今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
「死刑になりたい」と事件を起こす人たち
あっという間に1月も半分終わりましたね。
最近は懲役に行きたいとか、死刑になりたいとかで「あえて事件を起こす」人の報道が増えていますね。ネットでは、「死にたければ他人を巻き込まないで自殺しろ」という批判もありますが、死ぬならとっくに死んでいるでしょうから、目立ちたいだけの気もします。
興味深いのは、加害者のほとんどが若い男性であることです。2015年に東海道新幹線で焼身自殺してお客さんも巻き添えになった事件の犯人は71歳のおじいさんで、21年に九州新幹線内で自殺しようとしてレシートに火をつけたのは69歳のおじいさんでしたが、そのくらいですよね。
あとは新年早々に焼き肉屋さんに立てこもった犯人や無期懲役刑を言い渡されて「万歳三唱」した新幹線の3人殺傷事件の犯人、映画『ジョーカー』の主人公風の服を着て京王線内で人を刺して火をつけようとした犯人などは、みんな20代です。なぜか女性の加害者は一人もいません。
過去にも「死刑になりたい人が起こした事件」は、附属池田小事件(01年)とか土浦連続殺傷事件(08年)とか、わりとありましたが、最近は連鎖反応的なものを感じます。若いのに、もったいないことです。
オットやその周辺のヤクザを見てきた限りでは、「生きる意味」とか、「将来の希望」とかを考えられるのは、むしろ余裕があるようにも思えます。考える余裕すらない若者たちを吸収したのがヤクザ社会でしたね。
いいか悪いかは別として、かつてはヤクザ社会も「居場所」のひとつで、みんな寂しいから「疑似家族」を作って寄り添うんです。
「やくざとは哀愁の結合体だ。そこにあるのは、権力、圧力、貧困におびえる姿だけ」とは、二代目柳川組・谷川康太郎組長(1928-87)の言葉だそうです(猪野健治著『やくざと日本人』、筑摩書房)。
柳川組は三代目山口組の傘下で「殺しの軍団」と呼ばれるほどの超・武闘派です。そんなコワイ組織でも「哀愁」とか言っちゃうんですから、ヤクザになる人たちが差別と貧困に苦しんできたことはわかっていただきたいですね。
まあヤクザにならなくても、彼女ができたり結婚できたりするだけでもいいんだけどな……と思っていたら、「炎上商法」の橋本琴絵さんのブログが話題のようです。
橋本さんのnoteには、ニートの中年男性が有名大卒の女性と結婚した話や既婚アイドルに貢がされた男性の復讐ストーリーなどが満載です。
このニートさんは、高学歴の若い女性と結婚するための理論を考えて実践されたのですが、橋本さんの記事はかなり個人的なことまで書かれていますね。掲載の許可は得られているのでしょうか? 私もオットやオットの元兄弟分たちのことを書く時など身バレに気をつけてますが、もっと気をつけようと思いました。
まあニートさんご夫妻はお幸せとのことで、元極妻ごときが何か申し上げるのもおこがましすぎるのですが、「パートナーを探すのに頭を使う時代」というのはすごいです。
話がそれましたが、死刑になりたくてやらかす若者は寂しいだけでしょうから、素敵な恋人ができれば事件が減る気もします。
ちなみに、だいぶ前にテレビで見たクレーム処理の専門家さんは、「普通じゃないクレーマーは、ほぼ家庭に問題がある。いろいろ話すうちに家庭の愚痴が出てきて、こちらが聞いているうちに怒りが収まってくる」というようなお話をされていました。「普通じゃないクレーム」と「殺人」ではだいぶ違いますが、根っこは同じ「寂しさ」ですね。