【サイゾーオンラインより】
最新の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、5月30日~6月1日)で、トム・クルーズ主演の『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(5月23日公開)がV2を達成した。
目次
・『呪術廻戦 懐玉・玉折』、総集編で4位初登場の好スタート!
・『か「」く「」し「」ご「」と「』、6位発進も「健闘」のワケ
・全国映画動員ランキングトップ10(5月30日~6月1日、興行通信社調べ)
『呪術廻戦 懐玉・玉折』、総集編で4位初登場の好スタート!
6月2日発表の全国週末興行成績ランキングで首位をキープした『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は、1996年の第1作から続く人気のスパイアクション映画『ミッション:インポッシブル』シリーズの第8作目。先行上映を含めば3週目となったこの週末3日間も、観客動員43万2000人、興行収入6億5200万円をあげ、累計成績は動員177万人、興収27億円を超えた。
2位のアニメーション作品『名探偵コナン 隻眼の残像』(4月18日公開)、3位の実写ファンタジー『マインクラフト/ザ・ムービー』(4月25日公開)も、前週の順位をキープ。なお、『名探偵コナン 隻眼の残像』は累計興収133億円を突破し、国内で上映された歴代映画の興収ランキングでは『ジュラシック・パーク』(93年公開/最終興収128.5億円)を抜いて28位に上昇した。
一方、今回の全国週末興行成績ランキングでトップ10入りを果たした初登場作は、4位の『劇場版総集編「呪術廻戦 懐玉・玉折」』と6位の『か「」く「」し「」ご「」と「』(いずれも5月30日公開)。
『劇場版総集編「呪術廻戦 懐玉・玉折」』は、漫画家・芥見下々氏が「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載していた人気作『呪術廻戦』(集英社)のテレビアニメ第2期のエピソード「懐玉・玉折」を劇場版として編集・公開したもので、完全新作ではないにもかかわらず、初日から3日間で動員13万8000人、興収1億9800万円をあげて4位をマークした。
この成績について、映画ライターのヒナタカ氏は以下のように分析する。
「新作ではない総集編でも好スタートを記録したアニメの劇場版には、24年に前後編で公開された『ぼっち・ざ・ろっく!』が挙げられます。特に前編『Re:』は132館と中規模での公開ながら3日間で2.1億円を突破、動員ランキングで初登場1位となったことも話題になりましたし、社会現象級アニメの強さを感じます。今回の『呪術廻戦』は女性ファンが多い作品ですし、今回は人気キャラクター・五条悟と夏油傑の“戻れない青春”を描く人気エピソードで、『映画 ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』や『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズにも通ずる、映画館での“体験”を期待するファンにも訴求しているのでしょう」
なお、21年公開の『劇場版 呪術廻戦 0』は最終興収138億円を記録して歴代映画興収ランキングでも21位という好成績を残した。現在制作中のテレビアニメ第3期「死滅回游(しめつかいゆう)」(放送時期未定)を心待ちにするファンも多く、今回の総集編の上映も喜ばれているようだ。
「同じく『ジャンプ発』のアニメでは、7月18日の『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章』の公開に向けて現在総集編が週替わりで上映されています。一方で『呪術廻戦』は『新作はまだまだ先』というタイミングでの総集編上映のため、もどかしく思う人もいるかもしれませんが、個人的には新作を待ち望んでいる『呪術廻戦』のファンの“飢餓感”を和らげるための“処方箋”となっている点に好感が持てます」
奥平大兼&出口夏希のダブル主演『か「」く「」し「」ご「」と「』、6位発進も「健闘」のワケ
続いて、奥平大兼と出口夏希がダブル主演を務める『か「」く「」し「」ご「」と「』は、小説家・住野よる氏の同題作品(新潮社)を実写化。“少しだけ人の気持ちが見えてしまう”という能力を持つ高校生たちが織りなすラブストーリーで、大塚京役の奥平、三木直子役の出口のほか、佐野晶哉(Aぇ! group)、菊池日菜子、早瀬憩らが出演。鑑賞済みのネットユーザーからは「青春の切なさ、若者の微妙な心情がうまく表現されていた」「特殊能力があってもままならない感じがリアル」などと評価する声が上がっている。
「住野氏の作品では、『君の膵臓をたべたい』(双葉社、以下『キミスイ』)も17年に浜辺美波と北村匠海(DISH//)のダブル主演で実写化されました。同作は、主人公と難病を患うヒロインの交流を描いた青春映画で全国322スクリーンにて上映され、全国週末興行成績ランキングでは3位発進。最終興行収入は35.2億円の大ヒット作となっただけに、全国334スクリーンで封切られ6位となった『か「」く「」し「」ご「」と「』は物足りない初動成績に思われるかもしれません」(前出・同)
ただ、今作は『キミスイ』と同じ青春ドラマでも、「幅広い層に訴求しやすい“余命宣告もの”ではなく、ほんの少しだけファンタジー要素のある作品で、青春映画が大ヒットか、そうでないかの二極化になりやすい昨今では、それなりに健闘していると思います」(同)とのこと。
「若手キャストそれぞれが“この世に本当に存在するとしか思えない”ほどに魅力たっぷりなキャラクターを好演していますし、みずみずしい映像表現はぜひ劇場で鑑賞してほしいところ。物語も『気持ちをなかなか言葉にできない』もどかしさが中心にあり、恋愛映画としてのキュンキュンも『コミュニケーションに悩む若者に届いてほしい』と思えるものに仕上がっています。公式SNSにアップされているショート動画での宣伝も積極的なようですし、大ヒットした23年公開の『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』や、今年公開の『366日』までとはいかずとも、SNS上を中心にバズって客足が伸びることを期待したいですね」(同)
そのほか、現在トップ10圏外ではあるが、 国内初のインタラクティブ映画としても話題のアニメ作品『映画 ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』(2月21日公開)は小規模上映ながらも公開100日を超え、累計興収も17億円を突破した。
直近で上映開始予定の作品では、吉沢亮主演の実写映画『国宝』やディズニーの実写映画『リロ&スティッチ』(いずれも6月6日公開)に期待が寄せられている。
全国映画動員ランキングトップ10(5月30日~6月1日、興行通信社調べ)
1位:『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』
2位:『名探偵コナン 隻眼の残像』
3位:『マインクラフト/ザ・ムービー』
4位:『劇場版総集編「呪術廻戦 懐玉・玉折」』(初)
5位:『岸辺露伴は動かない 懺悔室』
6位:『か「」く「」し「」ご「」と「』(初)
7位:『かくかくしかじか』
8位:『ドラゴン・ハート―霊界探訪記―』
9位:『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX』
10位:『父と僕の終わらない歌』