【サイゾーオンラインより】
「突然ですが今スペインにいます」
コスプレーヤーのえなこが3月8日、自身のインスタグラムにてスペインにいることを報告。
スペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリアでの記念ショットなどを公開し、ファンからは「スペインでも、えなこりんのかわいさは絵になるね」といったコメントが寄せられている。
えなこといえば、同月4日には2024年度の「トップカバーアワード」大賞を受賞。
自身が飾った表紙の一覧とともに「念願だった1位になれました!」と報告している。
「『トップカバーアワード』は、24年1月から12月までに発売された雑誌のうち、最も多く表紙を飾った人物を表彰するもので、富士山マガジンサービスが運営するオンライン書店『Fujisan.co.jp』のデータをもとに選出されます。えなこは昨年のコミック部門受賞に続き、今回は総合1位に輝きました。毎年恒例となっている『えなこ夏の表紙ジャックキャンペーン』では4年連続で19誌の表紙を飾っており、見事に“表紙クイーン”の座を獲得した格好です。総合ランキングトップ10の顔ぶれを見ると、えなこと同じ事務所の東雲うみも4位に食い込んでいますが、他ではSnow Manの渡辺翔太、Aぇ! groupの末澤誠也、SixTONESの京本大我、なにわ男子の大橋和也らSTARTO ENTERTAINMENT勢が占めていますから余計にえなこの活躍が目立ちます」(グラビア誌編集者)
だが、こうした華やかな受賞の裏側ではエンタメ誌やグラビア誌を取り巻く環境は深刻な状況に陥っている。
先日、01年から発行されているアイドル誌「月刊エンタメ」(徳間書店)が休刊を発表したように、グラビアアイドルやアイドルグループを特集する雑誌は軒並み売り上げ不振が続いており、グラビア誌はかつてないほどの苦境に直面しています。
「現在のグラビア誌やエンタメ誌では誰が表紙を飾るかだけでなく、その内容も売り上げを大きく左右します。以前は、表紙や中グラビアに登場するアイドルの知名度さえあればある程度の部数が見込めましたが、今はそうではない。有名女優や坂道シリーズの人気アイドルであっても洋服を着た露出の少ない表紙では実売増には繋がらず、結局のところ男性読者をターゲットにしているグラビア誌では水着表紙のほうが訴求力が強い。一時期は『次世代のグラビアスター』として菊地姫奈が台頭していましたが、そうしたライバルを跳ね返し、現在もえなこが圧倒的な1強状態を維持している状況。各誌が力を入れるゴールデンウィークやお盆休み、年末年始の発売号では、えなこのスケジュールの取り合いになるかもしれません」(前出のグラビア誌編集者)
加えてここに来ての紙代や印刷代の高騰も厳しい逆風となっているようだ。
中堅出版社の幹部は明かす。
「部数減に加え、紙代や印刷代のコスト高によって定価をアップせざるを得なくなり、えなこが表紙を飾る号ですら昨年よりも売り上げが落ちているのが実情です。かつてエンタメ誌やグラビア誌は新人や若手タレントを売り出す場でもありましたが、今ではSNSやYouTubeなどの個人メディアの方が影響力を持っていると言ってもいい状況。雑誌のグラビアに出ることで知名度を上げるという従来の流れが変わりつつあり、ますます若手の発掘が難しくなっています」
もっとも、雑誌離れや紙代、印刷代の高騰はエンタメ誌やグラビア誌だけでなく、雑誌業界全体に押し迫った問題でもあるわけだが、そうした事情に詳しい芸能ジャーリストの平田昇二氏はこう語る。
「確かに雑誌全体を見渡しても、いまだに表紙による大きな部数増が見込めるのは女性誌の『an・an』(マガジンハウス)くらいのものでしょう。とはいえ、芸能人でいえばSTARTO ENTERTAINMENT勢や乃木坂46をはじめとする坂道シリーズ勢、美容系タレントとしても存在感を放っている田中みな実さん、Number_iなんかはコラボした商品の売上が伸びる“モノが動く芸能人”として広告業界や流通業界では重宝されており、雑誌に関しても表紙に起用したり、特集を組んだりすればそれなりの売上効果は見込めそうです。もちろん、メジャーリーガーの大谷翔平選手ほどには期待できないでしょうけど。雑誌離れが進む中、週刊誌に関しては自社媒体のサイトなどでの記事の再利用、ポータルサイトへの記事配信、写真配信に力を入れている印象です。他方、女性誌だったらコスメや日用品、実話誌だったらセクシーな動画のDVDなど、近年はますます付録に力を入れていますね」
今年はエンタメ誌やグラビア誌にとってさらに厳しい年になることが予想されており、生き残るためには従来の表紙クイーンだけに頼るだけではない新たな仕掛けが求められることになるだろう。
(取材・文=サイゾーオンライン編集部)