【サイゾーオンラインより】
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
本日18日、米大リーグ公式戦が日本で開催される。マスコミはもうこれ一色、大谷翔平さまさまで女性週刊誌ももちろん“日本開幕特集”を組んでいる。が、さらに注目されるのは本業の野球だけではなく、プライベートの第一子誕生だろう。今年も大フィーバー必至の大谷報道だが、それがどんな流れになっていくのか。特に女性週刊誌で第一子報道がどんなふうになるのか、興味津々だ。
目次
・今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
・皇室に関して正反対の特集を組む「女性自身」と「女性セブン」
・ダウンタウン・浜田雅功、休養の背景と松本人志復帰の現状
・藤原紀香を24年前に評したナンシー関のすごさ
今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
第738回(3/13〜3/18発売号より)
1位「愛子さま お相手探しに安堵『夫にも宮邸と護衛』(「女性セブン」3月27日・4月3日号)
同「雅子さま 『愛子も佳子も不幸に』女性皇族の結婚制度改悪への憂慮」(「女性自身」4月1日号)
2位「ダウンダウン浜田雅功 働きづめで限界休養 万博と松本人志で『いましかない!』」(「女性セブン」3月27日・4月3日合併号)
同「浜田雅功 『もう限界! 松本復帰チャンネルに暗雲の焦燥』(「女性自身」4月1日号)
3位「武田砂鉄のテレビ磁石 連載第287回 万博“名誉館長”に就任。藤原紀香がもたらす作用」(「女性自身」4月1日号)
※「週刊女性」は合併号休み
皇室に関して正反対の特集を組む「女性自身」と「女性セブン」
同じ事象なのに、解釈が正反対! 立場やスタンスによって物事への解釈は大きく変わる。
今回、「女性自身」と「女性セブン」が同じテーマで特集を組んでいる。ひとつは日本にとって重要問題のひとつである皇室の存続と皇位継承に関するもの。そして、もうひとつは日本の“お笑いの頂点”ダウンタウンに関するものだ。しかしその内容、切り口、解釈は真逆のものだった。
2月17日に開かれた皇族数確保に関する会議の議事録が今月6日に公開された。そこで注目されたのは、女性皇族が結婚後も皇室に残るという案だ。激減する皇族数を今後どうするかという重要課題だが、これに関しては与野党・各派閥ともにおおむね賛同している。
だが問題は、女性皇族が結婚した後の配偶者(夫)と子どもの身分や処遇だという。そして男系男子による皇位継承を重要視する自民党が主張するのは、“配偶者や子供を皇族にしない”ということだ。
このことに関連して「女性セブン」では、かなり好意的な解釈がなされている。
「女性皇族の夫や子供を皇族とはみなさないことが前提ながらも、御用地での同居や皇宮警察による警備、女性皇族の地方公務に同行する際の交通費の支給などを認めるというものです」(皇室記者のコメント)
さらにこう続く。
「議論は大きく前進したといっていいでしょう。特に、愛子さまは“生涯皇族”という覚悟をお持ちのようにも見えますし、ようやく制度が整ったと安堵されているのではないでしょうか。ご結婚のハードルが下がった」(皇室ジャーナリストのコメント)
要するに「セブン」の論調は“女性皇族の結婚が前進”して“愛子さまも安堵”しているというものだ。ところが「自身」を見ると事態は一転する。
「女性皇族の方々がご結婚相手を決めていく過程で、お相手の男性が身分差によって生じる問題を避ける可能性もあり、難航することも十分にある」
「結婚したとしても、身分差が家庭に影を落とすこともあるでしょう。現状のような国会での議論の停滞がさらに続けば、女性皇族の方々が結婚するタイミングを決めることができない状態も、さらに長引いてしまうのです」(宮内庁関係者のコメント)
“家庭内身分差”により、結婚さえ危ぶまれてしまう。そして当事者たちの心情も真反対だ。
「十分な取り組みがなされない現状に、天皇陛下と雅子さまは強い危機感を抱かれています」(宮内庁関係者のコメント)
この2誌の“意見対立”はタイトルを見ても一目瞭然だろう。“安堵”vs“不幸”。立場が変わると主張や内容は激変する。そんな「セブン」と「自身」の皇室記事だった。
ダウンタウン・浜田雅功、休養の背景と松本人志復帰の現状
そして、もうひとつがダウンタウン・浜田雅功の休養問題だ。3月10日、浜田が体調不良のため芸能活動を休養することが発表された。浜田の休養で誰しもが頭に浮かんだのは、相方・松本人志の存在だろう。性加害問題で芸能活動を休止したままの松本の穴を埋めるべく、奮闘奔走してきた浜田が、その心労と過労で体調不良に――。
今回この問題を報じている「女性自身」と「女性セブン」も、もちろん浜田に対しては以上のように同じトーンだ。しかし、松本の“復帰”に話が及ぶと、2誌の内容は大きく違っていく。
昨年12月に「週刊文春」(文藝春秋)への訴訟を取り下げた松本だが、その後のインタビューで、有料プラットフォームで活動を再開すべく動いていることを明かしている。そして注目すべきは、その計画を浜田にも相談済みであり、浜田とともに『ダウンタウンチャンネル(仮)』をスタートする計画だとしたことだろう。
これに関して「セブン」はかなり好意的だ。
「松本さんとの『ダウンタウンチャンネル(仮)』という独自のプラットフォームも着実に進行しているそうです。むしろ、松本さんが芸能活動を再開したときに、フル回転で働きたいからこそ、浜田さんは休養を取ることを受け入れた側面もある。2人そろって休めるのはこのタイミングしかなかったわけです」(芸能関係者のコメント)
なぜか松本の芸能界復帰が近く決定的のような前提で、しかも浜田の休養は“松本との復帰のため”という驚きの論理を展開する。まるで松本復帰待望論のようだ。
しかし一方の「自身」によると、そもそも『ダウンタウンチャンネル(仮)』は「セブン」がいうように「着実に進行」しているのとは真逆で、「暗雲が立ち込めている」らしい。
今年4月にスタートを目指していた『ダウンタウンチャンネル(仮)』だが、打ち合わせを行う一方、“ついていけない”と抜けたスタッフの存在も。さらに中居正広の性加害問題の余波も。
「中居正広さんの性加害報道に端を発したフジテレビ騒動には、松本さんが出演していた『まつもtoなかい』のプロデューサーが関係しているとも報じられています。
そのため、第三者委員会による調査が終わらない限り、チャンネルのスタートは難しいそうなのです。そうした背景もあり、現在でも撮影のめどは立っていないといいます」(演芸関係者のコメント)
立場やスタンスが違うと、報道内容もこれだけ違う。2つのテーマから垣間見える女性週刊誌同士の興味深い“差”だった。
藤原紀香を24年前に評したナンシー関のすごさ
「女性自身」の人気連載「武田砂鉄のテレビ磁石」。毎回注目しているが今回、すごい“思い出の発掘”があって驚いた。
今回の連載で取り上げられたのが、大阪・関西万博で日本館の名誉館長に就任した藤原紀香だが、武田自身の考察と同時に、現在でも名コラムニストとして名高い故・ナンシー関に関しての記述がすごい。
「日本館の名誉館長に就任したのが藤原紀香。その一報を聞いたとき、もちろん思い出したのは、ナンシー関が2001年に藤原について記していた『日本の日常では手に負えんのかも』という一文である。彼女にはスケール感があり、でも、それが具体的に何を指しているのかわからない、受け止めるほうもわかっていない、でも、なんだか浮いている、はみ出している、そう指摘していた」
これを思い出した武田もすごいが、24年も前に藤原をこんな風に評していたナンシーのすごさを改めて思い知らされた。
そんな藤原が出演している『家政婦クロミは腐った家族を許さない』(テレビ東京系)が面白い。藤原の演技も面白い。そして決意した。6月からスタートする明治座の藤原主演舞台『サザエさん』 を観劇しよう! と。