• 日. 12月 22nd, 2024

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78歳まで働ける国家公務員「保護司」は無給のボランティア! 元女囚が読む漫画『前科者』

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

若い女性の保護司が主人公の漫画と映画『前科者』

 始まりましたねー、映画版『前科者』。若くてきれいな女性の保護司さんのお話です。若くてきれい……て、ちょっと設定が厳しい気がしますが、フィクションですからね。

 瑠美はまだ見てないのですが、原作の漫画は読みました。映画は、漫画とは別のオリジナルストーリーやそうです。見たらまた感想書きますね。

 漫画も映画も、若い女性の阿川佳代さんがコンビニでバイトしながら保護司さんをしてる設定で、そこで出会う人たちとの人間模様が描かれています。

 ネタバレしないように、保護司さんについて考えてみます。

 改めて保護司さんというお仕事についてご紹介しますと、法務省のホムペには、こうあります。

保護司の「更生保護」は、人の立ち直りを支える活動です。

 そう、「お仕事」とちがいます。「活動」なんですね。もう少し見てみると、こうあります。

更生保護とは、国が民間の人々と連携して、犯罪や非行をした人を地域の中で適切に処遇することにより、その再犯を防ぎ、非行をなくし、これらの人たちの立ち直りを助けるとともに、地域の犯罪・非行の予防を図る活動です。

保護司は、保護司法に基づき、法務大臣から委嘱を受けた非常勤の国家公務員(実質的に民間のボランティア)です。

保護観察官(更生保護に関する専門的な知識に基づいて、保護観察の実施などに当たる国家公務員)と協力して、主に次のような活動(※)を行います。なお、保護司には給与は支給されませんが、活動内容に応じて、実費弁償金が支給されます。

※ 保護観察・生活環境調整・犯罪予防活動

 法務省の「保護司ひとくちメモ」は、全然「ひとくち」やなくて超長いのがお役所らしいですが、瑠美的に「ひとくち」で言うと、「ノーギャラでムショ帰りの生活をサポートする無謀すぎるボランティア」ちゅうことになります。しかも定年は78歳……。

 まあそんな無謀なボランティアを、瑠美もやりたいんですけどね。保護司さんになるのは、元教師とか元社長さんとかお坊さんとか「偉いお年寄り」でエリートさんですから、ムショ帰りの気持ちはわからないと思うから。

 上から目線で「マジメに生きろ」とか言われても、反発しかないです。アンタに何がわかるか、ってね。

 ムショに行くような悪いことをするのは、「原因」があります。だいたいは貧乏とか虐待ですが、友だちや恋人が悪い場合もあります。瑠美はそうでした。エリートさんは、そんな環境にいてたことないですよね。いっぺんもシャブを使(つこ)たことない人に、「やめろ」と言われてやめられるくらいなら、最初からやってません。

 漫画を読んだ限りでは、主人公の佳代ちゃんの気持ちはわからないではないですが、「瑠美ならこうは言わないかな……」と思うことも多かったです。佳代ちゃん、自分の感想が多い気がします(偉そう)。

 もっと、相手のお話を聞いたったらええのに。すぐには話さなくても、たとえば毎日やなくても、一緒においしいものを食べながら、少しずつ話せばええんちゃうかなと。

 ちょっとだけ書いちゃいますと、万引きしたおばあさんが「言葉は全て自慢か言い訳」「だからどんな時も頭に来る」と言うのは刺さりましたね。ほんまそうやなと。気をつけたいです。

 こう言われた佳代ちゃんは、おばあさんにいろいろ言うんですが、瑠美ならそこまで言えないですね。おばあさんの気持ちを、もっと時間をかけて聞いていきたいと思いました。

 あとフィクションやからでしょうが、こんな若くてかわいい人が保護司やったらキケンすぎます。ムショ帰りと2人きりとか、マジ危ないですよ(笑)。自分も懲役(受刑者)やったからアレですけど、ほぼロクな人やないです。

 映画は全く違うストーリーらしいので楽しみですが、公式サイトを見たら、佳代ちゃんが働いてるコンビニの店長が「ええ人」になってて、ちょっとがっかりしました。アレはヤなヤツやからええのとちがいますかね。でも映画は見に行きますよ。

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