昨年末に亡くなった女優・神田沙也加さんの葬儀の際に、マスコミ対応を行った両親の神田正輝と松田聖子に対し、「今のお気持ちは?」と質問を投げかけた記者が「無神経」だと物議を醸している。ネット上ではフジテレビを“戦犯”扱いする声が多数を占め、「いまや業界関係者の間でも、発言した人物はフジ関係者といわれている」(芸能プロ関係者)というが、事実とは異なっているようだ。
沙也加さんは、昨年12月に主演ミュージカル『マイ・フェア・レディ』の公演のために滞在していた北海道・札幌市のホテルから転落し、搬送先の病院で死去。その3日後に現地で行われた葬儀の後、取材に応じた神田と松田は娘と最後のお別れをしたことを報告しつつ、「しばらくの間、そっとしておいていただけたらありがたいと思います」などと言葉を振り絞った。
その後、会見の場から離れる2人に、ある記者が前述の質問を投げかけた場面は、沙也加さんの訃報を取り上げたテレビの情報番組でも流れ、ネット上では批判の声が続出。世論の反発を受け、当初からメディア関係者の間でも、“犯人探し”に近い動きが見られたという。
「ところが、該当する人物がすぐに特定されなかったためか、当初は『現地メディア関係者』や『フリーライター』など、諸説飛び交っていました。その後、会見で声をかけたのは東京から訪れていた、某キー局のスタッフということが判明。本人もあの言動を痛切に後悔しているようで、周囲からもそこまで強くは責められなかったそうです」(スポーツ紙記者)
しかし、業界内部での動きとは関係なく、質問した人物に対する厳しい世論は過熱する一方だった。
「そこへきて、フジテレビの情報番組『バイキングMORE』が沙也加さんの葬儀について取り上げた際、声掛けのシーンをカットして放送を行ったことにより、ネット上で『身内をかばうためか』と疑う声が上がり、一気に“フジ犯人説”が広まることに。複数のまとめサイトでも、フジテレビの記者だと断定して書かれているし、次第に芸能プロなど一部の業界関係者も、フジの人間が声掛けしたと信じるようになっていきましたが、実際は他局の人間。この問題は『メディア側の不祥事』として、特定の人物をさらし者にすべきでないという考えもあって、濡れ衣を着せられたフジを含む各局は、沈静化させる方向にかじを切っているのですが……」(テレビ局関係者)
今回の悲報は、もはや「犯人探し」が話題の中心となってしまっているフシも否めない。
「当該者はもう二度とこんな言動はしないでしょうし、『罪を憎んで人を憎まず』という幕引きになることを祈るばかりです」(同)
今後、質問した記者を見つけたい世間の“お望み”と、メディア側の願いは一致するのだろうか。