大人気バラエティ『アメトーーク!』(テレビ朝日系)について、一部業界内から「二度目の危機が訪れている」と懸念する声が出ているようだ。番組MCを務めてきた雨上がり決死隊の宮迫博之が“闇営業問題”で降板し、一時は番組終了説も浮上したが、現在も放送は継続。8月18日放送回には、草なぎ剛が初出演すると発表されて話題を呼ぶなど、とても危機が迫っているようには見えないが……。
『アメトーーク!』は2003年4月にスタートした、雨上がり決死隊の冠バラエティ。お笑い好きの視聴者から絶大な支持を集めるだけでなく、数々の芸人が番組きっかけでブレークしたことから、“芸人視聴率NO.1番組”との呼び声も高い。しかし、19年6月に勃発した“闇営業問題”の影響により宮迫が降板したことがきっかけで、番組最大の危機が訪れたという。
「『アメトーーク!』の“顔”である宮迫がいなくなり、番組継続は不可能かと思われましたが、蛍原徹の単独MCが予想以上に好評を博したんです。その後、雨上がり決死隊は21年8月、ウェブ番組『アメトーーク特別編 雨上がり決死隊解散報告会』(ABEMA)の出演をもって解散。以降、番組は蛍原のほかにさまざまな芸人がサブMCポジションを担いながら、現在も継続しています」(芸能ライター)
宮迫降板による番組の危機を、すっかり乗り越えたように見える『アメトーーク!』。しかし、ここ数カ月、業界関係者の間で、失速がささやかれるようになっているそうだ。
「番組に対する世間の視聴熱が下がっているのではないか? と言われているんです。その原因はずばり、見逃し配信のプラットフォームが限られていること。同番組は、無料のテレビ番組配信サービス『TVer』や、多くの会員を抱える『Amazonプライム・ビデオ』『Hulu』などで配信が行われておらず、無料で見たいなら、リアルタイム視聴か録画するしか方法がない。また、過去の放送を見たい場合は、DVDを手に入れるか、昨年6月開設の番組独自の有料サービス『アメトーークCLUB』に加入しなければいけません。ネット上でも、無料配信がないことを嘆く視聴者が散見され、視聴熱も下降気味になっているとみられます」(放送作家)
こうした傾向は芸人界隈にも見られ、「最近、『アメトーーク!』を見なくなった」という声が上がるようになっている」(同)ようだ。
「昨今、テレビ業界は、世帯視聴率ではなく、若者世代の視聴率を示す『コア視聴率』を狙うようになりましたが、ここ最近は特に『TVer』での再生回数が重視される傾向になっています。テレビ局はこの再生回数を、出演オファーの大きな指針にしているという話があり、芸人たちの耳にも入っているようです。そんな状況下だけに、『TVer』未配信の『アメトーーク!』に対し、芸人の関心度が下がっているのかもしれません」(同)
独自の有料サービスを展開しているという点で、『アメトーーク!』のブランド力は折り紙付きだが、「現在のテレビ業界や芸人界隈でのトレンドからは隔たりが感じらる。何よりも、“芸人視聴率”の低下が続けば、結果的にブランド力の低下につながってしまうとも心配されています」(同)という。
業界内で密かに懸念されている『アメトーーク!』のガラパゴス化だが、果たして番組を取り巻く環境に変化は訪れるのだろうか。