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  • 金. 9月 20th, 2024

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『ザ・ノンフィクション』新人にはつらい人事ローテーションの不実施「新・上京物語2022 前編 ~18歳 夢のあとさき~」

 日曜昼のドキュメント『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)。3月20日の放送は「新・上京物語2022 前編 ~18歳 夢のあとさき~」。

あらすじ

 若者の初就職を見つめる毎年春の人気シリーズ『新・上京物語』の2021年度版。2021年4月、浅草に本店のある洋食店「レストラン大宮」に3人の新人が入る。栃木県の高校の調理科を卒業した千春と楽壱(らいち)、そして彼らより1つ年上で、茨城県出身で、調理師専門学校を卒業したあかりだ。

 千春は寮にある狭い台所を駆使して、一人でも料理をしていた。料理の道を志したのは中学生の頃で、闘病生活で食欲のない祖母のために料理を作り喜ばれたことがきっかけだったという。調理科のある高校へ進学し朝6時の電車に乗り、学校ではパティシエ部とそば打ち部に所属し、料理漬けの高校生活を送っていた。

 しかし、楽壱、あかりは厨房配属となったが、千春の配属はホールになる。数カ月おきに持ち場は変わるとは言われていたものの、調理の経験を積んでいく2人を横目に千春は焦燥感を募らせる。

 ローテーション期間を過ぎても千春のホール業務が続く中、6月、千春は故郷の栃木に初めて帰省する。千春は上京後、家族からのLINEや電話をあまり返していなかった。帰省時も、千春の帰りを待っていた家族たちを前に、仕事の不満や焦燥感は伝えず、笑顔で過ごす。

 しかし帰りがけに両親が渡した手紙には「明けない夜はありません」とつづられており、両親は娘の様子に思うところもあったようだ。東京に戻る電車の中で千春は一人涙する。

新人のつらさとは「待つしかできない」こと

 昨年の「新・上京物語」もレストラン大宮の話だった。その際は、新人の「超早期離脱」という結果になり、オーナーの大宮勝雄シェフに同情したものだが、今回の放送を見る限りは、同店の人事ローテーションに問題があるように見えた。

 厨房希望の千春はホールに配属されるも、数カ月おきに配属先はローテーションされると伝えられていた。同期入社の厨房配属の2人がみるみる調理のスキルを上げていくのを傍らで見るのは千春にとってつらい日々だったと思うが、「数カ月でローテーションされる」ことが、希望でモチベーションだったと思う。

 しかし番組内で、その期日が過ぎてもローテーションは実行されなかったと伝えられた。店側にも事情があったのかもしれないが、その事情は千春に伝えたほうがいいし、千春はあらかじめ聞いていた人事が実施されなかったことについて怒っていいと思う。しかし、新人の立場で怒るわけにはいかない気持ちもとてもよくわかる。「待つことしかできない」というのが新人のつらさだ。

 こうした状況を見て思うのが、ホール担当の人材を最初から雇えばいいのに、ということだ。レストラン大宮に限らず、千春が就職活動で訪ねた別のレストランでは、「厨房担当」と募集をかけておきながら、実際話が進むと、厨房は“完成された料理人”しか働けないと話があったと、千春の父親は話していた。募集要項で期待を持たせておいてひどいレストランだが、こんなだまし討ちのような手口を使わなくてはならないほど、ホール担当者というのは集まりにくいのだろうか。

 コロナ禍で飲食の求人は大きく減っていると番組内で伝えられていたが、一方で、ホールは売り手市場なのだろうかとも思う。客としても本当は厨房に入りたいのに、と無念さを胸に秘めたまま接客業務を務めている人より、いきいきとホールで働く人から食事を出されたい。

「人生設計」の功罪

 千春と楽壱の通った高校では、「いくつまでにこの調理技術を習得し、いくつまでに自分の店を持ち……」といった人生設計を授業で書かされたという。二人とは別の学校を出たあかりはそのような授業はなかったと話していたが、千春と楽壱はその人生設計をかなり意識しているように見えた。

 ただ生きていると日々の生活に追われ、気が付けば1週間が終わり、気が付けばもう3月も終わりかけているし、気が付けば1年が過ぎ、そしてこの調子で気が付けば一生も終わっていくだろうから、「人生設計」があること自体は非常に良いことだと思うし、高校生にその先の人生を意識させる、というのはとてもいい教育だと思う。

 一方で、この「人生設計」が千春を余計焦らせているのではないか、とも思った。当たり前だが設計図通りに人生は進まない。コロナウイルスのような自力ではどうしようもない要因もあるし、自分自身の考えや思いも、高校生の頃から当然変わっていく。

 人生設計は自分の人生を豊かにするためのものであり、人生設計に合っていないことが自分をひどく苦しめるようなら、本末転倒な気がする。

 かといって、ゆるい人生設計ならないも同然で、日々の生活にあっけなく流されていってしまうだろう。どういうのが良い「人生設計」なのだろうと考えてしまった。

 次週は今週の続編。半年を経てようやく調理担当になれた千春だったが……。


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