非日常的なストーリーや浮世離れした演出がミュージカル映画のお約束とするならば、『アネット』はミュージカル映画界における“異端児”である。朗々と歌い踊るシーンもなければ、大勢が集い歓喜に包まれる華々しい演出もない。セリフの代わりに音楽を用いるのではなく、音楽そのものがストーリーとなり、美しい映像と共に、美談だけでは語れない心の深淵を生々しく暴いていく。音楽家スパークスと映画監督レオス・カラッ…
非日常的なストーリーや浮世離れした演出がミュージカル映画のお約束とするならば、『アネット』はミュージカル映画界における“異端児”である。朗々と歌い踊るシーンもなければ、大勢が集い歓喜に包まれる華々しい演出もない。セリフの代わりに音楽を用いるのではなく、音楽そのものがストーリーとなり、美しい映像と共に、美談だけでは語れない心の深淵を生々しく暴いていく。音楽家スパークスと映画監督レオス・カラッ…