TBS系バラエティ番組『ジョブチューン アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』の公式Twitterが1月4日、「この度の番組出演者、番組とは無関係のお店に対してのSNSをはじめとする誹謗・中傷、迷惑行為はお止め頂きたくお願い申し上げます」と投稿。同番組がこのような呼びかけをするのは“異例”のことだが、同1日に放送された内容をめぐり、ネット上でさまざまな問題が勃発しているのだ。
「同番組は元旦に“お正月SP”として『セブン‐イレブン・ファミリーマート・ローソンVS超一流料理人』なるテーマの企画を放送。大手コンビニ3社の従業員が味に自信のある自社商品を選び、一流料理人やスイーツ職人たちが実食し、“合格・不合格”でジャッジするという内容でした。しかし、ファミリーマート従業員が選んだおにぎり『和風ツナマヨネーズ』を7人の料理人で判定する際、イタリアンシェフ・小林幸司氏は『食べたいって気にさせない』と味見を拒んだのです」(芸能ライター)
まさかの展開に、商品開発担当の女性社員は涙を浮かべながら「こちらの商品は、長年、お客さまだったり、お店のスタッフの方々に愛されてきた商品」「味の評価を是非していただければ」と懇願。それでようやく、小林氏も試食をしたものの「不合格」と評価。なお、料理人7人中、小林氏を含めて5人が「不合格」の判定を下した。
「小林氏は『ごめんなさいね』と断りつつ、『ビジュアルって大事じゃないですか。おいしい、おいしくないはその後ですよね。食べてみたいっていう気にならない、このビジュアルが僕の中ではどうしても許せない』と、判定の理由を説明。一方、おいしいご飯にかかせない“ツヤ”や“ふっくら感”を出すためのアドバイスも伝えていました」(同)
辛口の評価をしながらも、しっかり助言していた小林氏。ネット上には「たしかに見た目も大事だよね」「小林シェフは厳しいけど、料理人としては当たり前のことを言ってる」と理解を示す声もあったが、それ以上に「食べないで判断しようとしたのが失礼すぎる」「誰かが一生懸命作ったものを、食べもしないで拒絶しようとするなんて……」「開発担当者の方が気の毒。小林シェフの言い分はさておき、態度が悪すぎだった」など、小林氏への苦言が寄せられた。
「その結果、小林氏のスタッフが更新する公式Twitterには批判的なリプライが殺到し、中には過激な言葉で小林氏を責めるネットユーザーも。また、小林氏のYouTubeチャンネルに関しても、最新動画のコメント欄を見ると、“ツナマヨ”関連の書き込みが並んでいます」(同)
小林氏を批判するネットユーザーの中には「コンビニ商品は予算が限られている。高級食材で勝負するシェフには真似できないだろう」といった皮肉を書き込む者も見られるが、一方で「小林シェフを判定員として招いたのは番組。シェフは自分の仕事をしたまでだよね」「食べないって拒否して開発者を泣かせるシーンは炎上必至だし、番組が配慮してカットすれば良かっただけでは?」など、番組側の対応に指摘も上がっている。
「そもそも『ジョブチューン』は、これまでもネット上で物議を醸すことが少なくありませんでした。昨年10月の放送回では、人気焼肉チェーン・安楽亭の従業員が選んだイチ押しメニューに対し、判定員の高級焼肉店店主らが“ダメ出し”を連発。ネット上には『高級焼肉を扱う人たちが、格安チェーン店の焼肉を審査すること自体が間違ってる』『庶民の味をバカにしてるのか?』といった批判が噴出しました」(スポーツ紙記者)
また、同5月の放送では、洋菓子メーカー・銀座コージーコーナーの商品を一流スイーツ職人たちが審査したが、「瀬戸内レモンのパイ」に対して「不合格」を出したパティシエが「顔を洗って出直せ」と言い放ったことで、「何様なの!?」「一流パティシエだからって無礼な言葉遣いは許されない」などと、やはりネットは“大荒れ”となった。
「結果的に『合格』の判定が下される商品であっても、試食シーンで怪訝な顔をするシェフをドアップで映したり、故意に緊張感を煽るような効果音をつけたりするため、判定員に批判が噴出することは珍しくない。そのため、ネットユーザーの間では『番組の配慮が足りない』『判定員に誹謗中傷が飛んで、店がつぶれたら責任取れるのか?』など、以前から番組サイドへの苦言は多いです」(同)
なお、元日の『ジョブチューン』放送後、ネット上で小林氏への攻撃が過熱していた中、まったく異なる人物にも被害が及ぶ事態に。1月2日、「リストランテ小林」というTwitterアカウントが、「拡散希望します『困っています!』 当店のシェフの名前は『小林孝好』です」「ジョブチューンご出演のシェフのお店ではありません、どうか嫌がらせの書き込みやお電話等おやめください」と、“人違い”で誹謗中傷を受けていることを明らかにしたのだ。
「『リストランテ小林』のアカウントでは、1月3日に『TBSさんにお電話をしたところ「担当者不在の為明日再度かけて欲しい」とのご回答でした』という局の対応も報告されていて、ネットユーザーから励ましや応援の声が多数寄せられたほか、『これだけおおごとになってるのに、TBSは何をしてるのか』『苗字が同じだけで巻き込まれてしまった小林シェフがかわいそう。TBSは早急に対処して!』との書き込みも。その翌日、『ジョブチューン』公式Twitterで“異例の呼びかけ”が行われたわけですが、『アナウンスが遅すぎる』とさらなる炎上を招きました」(前出・ライター)
正月早々、番組に巻き込まれてしまった「リストランテ小林」側は、5日に「昨日TBSジョブチューンご担当者様からご連絡を頂戴しました。真摯にお話下さり、早々に番組公式ツイッターにお知らせをあげて下さいました」と報告。ネット上には「良かった」「おつかれさまでした」などと労いの言葉が書き込まれた。
「2日には、“バズレシピ”で有名な料理研究家・リュウジ氏が、自身のTwitterで『食べ物を作るプロが食べ物を作る企業をボロクソに言う企画がどうしても好きになれない』『同じプロの目線ではなく、多くの一般ユーザーの目線が最重要』などと投稿。明言はしていないものの、タイミング的に『ジョブチューン』についての意見を述べたものとみられ、ネット上で反響を呼んでいます」(同)
今回の炎上によって、大人気企画に暗雲が漂う『ジョブチューン』。今後もこのまま継続されるのだろうか?