下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
あけましておめでとうございます! それにしても年末年始、びっくりなのが、“あの”中居正広問題だ。
驚がくの性加害問題をスクープした「女性セブン」(小学館)に続き「週刊文春」(文藝春秋)もこれを報じたのに、テレビを見れば中居番組を不自然に放送中止し、しかし情報番組などは問題を無視するようにスルー。テレビ局をはじめマスコミは、ジャニー喜多川氏の性加害を長年見て見ぬ振りをして大きな批判を浴びたが、今回もまた――。やはり反省などしていなかった。
目次
・今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
・中居正広の性加害問題をなかったかのように扱うテレビ局
・ジャニー喜多川氏の問題と同じテレビ局の過ちを指摘する「女性セブン」
・大谷翔平、東京ドームでの開幕戦にもテレビ問題が
・倉田真由美、波乱万丈の半生
今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
第730回(12/26〜1/7発売号より)
1位「中居正広 狡猾すぎる2つの顔に木村拓哉の怒り」
「『中居騒動』に全く触れないテレビ局『沈黙』の言い訳 ジャニー氏性加害問題で猛省したはずが…」(「女性セブン」2025年1月16・23日号)
2位「大谷翔平 東京ドーム出場拒否も! 日テレへの不信『ぼくの中ではまだ終わっていない』」(「女性セブン」2025年1月16・23日号)
3位「人間ドキュメント 倉田真由美『夫と結婚できたのは、宝くじに当たったようなものでした』」(「週刊女性」2025年1月21・28日合併号)
中居正広の性加害問題をなかったかのように扱うテレビ局
というわけで昨年末発覚した、中居正広の超弩級女性スキャンダル。しかし現在までの動きから浮かび上がってきたのは、またしてもマスコミの無責任、隠蔽、女性蔑視というトンデモ体質の数々だった。
この問題を最初に「女性セブン」が報じたのが昨年12月19日、ネットでは大きな話題となったが、オールドメディアの動きは鈍かった。しかし、翌週26日に「週刊文春」がこれを後追いするとスポーツ紙なども追随し、テレビ各局も中居関連番組の放送延期や収録中止を発表する。
ところがテレビ各局は、自社のニュースや情報番組でこれをスルー。まるで何もなかったかのように振る舞っている。特に中居に女性を“アテンド”したとされるフジテレビは、その関与を一切否定し、ほおかむりに始終したのだ。
中居といえば国民的アイドルの元リーダーであり、冠番組をいくつも持ち、名MCとして知られる超有名人。そんな影響力絶大な人物の性加害問題をなかったかのように扱うテレビ局――。
もちろん、それは自己保身に他ならない。自社番組で中居を重用しているから、スポンサー対策も必要だから、自分たちに火の粉が落ちてこないようにしたいから――。欺瞞の嵐だ。
まあ、テレビ局が性加害を助長するような接待(女性局員や女性芸能関係者をアテンドしての飲み会)が日常茶飯事だという指摘もあるから、これも隠蔽したいのだろうけど。
ジャニー喜多川氏の問題と同じテレビ局の過ちを指摘する「女性セブン」
そんな中、問題をスクープした「女性セブン」がその続報を放っている。
特に瞠目すべきは問題を報じないテレビ局の矛盾、そしてフジテレビの態度を批判するなど、マスコミの体質に切り込んでいることだ。特にジャニー喜多川氏の性加害問題発覚の際、テレビ各局が猛省したはずにもかかわらず、同じ過ちを繰り返すのではないかとして、こう指摘している。
「今の状況は中居さんに対するテレビ局の忖度」(同志社女子大学教授・メディア評論家・影山貴彦氏のコメント)
「(フジではないキー局が)『中居騒動』に踏み込む内容を現場が報じようとしたところ、上層部から待ったがかかったという話もある。騒動が加熱して中居さんが休業でもしようものならいま以上に大騒ぎになり、スポンサー離れが進む恐れがあります。だからテレビ局は騒動が風化するのをじっと待っているのでしょう」(芸能関係者のコメント)
おっしゃる通り。さらに“アテンド関与”疑惑のフジテレビにも容赦ない。フジは問題発覚直後に“不関与”と発表したが、このことはフジテレビが早い段階で問題を把握していたことに他ならないと指摘する。
「トラブルの発端となった飲み会に出席予定だったとされる社員らに聞き取りを行うなど、トラブルについて調査していたと思われます。そうでなければ、今回、『女性セブン』や『週刊文春』の報道に“社員は関与していない”とすぐに否定できないはず」(テレビ局関係者のコメント)
にもかかわらず問題を隠蔽し、中居を起用し続けたことを批判している。これまたおっしゃる通り! こうした批判を受け、今後テレビ局はどう対応するのか、しないのか。社会はそれをどう受け止めるのか。
ジャニー喜多川氏、松本人志、そして中居正広と続くマスコミに大きな影響力を持つ大物たちの性加害問題。このままテレビは沈黙を続けるのか、ジャニー氏の性加害問題と同じ轍を再び踏むのか。いま、再びマスコミの人権意識、報道機関としての責務が問われている。
大谷翔平、東京ドームでの開幕戦にもテレビ問題が
そして2位もテレビ問題だ。妻・真美子さんの妊娠が発表され、おめでたムードの大谷翔平周辺。さらに3月にはビッグイベントが! 18・19日のシカゴ・カブスとの開幕戦が日本の東京ドームで行われるし、その前にはドジャース、カブス両チームと巨人、阪神との壮行試合も予定されている。チケットも入手困難で超プレミア化、もちろんマスコミも大フィーバー間違いなし、である。
ところが、だ。そんな大フィーバーに水をさすような事態が起こりかねないという。その戦犯は「日本テレビ」。そう、フジテレビと並び、大谷のロス新居の周辺取材で大谷の逆鱗に触れたテレビ局だ。
でも何が問題かって? その日テレが開幕戦と壮行試合を完全生中継予定なのだ。よって、こんな危惧が関係者の間で広まっているらしい。
「『大谷選手は日テレをまだ許しておらず、公式戦ではない壮行試合は“出場拒否”するのではないか』という話が出ているのです」(テレビ局関係者のコメント)
もし本当に、この危惧が現実になってしまったら――日本中が日テレを許さない!?
倉田真由美、波乱万丈の半生
「週刊女性」のルポ「人間ドキュメント」に漫画家の倉田真由美が登場している。倉田といえば1年ほど前に夫で映画プロデューサーだった叶井俊太郎氏を膵臓がんで亡くしたばかり。
そんな倉田がこれまでの人生や夫・叶井氏との出会い、そして自宅で看取るまでの想いを赤裸々に語っている。さらに同じ膵臓がんを公表している森永卓郎との関係を含め、とても興味深い。今後の展望を朗らかに語る倉田の波乱万丈の半生。一読をお勧めしたいルポだった。