ジョニー・デップ(59)が、元妻アンバー・ハード(36)を名誉毀損で訴えた裁判。今年4月に開始された裁判は、6月1日にジョニーの勝訴に終わったが、ここにきて、新たに裁判に関する文書が公開された。
双方の弁護士がどの証拠を取り下げるように申請したのか、どの証拠が採用されなかったのかが記載されている文書で、法廷では語られなかった双方の醜い主張が明らかになり、ネット上は騒然としている。
6,000ページ以上もあるこの文書は、ワシントンを拠点に活動している弁護士アンドレア・ブルクハルトが、3,300ドル(約43万円)の寄付金を集めて入手。文書は自身のウェブサイトで公開し、その内容を米メディアがこぞって報道した。 中でも大々的に報じられているのは、以下の3点。
1.ジョニー側が提示した「アンバーのヌード写真」など4つの証拠
ジョニー側は「アンバーのヌード写真」「アンバーの妹ホイットニー・ヘンリケスのリアリティ番組出演時のビデオ」「アンバーとホイットニーの過去の恋愛関係」「アンバーが何年も前にエキゾチック・ダンサー(ストリッパー)として短期間働いていたこと」の4つを証拠として提示しようとしていた。しかし、アンバー側が「今回の裁判には関係ない私事」だとして却下するように求めた。
アンバーの弁護士は、「彼女がまるでエスコート嬢だったかのように誘導する内容」と指摘。また、ホイットニーは、リアリティ番組でアンバーから暴力を振るわれていたと示唆するような振る舞いをしていたため、ジョニー側はこれを使いたかったのだとみられている。
2.アンバー側が証拠として用意した「ジョニーの勃起不全」に関する資料
アンバー側は、「勃起不全とヘルペスの治療薬を処方されたことが記載されているジョニーの資料」を提出しようとしていた。
アンバーは裁判で「ジョニーに酒瓶でレイプされた」と証言したが、勃起不全であることにいら立ち、性的暴力を振るったのだと主張しようと計画。しかし、証拠は採用されなかった。なお、ジョニーはこのレイプを含むすべてのDVはなかったと否定している。
3. ジョニーがマリリン・マンソンに送ったアンバーに関するメール
アンバー側は、ジョニーがマリリン・マンソンに送った「(サイコパスにつながる)反社会性パーソナリティ人格障害(ASPD)の行動に関する資料をたくさん読んでるけど、ファッキングにリアル。教科書通りの女なんだよ」というショートメールを証拠として提出しようとした。しかし、ジョニー側はこれを却下するように求めた。
ほか にも、ジョニー側はアンバーサイドが証言台に呼ぼうとしていた専門家の多くを却下するよう求めていたことが明らかになったという。
さらに、ジョニーと90年代に交際していた女優のエレン・バーキンによる「交際中にケンカしたとき、ボトルを投げられた」という証言や、俳優のポール・ベタニーと「アンバーを焼やしてやろうぜ」「いや、溺れさせてみたらどうかな」などの内容をやりとりしていたショートメッセージも証拠からの除外を求めたが、これは認められなかった。
米「FOXニュース」電子版には、「裁判は終わったのに、なぜプライベートな情報をわざわざ報道するのか」との批判が殺到。2,000を超えるコメントの大半は、「50代男性のEDは珍しいものではない」「EDの男性は性的DV加害者になるというイメージを与える」というものだ。
ジョニーのカルテを証拠として公開することは、「(電子化した医療情報に関するプライバシー保護・セキュリティ確保について定めた)HIPAA法(電子化した医療情報に関するプライバシー保護・セキュリティ確保について定めた法律)違反に当たる。アンバーの弁護士は、そんなことをしようとしていたのか」と強く非難する意見も書き込まれている。
この名誉毀損裁判は、6月1日にジョニーの勝訴に終わっているが、先月、アンバーは「陪審員の不当な入れ替え」を理由に裁判のやり直しを求めて控訴。これを受けて、ジョニーも自分の名誉を守るために控訴している。
もし、裁判がやり直しになった場合、今回、公になった「法廷で採用されなかった証言」が影響する可能性があるため、これまで以上に醜く泥沼化するだろうと懸念する声は多い。離婚から5年もたつというのに、ジョニーもアンバーも前に進めず、互いに証拠を投げつけ、ダメージを与え合っていることに「もうおなかいっぱい」だという声も、ネットでは多く上がっている。