【サイゾーオンラインより】
藤島ジュリー景子氏が一連の旧ジャニーズ事務所(現「SMILE-UP.」)問題などを振り返るインタビュー本『ラストインタビュー─藤島ジュリー景子との47時間─』(新潮社、以下『ラストインタビュー』)が、7月18日に発売された。本の中ではSMAPの解散騒動、King&Prince(以下、キンプリ)メンバーの脱退、滝沢秀明氏の退社といったさまざまな出来事を語っており、早くもファンの間で話題になっている。
ジュリー氏、キンプリ脱退の3人がTOBE移籍で「そういうことだったんだ」
旧ジャニーズは事務所創業者・ジャニー喜多川氏(2019年7月に死去)の性加害問題を契機に、23年10月17日付で「SMILE-UP.」に社名を変更。旧ジャニーズの代表取締役社長を務めていたジュリー氏は、事務所が解体的出直しを図ったタイミングで、被害者との対話や補償業務に専念する形となった。
「その後、タレントのマネジメントを引き継ぐ新会社・STARTO ENTERTAINMENT(以下、STARTO)が誕生。STARTOが本格始動した24年4月、SMILE-UP.は同社の代表取締役社長・東山紀之(23年末に芸能界を引退)と、代表取締役・ジュリー氏について『STARTO社への経営には一切関与することなく、STARTO社の活動からの収益分配を受けることもありません』(原文ママ、以下同)と、公式文を発表したんです」(芸能ライター・阿部ベア)
こうして、現在は被害者の補償やケアに取り組んでいるというジュリー氏。今回発売した『ラストインタビュー』は、小説家・早見和真氏が計47時間にわたって行ったインタビュー内容をまとめた一冊になっている。自身の半生を明かしつつ、母であるメリー喜多川氏(21年死去)との確執、自身が深く関わってきた嵐や、性加害問題などに言及しているという。
「7月18日に紙版だけでなく電子書籍としても販売開始となり、旧ジャニーズ時代からのファンはさっそく同著を読み進めたようです。そのうち、読者の関心を集めているのは、平野紫耀・岸優太・神宮寺勇太(現Number_i)が23年5月22日付でキンプリを脱退した一件や、滝沢氏の退社にまつわるエピソードです。滝沢氏は、22年9月26日付で関連会社・ジャニーズアイランドの社長を退き、10月31日をもってジャニーズ事務所の副社長を退任。11月1日にスポーツ各紙が同氏の“電撃退社”を報じると、業界内外に激震が走りました。そして、その直後の同 4日夜、キンプリメンバー・平野、岸、神宮寺がグループを脱退し、それぞれ事務所を退所すると発表。キンプリは永瀬廉と高橋海人による2人体制で継続する形になりました」(前出・同)
なお、滝沢氏は23年3月21日に自身のTwitter(現X)アカウントの音声サービス「スペース」機能を通じて、“もう一度エンターテインメントの人生”を歩む決意をしたと表明。新会社・TOBEの設立を宣言した。平野と神宮寺が同年5月22日付で事務所を退所すると、7月7日には三宅健(元V6)に続いてTOBEへの合流を発表。岸は9月30日に事務所を離れ、10月15日にTOBE入りを公表して3人のユニット「Number_i」の結成が判明した。
ジュリー氏は『ラストインタビュー』の中で、キンプリはそもそもジャニー氏が担当していたグループだったため、自分にとっては「遠い存在の人たち」だったと回顧。しかし、ジャニー氏が19年7月に亡くなった後、ジュリー氏はメンバーと向き合うようになったという。
当人たちから「グローバルに仕事をしたい」との申し出を受け、嵐の活動を踏まえて海外進出についてアドバイスをしていたそう。その流れから、「でも、とくに平野くんはジャニーにかわいがられていた人だったので」と、平野の名前を挙げながら当時の状況を説明し、結果的に3人は退所に至っただけに、自身の思いが彼らに伝わらなかったと感じているそうだ。
「さらに、滝沢氏の退社に関しては『滝沢くんからはいきなり内容証明が届いたんです』と暴露。TOBE立ち上げ後、平野らが移籍した点について早見氏に問われた際は『すべてを知ったときに「ああ、そういうことだったんだ」とは思いましたけど。その時点ではまったく』と答えています」(前出・同)
ジュリー氏、事務所残留のSnow Manには「本当に感謝」
そんなジュリー氏にとっては、Snow Manが事務所に残ったことが意外だったようだ。滝沢氏はSnow Manの名付け親であり、12年の同氏主演舞台『滝沢歌舞伎』でグループ名が発表されたという経緯がある。Snow Manの“育ての親”とも言える存在だったため、滝沢氏が退社した後はさまざまなメディアがSnow Manの退所のウワサを報じていた。
「Snow Manとは話す機会がなかったというジュリー氏は、滝沢が彼らを新事務所に誘っていると思っていたため、『残ってくれたことは本当に感謝していますし、うれしかったです』と、率直な思いを述べています。また、『(Snow Manの間でTOBEに行くべきかという議論は)あったんじゃないかと思います』と、自身の推測を交えて話していました。しかし、当人たちは24年7月5日に放送されたバラエティ『「二宮孝太郎」×「それSnow Manにやらせて下さい」合体SP』(TBS系)内で、滝沢氏から新会社への誘いは受けていない旨を明かしています」(前出・同)
Snow Manメンバー(別仕事のためラウールは不在)は、嵐・二宮和也と居酒屋で本音トークを繰り広げる企画の中で、滝沢氏が事務所を去った当時について激白。渡辺翔太は「みんな(にとって滝沢氏が)恩師であることには変わりはないから。パってこう辞められた時に、必然的に最初はたぶんみんな『あ、滝沢くんが行くんだったら俺らも行くのかな』っていうなんか、勝手な流れ(を想定していた)というか……」とぶっちゃけた。
一方で、「滝沢くんにたくさんお世話になった。(中略)でも、“この会社に育ててもらった”という部分も、俺たちはもう絶対あるわけじゃん」(目黒蓮)「やっぱり、この事務所が好きなんですよね。この事務所でもっとデカいことがしたいなっていう気持ちが一番あって」(佐久間大介)と、事務所に残った理由を説明。
また、深澤辰哉は「一番(滝沢氏に)かわいがってもらっていた後輩」とした上で、「正直、めちゃめちゃいろいろ考えました。別に声がかかっているわけでもないけど」と、滝沢氏からの“引き抜き”はなかったと暗に否定していた。
「臆測で語っていい内容じゃない」「自己保身」と読者から厳しい意見も
こうした内容を受けて、本を読んだ一部Xユーザーからは「ジュリー氏の本の内容 無茶苦茶すぎないか?」「そういう事実はないと、Snow Manメンバー自身がテレビで話していたし、臆測で語っていい内容じゃない」との指摘が噴出。
加えて、「キンプリとNumber_iの両方を推している自分からしたら、分裂した事実は変わらないし、勝手にべらべらしゃべるジュリーさんは信用ならない」「あの後、どれだけキンプリメンバーの5人が誹謗中傷されたか。ファン同士も叩き合って、どれだけ苦しかったか……。当時を思い出して泣きそう」「自己弁護のために元所属タレントの内部情報を一方的に暴露するような社長は怖すぎる。事務所を離れてよかったと思った」と、否定的な反応もチラホラ上がっている。
なお、『ラストインタビュー』にはHey!Say!JUMP・山田涼介に関するエピソードも出てくるが、「ジュリーさんが嘘を言ってるとは思わないけど、こういう話を暴露されたら山田くんは困惑するのでは?」「せめて本に出てくるタレントには出版の許可を取っていると信じたい」「本人がファンに言ってないことを勝手にしゃべるのはどうなの?」と、疑問の声も見受けられた。中には、「自己保身のため」の出版だという手厳しい意見もある。
対照的に、「ジュリーさんの本を読んで、絡まっていた糸が解けたような気持ちになった。この段階で本を出すのは勇気が必要だったと思うけど、事務所に残ってくれたタレントたちを誤解や批判から守ってあげたい気持ちが伝わってきた」「ジュリーさんの告白本は自分のためというより、タレントたちの名誉を守るためでもあるんだろうな」「ジュリーさんの本を読んで、嵐を大事に育ててくれてありがとうの気持ちでいっぱい」と、好意的に捉えたファンも少なくないようだ。
果たして、ジュリー氏のインタビュー本で名前が挙がっていたタレントや関係者は、この本の内容をどう受け止めるのだろうか?