていたはずが、猪を狩るために家に帰ってこなくなるようなものだ。
あきぽんは、この本質を見失う危うさを持っている気がする。ちぃは「あきぽんの夢を自分の夢として応援したい」と言っていたが、もし結婚するのなら、あきぽんには猪を持ち帰れる場所を大事にしてほしい。人類はずっと愛を基盤に命をつないできたのだ。
ちぃとあきぽんが今後どんな未来になるかはわからないが、きれいごとでもなんでもなく、愛は偉大であることを忘れないでほしい。
まだまだ書きたいことは山ほどあるが、今回はこのくらいにしておこう。今後『あいの里2』のメンバーたちがどんな愛を掴んでいくのか楽しみでならない。