5月27日放送の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)にて、2020年10月期の同局人気ドラマ『極主夫道』の新作『極主夫道 爆笑!カチコミSP』が放送される。
『極主夫道』は、おおのこうすけ氏の同名漫画(新潮社)が原作で、“伝説の極道”であり、現在は専業主夫をしている龍(玉木宏)の生活を描くコメディー作品。20年にドラマ化されたあと、翌21年には動画配信サービス・Netflixでアニメ化、さらに今年6月3日からは、ドラマ版と同じ主要キャストによる実写映画『極主夫道 ザ・シネマ』が公開される。
「伝説の極道」が「専業主夫」になるというギャップが視聴者に受け、人気を博した同作だが、サイゾーウーマンで「『元極妻』芳子姐さんのつぶやき」を連載中の待田芳子氏によると、現役ヤクザの間でも「なかなか評判がいい」のだとか。一方で待田氏は、ドラマの「ありえない」設定にダメ出しをしたいそうで……。
元極妻と現役ヤクザは『極主夫道』をどのように見ていたのか、『金曜ロードショー』に合わせて、ドラマ放送当時の記事をぜひチェックしてほしい。
(編集部)
今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
『極主夫道』は現役ヤクザも面白がるドラマ
10月から元ヤクザの専業主夫が主人公のテレビドラマ『極主夫道』(日本テレビ系)が始まりましたね。毎回楽しく見ています。
玉木宏さん演じる主人公「不死身の龍(タツ)」は、もともとは武闘派ヤクザで、結婚を機に足を洗った専業主夫のイケメンさんという設定です。玉木さんはとてもとても素敵で、ワタクシ的には「こんなイケメンの不良はいないけどな」と思いながら、見とれています。
ちなみにイケメンかどうかはともかく、家事が得意なヤクザは珍しくありません。若い頃に事務所や親分の自宅で「部屋住み」として家事全般や礼儀作法を叩き込まれるからです。もちろん性格的に向いてないとか、部屋住みがつらくて逃げ出したり、懲役に行ったりして家事修業(?)の機会を失うこともあるので、全員というわけではないです。
また、たいてい勉強が嫌いなので、進学しないで板前修業→先輩や板長とケンカ→不良のコースも王道です。刑務所では調理も懲役(受刑者)がするのですが、部屋住みや板前修業の経験者がいる施設は「結構おいしい」そうですよ。
オットの元兄弟分(現在はカタギ)によると、なんと『極主夫道』は「現役ヤクザ」の間でもなかなか評判がいいのだそうです。もともとテレビや芸能界が大好きなヤクザは多く、この作品に限らず、ヤクザをテーマにした作品はけっこう人気があります。
「不良がヨガに行くとかありえないけど、『組長に木刀でどつかれた時のポーズ』とかおもろかった。“ヤクザあるある”やな」とか、「細かいところは気になるが、ファンタジーとして見れば普通におもしろい」とか言われているようです。
あと竹中直人さん演じる親分の姐さんが稲森いずみさんなのですが、「この夫婦もありえないけど好き」という声もありました。姐さんの名前「江口雲雀(ひばり)」さんは、江口寿史さんの漫画『ストップ!!ひばりくん!』からでしょうね。実は読んでました。ひばりくんはヤクザの親分の息子で、トランスジェンダーの美人さんという設定ですよね。
原作のある作品が「原作と違う!」ってなるのはありがちですが、『極主夫道』もいろいろあるようです。
ネットニュースでは、原作は「ボロアパートに2人暮らし」なのに、ドラマは「一戸建てに奥さんと連れ子と暮らしている」ことなどにがっかりしているファンの声が紹介されています。
なぜわざわざそんな設定に変更したのか謎ですが、元極妻として気になったところもありましたね。畏れながらダメ出しさせていただきますと、たとえば昭和の暴走族じゃあるまいし、ステゴロ(=素手で戦うこと)の集団乱闘などはありえないです。これも原作にはないシーンだそうで、ネットには「いらない」との指摘もありました。私もそう思います。
また、町の交番勤務のおまわりさんが、いちいちヤクザの動向をチェックして抗争を警戒することもないです。それと玉木さんがナイフのことを「武器」と言っていましたが、この場合は「道具」ですね。ま、普通は「道具」といえば拳銃なんですけどね。
あと、登場人物が多すぎて正直入ってきませんでしたが、これはトシのせいか(苦笑)。玉木さんはかっこいいし、竹中さんみたいな親分もいないけど、普通におもしろくて、猫ちゃんもかわいいので、次回も楽しみです。
※2020年10月25日初出の記事に追記、編集を加えています。