――日本各地のご当地で愛され続ける、家庭料理の味。北海道から沖縄までそれぞれの地域でロングセラーを誇るローカルな商品を、調味料ソムリエ/野菜ソムリエ・MICHIKOさんが紹介していきます。
東京の味:やげん堀七味唐辛子
今回は、日本の食文化が生んだ独自の「ミックススパイス=七味唐辛子」です。
1625年、江戸両国で生まれたのが「やげん堀七味唐辛子」。「漢方薬を食に利用できないか」という発想から生まれたもので、漢方薬の配合を参考にして作られ、「七色(なないろ)唐辛子」として売り出しました。徳川三代将軍家光公に献上した際ことのほか喜ばれ、徳川の「徳」の字を賜り、やげん堀の屋号として表示されています。以来十代に渡り、昔ながらの製造方法は今も大切に守られています。
基本的な配合は、「二辛五香」といい、辛さと風味を強調したものを2種類の唐辛子(赤粉・焼粉)、香りと食感を楽しめるものを5種類(粉山椒・陳皮・黒胡麻・けしの実・麻の実)を組み合わせています。
関東の“濃い味”食文化において、蕎麦は江戸時代のファーストフードとして人気があり、濃口醤油味の「蕎麦つゆ」に合うように、七味唐辛子もピリッとした辛味を強調した唐辛子が江戸っ子に好まれたとか。風邪の予防食としても、人気があったようです。
焼き餃子に「酢&七味唐辛子」は絶品!
やげん堀の七味唐辛子は、山椒や胡麻の香りを楽しむために、出来上がった料理にかけたり、混ぜたりするのがおすすめです。
蕎麦やうどんにかけるのは当たり前、いつもの料理に振りかけましょう。卵かけご飯に、お味噌汁に、おしんこに、冷奴に、焼魚に、焼肉にササッと振りかけて! おすすめは、焼き餃子に「酢&七味唐辛子」は絶品!!
辛い物ブームと言われて久しいですが、辛みをグッと抑えた「小辛」、辛味と香りが絶妙なバランス「中辛」、中辛の約2倍の唐辛子を入れた「大辛」があります。ただし、かけ過ぎにはご注意くださいね。
これ1袋あれば、あなたも料理上手に♪
【やげん堀七味唐辛子】アレンジレシピ:チキンベジのピリ辛にんにく和え
【材 料】(2人分)
A)七味唐辛子 小さじ1/3、すりおろしニンニク・ごま油 各小さじ1、ぽん酢 大さじ3
サラダチキン 100g、きゅうり 1本、ミディトマト 2個
【作り方】
1.サラダチキンときゅうり、トマトは食べやすい大きさに切る。
2.ボウルにA)を混ぜ、1)を加えて全体を混ぜ合わせる。
枝豆 200g、塩 小さじ2、七味唐辛子 小さじ1/2
A)しょうゆ 大さじ2、水 100ml、
【作り方】
1.枝豆は塩をふってよくもみ、水洗いしてザルに上げる。
2.鍋に、A)と1)を入れて、弱中火で(4~5分)好みの固さに茹でる。
3.火を止めて七味唐辛子を加えてザッと混ぜ、そのまま3分ほどおいて、味をなじませる。