【サイゾーオンラインより】
フジテレビの深夜番組『オールナイトフジコ』が3月21日に最終回を迎えた。
同番組といえば、元タレントの中居正広氏と女性との深刻なトラブルに端を発した一連の騒動を受けて辞任した、同局の港浩一前社長の肝いりでスタートしたことで知られていた。
その一方、同じく港前社長の肝いりで23年1月9日にスタートした平日昼のバラエティー番組『ぽかぽか』に関しては今年4月以降も放送されることとなった。
「『ぽかぽか』は、低視聴率などが原因でわずか9カ月で終了した前身番組『ポップUP!』の後を受け、異例の1月スタートとなりました。そのため、MCの選定や曜日レギュラーの確保が困難を極め、放送開始当初は曜日ごとの企画も行き当たりばったりで企画がコロコロ変わっていた印象です。肝心の視聴率の方も放送当初から平均世帯視聴率は1%台半ばから後半と低迷。しかし、ここに来てようやく視聴者に認識されはじめたのか2%台に“底上げ”されています」(フジのバラエティー班関係者)
とはいえ、まだまだ物足りない数字であることに変わりはないが、番組を続けざるを得ない事情もあるようだ。
周知の通りフジといえば、一連の騒動を受けて今年1月17日に港前社長が記者クラブ加盟社の記者のみが出席できる会見を行って世間から激しい非難を浴びた。
その後、同月27日に港前社長らフジと親会社のフジ・メディア・ホールディングスの新旧5人の役員が約10時間半にわたるオープンな“マラソン会見”を行ったが、局を取り巻く状況が改善されることはなく、300社以上のスポンサー企業がCMの差し替えを行うなど窮地に追い込まれている。
芸能ジャーナリストの竹下光氏は語る。
「『ぽかぽか』の代わりとなる平日昼の帯番組を新たに一から立ち上げるとなれば、番組制作費をはじめ相当なコストがかかるでしょうし、スポンサー離れが著しい今のフジにとってはかなり難儀でしょう。フジは放送打ち切りとなった『だれかtoなかい』の放送枠を新番組ではなく、『Mr.サンデー』の放送時間を延長することで埋めていますが、あれも新番組を立ち上げるよりも既存の番組の放送時間を延ばす方がコスト面の負担が軽減できるというのも理由のひとつでしょうし。
例えば、外部スタッフの人件費などに関しては拘束時間ではなく番組の本数や放送回数が報酬のベースになっているケースが多く、そうした観点からも新番組を立ち上げるよりも既存の番組の放送時間を延長する方が出費を減らせますし、新番組をスタートするとなれば人件費以外にも諸々お金がかかりますからね。そもそも、騒動が沈静化するまではフジの番組への所属タレントの出演を控えたいと思っている芸能事務所もあるようですからキャスティングの面でも苦労しそうですよね」
たとえ視聴率が良くなくても『ぽかぽか』は続けざるを得ないというのが実状のようだ。
そうした中、番組開始当初から放送され続けているあるコーナーの存在が、インターネットやSNS上でクローズアップされているという。
「番組MCのお笑いコンビ・ハライチの岩井勇気と澤部佑、元NHKでフリーの神田愛花アナウンサーが、日替わりでひとりもしくは複数のゲストとトークを繰り広げる『ぽいぽいトーク』のコーナーです。生放送で長尺のトークが繰り広げられるということで、興味深い発言や時には不適切なコメントが発せられることもあってweb媒体のニュース記事などで取り上げられたり、曜日担当アナが謝罪したりもしています。番組放送開始時からずっと、よくゲストをブッキングできるものだと感心していたのですが、ここに来てゲストの顔ぶれが明らかに以前よりも弱くなっており、フジを取り巻く一連の騒動の影響が懸念されています」(スポーツ紙の放送担当記者)
元々、同番組に関しては自身の出演するドラマや映画、舞台などの宣伝も兼ねてゲスト出演する芸能人が多かったのだが……。
「2月5日放送回は花粉症治療などの特集でその分野の専門医2人、同月10日の放送回はたまご会社の社長とたまご研究の専門家、同月20日の放送回は防災・防犯の専門家2人がゲストでした。過去にも何度か専門家がゲストの放送回もありましたが、あからさまにその頻度が増えており、芸能人のゲストのブッキングに苦労している気配が顕著です。3月14日の放送回に至ってはなぜかゲストの1人が同局の西山喜久恵アナでした。騒動以降、フジと距離を置く大手芸能事務所もあるでしょうし、番組サイドもゲスト出演の交渉にかなり苦労しているのでしょう(同スポーツ紙の放送担当記者)
何とか4月以降も延命がかなった同番組だが、人気コーナーのリニューアルもそう遠くないかもしれない。
(取材・文=サイゾーオンライン編集部)