6月2日から4日間にわたり英国で開催されたエリザベス女王在位70年記念式典プラチナ・ジュビリーで、ウィリアム王子とヘンリー王子に決定的な差がついたと話題になっている。
2020年3月に王室を電撃離脱したヘンリー王子が、メーガン夫人と長男アーチー、アメリカ生まれの長女リリベットを連れてイギリスに戻ってくるということで、この一家が注目の的になるだろうとみられていた今回のプラチナ・ジュビリー。
しかし、ふたを開けてみれば、話題をさらったのはウィリアム王子の3人の愛くるしい子どもたちと、子どもたちを温かい目で見守るウィリアム王子、そしてヤンチャなルイ王子に手を焼くキャサリン妃だった。
以前から人気があるウィリアム王子とキャサリン妃だが、今回、彼らの安定感は揺るぎないものだと多くの人が認識。典型的なおぼっちゃまでどこか抜けていると陰口を叩かれることが多かったウィリアム王子だが、王位継承順位第2位にふさわしい王子へと立派に成長したと、国民は安心したようだ。
6月4日の日中、ウェールズのカーディフ城を訪問したウィリアム王子とキャサリン妃が、サプライズでジョージ王子(8)とシャーロット王女(7)を同行させたことも好感度を爆上げする要因となった。王子と王女は退屈そうな表情を見せることなくイベントに参加。はにかみながら地元の人々と握手や会話を交わすなど、立派に公務をこなし、世間は「ウィリアム王子一家がいる限り、王室は安泰」という印象を抱いたのだ。
同日夜にバッキンガム宮殿前で開催された祝賀コンサートにおけるウィリアム王子のスピーチも、感動的なものだったと称賛されている。女王をたたえつつ環境保護を訴える内容で、宮殿へと続く道を埋め尽くした王族ファンから「We love You!!!」という叫び声が上がり、Twitterでも「我々の未来の王」と絶賛するツイートが投稿された。
一方で、ヘンリー王子はほとんど話題に上がらず。イギリスへ到着すると、「わざわざ環境に悪いプライベートジェットで来なくてもよかったのに」「女王が自分の車と警護する警察官を手配させたそうだけど、当然だと思ってそう」などと陰口を叩かれてしまった。
ヘンリー王子とメーガン夫人は、今年4月にオランダで開催されたインヴィクタス・ゲームに向かう途中、イギリスを訪れ、女王と面会。その直後、プラチナ・ジュビリーでロイヤルファミリーが勢ぞろいするバッキンガム宮殿のバルコニーに「ファミリーだから」招待されたと報道されたが、5月上旬、王室報道官はバルコニーに登場するのは「女王と、女王の代理として公務に就いている王族メンバーのみ」と発表。ヘンリー王子夫妻はこの条件を満たしていないため、プラチナ・ジュビリー開幕日、バルコニーに彼らの姿はなかった。
その代わり、ヘンリー王子夫妻は宮殿にあるホース・ガーズの少佐執務室で女王のひ孫たちと楽しげに触れ合いながらパレードを見物する姿がパパラッチされ、ネット上では「パパラッチのカメラを意識しすぎ」「自分たちもここにいるのだと必死でアピールしているように見える」と失笑されることに。
翌3日、サンクスギビンの感謝礼拝には参列したヘンリー王子夫妻。しかし、セントポール大聖堂の外に集まった人々からは歓声と共に大きなブーイングが巻き起こり、ヘンリー王子の表情はこわばった。
この礼拝は生中継され、ヘンリー王子夫妻はチャールズ皇太子夫妻やウィリアム王子夫妻ら王室最上級メンバーとは中央通路を挟んだ遠く離れた位置に着席。メーガン夫人は終始にこやかだったが、王室から冷遇されていると感じたのか、ヘンリー王子の表情は最後まで硬いままだった。
4日夜には、バッキンガム宮殿前で祝賀コンサートが開催され、チャールズ皇太子夫妻やウィリアム王子夫妻もノリノリで鑑賞。しかしヘンリー王子夫妻の姿は確認できず。2人は今回、ほとんどの時間をイギリスの住居であるフロッグモア・コテージで過ごしたと伝えられている。
ヘンリー王子一家はプラチナ・ジュビリーを締めくくるパレードを見ることなくアメリカに帰国。女王は初日と最終日しか姿を現さなかったため、公の場でのヘンリー王子夫妻と女王のショットはかなわなかった。
ほとんど出番のなかった夫妻について、女王と子どもたちが触れ合うことを優先したからだという見方もあるが、アメリカで王室の内情をあれこれ暴露し、王室をネタに金稼ぎをしていることで、王族や関係者から総スカンを食らい、引きこもるしかなかったのだろうと推測する声が多い。
王室伝記作家のトム・バウワーは、メーガン夫人を厳しく批判する姿勢だと公言しているピアーズ・モーガンの番組『Piers morgan Uncensored』に出演し、ヘンリー王子一家のプラチナ・ジュビリー訪問の目的を分析。「メーガンの人種差別発言は、女王と王室にとてつもなく大きなダメージを与えた」とし、その件を謝罪していないのに、車の窓から笑顔を振りまく彼女を見て、「今回、自分をプロモートするためだけに来たのだ」と推測。
さらに、「とんでもなく厚かましい人だ」と辛らつに斬り捨てた。ヘンリー王子も、何かを“失いたくない”ために来たと考える人が多く、夫妻はさらに株を下げた形になったようだ。
今回のプラチナ・ジュビリーで、ヘンリー王子が王室から距離を置かれていることは明白に。事前にウィリアム王子と和解したと一部で報道されたが、礼拝堂で2人が言葉を交わすことも、視線を合わせることもなかった。今後、女王や皇太子らとの仲むつまじい写真が公開される可能性はあるが、年内に暴露本をリリースする予定のあるヘンリー王子に心までは許していないだろうとみられている。
ウィリアム王子一家をはじめ、公式の場に初めて現れたユージェニー王女の第1子、美しく成長したエドワード王子の長女ルイーズや長男ジェームズと、伝統行事や公務に参加する次世代のロイヤルチルドレンで話題がもちきりとなったプラチナ・ジュビリー。ヘンリー王子とメーガン夫人が関心を持たれなくなる日も、そう遠くはなさそうだ。