【サイゾーオンラインより】
STARTO ENTERTAINMENTに所属していた元ジュニアで、現在はスタートアップ企業「横浜バニラ」の代表を務めている高橋優斗。プロ野球チーム・横浜DeNAベイスターズの大ファンを公言している彼が、4月9日に横浜スタジアムで行われた巨人戦のセレモニアルピッチに登場した。試合後はグラウンドで高橋のトークショーが行われる予定だったが、多くの来場者が詰めかけた結果、中止に。SNSには現場の混乱ぶりが伝わる写真や動画もアップされている。
目次
・元HiHi Jets・高橋優斗、起業家に転身も「芸能界引退」否定
・高橋優斗、DeNA試合後のトークショーがファン殺到で中止に
・「球団が及び腰になることは考えにくい」とファンが話すワケ
元HiHi Jets・高橋優斗、事務所退所後は起業家に転身も「芸能界引退」否定
ジュニア内ユニット・HiHi Jetsに所属していた高橋は、昨年10月1日午前0時をもって事務所を退所。彼はジュニア時代から“ベイスターズファン代表”として野球番組にたびたび出演しており、事務所を辞めた後に開設したX(旧Twitter)アカウントでもベイスターズの試合を実況ポストするなど、“ハマ愛”を爆発させていた。
「そして、同25日午後8時からYouTubeの『横浜DeNAベイスターズ公式チャンネル』で行われた生配信『【SMBC日本シリーズ2024 開幕前夜】緊急YouTube生配信!!~届け 我らの声~』にて、退所後初めてメディアに“顔出し”しました。高橋いわく、ベイスターズの三浦大輔監督から直接オファーを受け、生配信のMCを任されたそうです」(芸能ライター・阿部ベア氏)
その後、高橋は11月15日に自身のYouTubeチャンネルで生配信を実施し、スタートアップ企業「YX factory株式会社」の設立を発表(今年1月27日付で『横浜バニラ株式会社』に社名を変更)。横浜市出身の彼は生まれ故郷をさらに盛り上げるべく、“横浜新定番”を目指すスイーツ土産「横浜バニラ」を作ると、目標を掲げた。
そして、今年2月22~3月4日にかけて、横浜高島屋の地下1階 Foodies’ Port2 ベーカリースクエアPOPUPにポップアップストアをオープンし、「横浜バニラブランド」の第1弾商品「塩バニラフィナンシェ」の販売がスタート。同商品は「12時間で販売されたフィナンシェの最多個数 世界No.1」としてギネス世界記録に認定されるなど、大ヒットしている。
なお、起業家へと華麗なる転身を遂げた高橋は、STARTO退所後もスポーツ関連のテレビ番組に出演。昨年12月2日には自身のXで「芸能界引退」(原文ママ、以下同)ではないと否定し、「YX factoryの経営や横浜バニラの事業に支障がない範囲で今後も芸能の活動もしていきたいなって思ってます。(こんな僕にオファーいただければの話ですが)」と、つづった。
高橋優斗、DeNA試合後のトークショーがファン殺到で「開催は危険」と中止
そしてこのたび、ベイスターズのホームゲームで、セレモニアルピッチを担当。22年から4年連続での登板となり、試合後にはトークショーを行う予定だった。球団公式サイトは3月7日に「4/9(水)巨人戦に髙橋優斗さんの来場が決定!」と告知し、試合後のトークショーが20~30分程度になること、参加資格は「当日の観戦チケットをお持ちの方」などとアナウンス。
集合場所も記した上で、「試合終了後、横浜スタジアムから一度ご退場の上、集合場所へお越しください」「試合が終了する前にDREAM GATE前へお並びいただくことは厳禁とさせていただきます」などと注意点を記載しつつ、「ベイチケから4月9日(水)のチケットをご購入いただいた方限定で、『塩バニラフィナンシェ』引換券を抽選で500箱販売いたします」ともPRしていた。
ところが、当日は大勢のファンが殺到したことで、トークショーは中止に。同日夜、SNS上では現地の様子を収めた動画や写真が拡散され、柵を押しのけてまで場所を移動しようとするファンの姿が映っていたほか、スタッフが数人がかりで必死に制止し、『押さないでください!』『押すな―!』といった怒号が飛び交っている場面もあった。
「動画を見て事態を把握したネットユーザーが『スタッフがかわいそう』と同情するほどで、高橋は事務所を退所しているにもかかわらず、『ジャニオタ(旧ジャニーズのファン)の民度、終わってる』『球場スタッフ・警備員を無視して強行突破で中に入ろうとする……。ベイスターズファン・野球ファンだけで席は埋まるから、こういうファンは球場に来てもらわなくていい』とマナーを守らないファンを責める声が噴出しました」(前出・同)
一方で、「もう会えないと思っていた“推し”に会えるチャンスがあるなら、ファンが押しかけるのは自然な流れ。事前の準備と当日の警備が重要だと思う」など球団側の対応に疑問を呈する意見も寄せられ、混沌とした状況になっていた。
9日午後10時台、「横浜DeNAベイスターズ」の公式Xはトークショーについて、「警察の指導により開催は危険と判断し、中止を決定いたしました。楽しみにされていた皆さま、大変申し訳ございませんでした」と謝罪。高橋によるコメント動画も併せてアップした。
さらに、高橋も個人のXで「本日は、想像を遥かに超える多くの方が私のトークショーに足を運ぼうとしてくださり、心から感謝しております。本当にありがとうございます。正直なところ、これほどの反響をいただけるとは思っておらず、驚きと同時に、とても嬉しく感じておりました」と感謝を述べつつ、「安全面の観点から運営サイドとも協議のうえ、やむを得ず中止という判断に至りました。楽しみにしてくださっていたすべての皆さま、本当に申し訳ありません」と謝罪。
ファンの気持ちを察してか、今後について「スタートアップ起業家として大成功するという軸を守りながら、皆さまと再びお会いできる場を、必ず実現します。『もう会えないんじゃないか』と思わないでください。会いたいと思っていただけるかどうか、少し不安もありますが、それでも勇気を出して、動いていきます」などと、決意を記していた。
高橋優斗とDeNAの「相性はいい」――「球団が及び腰になることは考えづらい」とファンが話すワケ
高橋の存在や今回の事態についてどう捉えているのか、ベイスターズファンのフリーライター・西澤千央氏に話を聞いた。
「昨年、日本シリーズを制したベイスターズですが、NPB球団の中で最もリーグ優勝から遠ざかっていて(1998年のリーグ優勝以来なし)、2012年のシーズンから親会社がDeNAに代わってからも、4年間最下位・5位と低迷しましたが、その後徐々に成績も観客動員も上がり、現在ではベイスターズファンであることを公言している芸能人も増えた印象です。高橋さんは野球経験者であり、さらに地元横浜出身、小学生のときに石川雄洋選手の定規を愛用していたというエピソードも非常に“ガチ感”が高く、ファンも『芸能界におけるベイスターズファン代表になってもらいたい』という期待を持っていた人が多かったのでは」
高橋は芸能活動にも前向きな姿勢を示しているものの、事務所には属しておらず、あくまで肩書は経営者だ。西澤氏は「ファンとしては芸能界と距離を置いた高橋に会える千載一遇のチャンスだけあって、今回のトークショーにかける意気込みはハンパなかったはず。普通に試合を見にきたベイスターズファンと明確な温度差が生まれており、その熱量の差を運営サイドが見誤ったというのが、今回の一番の要因なのでは」とも指摘する。
なお、トークショーは従来、グラウンドを開放して行われ、整理券の配布などは特に行われない様子。「あったほうがいいとは思いますが、あったらあったでそれを転売したり、あこぎなことをやる輩も出てくるでしょう」(同)と懸念の声も聞こえてきた。
SNS上の一部ベイスターズファンからは「アイドル目当てで、野球が好きでもない人が来るような企画はいらない」と辛らつな声も噴出している今回の騒動だが、今後の展開について西澤氏は以下のように予想する。
「『永久ベンチャー』を掲げるDeNAと、新しい事業を今後展開していこうとしている高橋さんとの相性はとてもいいと思います。今回の一件は、ファンの熱量を見誤ったことに端を発してはいますが、言い換えればそれくらいのバリューを高橋さんご自身が持っているということ。そのため、常に新しい企画やビジネスチャンスに貪欲なDeNAが今回のことで高橋さんに対して及び腰になるというのは考えにくいでしょう。逆に高橋さんのほうが、好きな球団や良識あるファンに迷惑をかけることを嫌うのでは」
イベント出演で思わぬ波紋を呼んだ高橋だが、果たして今後ベイスターズから仕事の声はかかるだろうか。