開始早々、伝説的バラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系/以下『めちゃイケ』)の人気企画「めちゃイケ抜き打ちテスト」の“パクリ”と指摘されていたアンガールズ・田中卓志の冠クイズ番組『呼び出し先生タナカ』(同、日曜午後9時/以下『タナカ』)。同番組の制作サイドに『めちゃイケ』の元スタッフが参加していることもあり、『めちゃイケ』のメインキャストだったナインティナイン・岡村隆史が、自身のラジオ番組で「こんな悲しいことある?」と言及したことから、ネット上では“炎上”に発展していたが、局内ではすでに「早期打ち切りの気配が漂っている」ようだ。
岡村は『タナカ』について、5月12日放送のラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で言及。MCの田中は「何も悪くないよ」とフォローしながらも、局や制作陣に対し「俺とか濱口(優・よゐこ)の顔とかは、まったく浮かべへんかったんかなあって」「ほかのメンバーもどう思ってんのかなあって思うし」と苦言を連発していた。
「たまたま番組を見ていたという矢部浩之も、事前に連絡をもらうことは一切なかったようで、やはり『タナカ』の内容に驚いたとか。そして同ラジオ放送後、『めちゃイケ』制作陣の関係者からマスコミ関係者に対し、『タナカ』の問題点をリークする動きが見られるようになったそうです」(スポーツ紙記者)
ニュースサイト「文春オンライン」は同28日、田中が岡村に謝罪電話を入れていたことや、田中と所属事務所のワタナベエンターテインメントがフジテレビに対し、「これはほぼ『めちゃイケ』の焼き直しですが、ちゃんとナイナイと『めちゃイケ』スタッフにも許可を取っているんですか?」と確認していたことを報じた。
「その際、局サイドは事前の根回しについて、クリアになっていると説明したというものの、フタを開けてみればこの有様。騒動になったことで、フジテレビはナインティナインが所属する吉本サイドに謝罪をしたそうですが、突っぱねられてしまったそうです。やはり今回の一件は、各所に仁義を切ることなく、根回しすら怠った、フジテレビの責任といえるでしょう」(同)
そもそも一般視聴者にも一発で“パクリ”とわかってしまう類似企画が、なぜ放送にこぎつけたのか。実は以前にも、フジテレビ内では『タナカ』と同様に「抜き打ちテスト」をフォーマットにした番組の企画が浮上するも、その際は、制作には至らなかったという。
「それは『めちゃイケ』の生みの親である、元フジテレビプロデューサーの片岡飛鳥氏に打診したところ、NOを出されたからだといいます。やはり、完全な焼き直しですし、過去の出演者らも納得しないだろうと判断されたのだとか。しかし、その片岡氏は今年3月に同局を退社しているだけに、『タナカ』の制作陣は『だったらもう、許可も取らなくていい』とでも考えたのでしょうか」(フジテレビ関係者)
さらにフジテレビ上層部には、「放送以外でも話題になるコンテンツがほしい」という目論見もあって、『タナカ』の制作を進めたという。
「本家の『抜き打ちテスト』は、若槻千夏や元AKB48・川栄李奈ら、人気タレントを生み出しましたが、『タナカ』でも同様の展開を望んでいたようです。たとえ本放送の視聴率は伸び悩んでも、番組発のブレークタレントが誕生すれば、番組と連動してDVD発売やイベント開催なども行えますからね。しかし、こうして放送にこぎ着けた『タナカ』が、スタート早々『パクリ』と物議を醸し、『打ち切り説』までささやかれているとあって、フジテレビはあまりにも浅はかだったというほかありません」(同)
出演者を“だまし討ち”した実情が、世間にもバレてしまった『タナカ』。人気タレントを生み出すどころか、「今後は出演者を確保することすら難しくなりそう」(同)という指摘もあるだけに、その幕引きは想像以上に早いかもしれない。