【サイゾーオンラインより】
アニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(以下、『無限城編』)が、公開から1カ月で累計興行収入250億円を突破したことが明らかに。異次元の大ヒットを記録する中、出演声優同士の関係性もシリーズファンの注目を集めているようだ。
『「鬼滅の刃」無限城編』、公開1カ月で累計興収250億円超え!
『鬼滅の刃』は、鬼になった妹・禰豆子を“人間へ戻す”べく、主人公・竈門炭治郎が鬼と戦う組織「鬼殺隊」に入隊し、成長していく様を描いたダークファンタジー。漫画家・吾峠呼世晴氏が2016年2月から20年5月にかけて「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載した人気作で、19年3月に同4月スタートのテレビアニメ『「鬼滅の刃」竈門炭治郎 立志編』(TOKYO MXほか)の第1話から第5話までで構成された特別上映版『「鬼滅の刃」兄妹の絆』が劇場先行上映された。
そして、20年10月に続編として『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が公開され、最終興収404.3億円(興行通信社、以下同)という前人未到の記録を達成し、国内歴代興収第1位に台頭。全世界興収も517億円を超えるなど、一大ブームを巻き起こした。
今回の『無限城編』は、その後制作された『遊郭編』(フジテレビ系、21年12月~22年2月)、『刀鍛冶の里編』(同、23年4~6月)、『柱稽古編』(24年5~6月)に続く劇場版3部作の序章で、宿敵・鬼舞辻無惨(声:関俊彦)の根城である「無限城」を舞台に、炭治郎(声:花江夏樹)たちが最後の戦いに挑む――というストーリーが展開する。
「7月18日の公開から4日間で累計動員516万人、興収は73億円超えと、日本映画史上最高のオープニングを飾った同作はその後も順調に客足を伸ばし、8月11日までに累計興収は220億円を突破。国内の歴代映画ランキングでは、5位の『君の名は。』(16年/最終251.7億円)に次いで6位にランクインしています。そして18日、『鬼滅の刃』公式Xは、『公開31日間で観客動員1827万2941人(興行収入257億8265万6600円)と大変多くの方にご鑑賞頂き心より御礼申し上げます』(原文ママ、以下同)とポスト。このままのペースを保つことができれば、『無限列車編』の404.3億円超えは十分射程圏内でしょう」(声優ライター・勅使河原みなみ)
『「鬼滅の刃」無限城編』、善逸役・下野紘&桑島役・千葉繁の関係性が注目集める
なお、映画のヒットを記念し、これまでに公開御礼舞台挨拶「壱」「弐」が行われ、8月31日には「参」が予定されている。そんな中、15日には新たに鎹鴉(かすがいがらす)役キャストが登壇する「鴉」の開催が発表された。作品にまつわる裏話が出演陣から語られるであろう貴重な機会だけに、シリーズファンならば見逃せないイベントだろう。
ちなみに、8月3日の公開御礼舞台挨拶「壱」(TOHOシネマズ日比谷)には、今作で十二鬼月の新上弦の陸・獪岳(声:細谷佳正)と死闘を繰り広げる我妻善逸役の下野紘、善逸の師匠である桑島慈悟郎役の千葉繁が登壇。「オリコンニュース」のレポートによると、下野は「『無限城編』の第一章の善逸を語るうえでも、どこかで千葉さんとこういった形でご一緒出来たらいいなと、本当に思っていました」と語ったとか。
また、「ギャーギャー騒いでいるかと思えば、シリアスな表情をしていたり、二面性が色々とあるキャラクター」の善逸役のオーディションを受けるにあたって、「どういう声を出したらいいのかと考えていた際、ふと千葉さんの様にはちきれんばかりの声を出さないとこのキャラクターは演じられないのではないか」と思い、千葉の演技を参考にオーディションに臨んだとのこと。「我妻善逸というキャラクターを演じるうえで、僕の中では千葉さんという存在は本当に大きかったです」とも話していたそうだ。
「下野さんは善逸役に決まった後、尊敬する千葉さんが桑島役を演じることを知って、うれしさのあまり本人にもその話をしたといいます。下野さんは以前から役作りに関するエピソードをメディアのインタビューやラジオなどで口にしていて、実際、ネット上のアニメ・声優ファンからも『下野くんの演技、千葉繁さんの演技に似てる』『やっぱり千葉繁さんを意識してたのか』などと納得の声が上がっていました。そんな“師弟コンビ”が今回揃って舞台挨拶に登壇し、それぞれの役への思いやアフレコの裏側などを語ったため、SNS上には参加したファンから『まさかこのお二人のお話が聞けるとは!』『下野さんと千葉さんが並んでいるのは胸熱すぎた』『貴重なお話が聞けて本当にうれしかった』などと感激の声が寄せられ、2人の関係性に再び注目が集まっています」(前出・同)
『鬼滅の刃』、善逸役・下野紘&桑島役・千葉繁の“共通点”とは?
現実同様、作中でも師弟を演じている千葉と下野について、制作会社関係者は以下のように語る。
「千葉さんといえば、『北斗の拳』シリーズ(フジテレビ系)でやられ役や次回予告を担当し、突き抜けた“テンション芝居”で独自のジャンルを築き上げたレジェンド。演技力は申し分なく、二枚目から三枚目、落ち着いた役から明るい役まで幅広い表現が可能で、アドリブ力も卓越しているだけに、下野さんが千葉さんの演技をヒントにしたのもうなずけます。人柄も非常にすばらしく、多くの後輩に慕われており、業界内で千葉さんを悪く言う人はほぼいないでしょう。音響監督としての顔も持ち、舞台経験も豊富で多才ですし、モーターパラグライダーが趣味で体力も抜群。非常にアクティブでタフな方です」
一方の下野も、「人柄の良さ」が評価されているようだ。
「下野さんは、CDにアニメにとメディアミックス展開を広げる人気ゲーム『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズ(以下、うたプリ)の来栖翔役や、『進撃の巨人』シリーズ(TBS系、NHK総合ほか)のコニー・スプリンガー役など、さまざまな作品で人気キャラを演じてきたように、役に恵まれてきた人。その実力は、千葉さんレベルと比較すれば、まだまだ人気先行の感は否めませんが、舞台挨拶で千葉さんが『下野君は本当に真っ直ぐに演じられる人』と評していたように、決して驕ることなく、地に足をつけて真摯に声優業を着実にこなしている印象があります」
なお、下野は舞台挨拶で今作は「(アフレコの)緊張感や気合いは、今までで一番だった」「我妻善逸にとって本当に重要な物語のひとつ」とコメント。また、善逸は、「自分自身が声優として積み重ねてきたものが全部発揮できるような素敵なキャラクターで、僕の声優人生においてなくてはならない存在のひとつ」とも話していた。
このように、下野と千葉の関係性や作品にかける熱い想いを知ると、よりアニメを楽しめるだろう。