「おいしいごはんが食べたい、でも自炊するのはめんどくさい!」そんなズボラ女子の救世主といえば、コンビニ・ファミレス・ファストフード! 毎日の食事をおいしく楽チンにするため、“お酒とおつまみ大好き”管理栄養士・川村郁子先生に、さまざまなテーマに合わせた「おすすめメニュー」を聞いちゃいます。
『ジョブチューン』リンガーハット“TOP5”を管理栄養士がジャッジ!
7月3日放送のバラエティ番組『ジョブチューン ~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)にて、フードコートに入る飲食チェーンが特集されました。各店の「従業員イチ押しメニューTOP5」を超一流料理人が実食して味をジャッジする企画で、長崎ちゃんぽん専門店「リンガーハット」は、イチ押し5品すべてが「合格」と高評価を得ており、ネット上でも話題に。
しかし、味の評価は食べる人の好みによって異なるもの。ということで今回は、管理栄養士の川村先生に、番組で紹介された「従業員イチ押しメニューTOP5」を栄養面から比較してもらい、バランスなどを考慮した「おすすめメニュー」を1品選んでもらいました!
――まず、「リンガーハット」のメニュー全体の特徴を教えてください。
川村郁子先生(以下、川村) リンガーハットといえば、ちゃんぽんや皿うどんが人気ですよね。ちゃんぽんは、とんこつベースのスープを使った中華麺ですが、野菜がたっぷり乗っているのも特徴。1食でたくさんの野菜を摂れるので、野菜不足を感じたときは、リンガーハットを選んでみるのもいいでしょう。
――番組で紹介された「従業員イチ押しメニューTOP5」について、管理栄養士の視点でコメントをお願いします。
野菜たっぷりちゃんぽん(820円、税込/以下同)
川村 私もリンガーハットでよく食べる、大好きなメニューです! キャベツやもやし、玉ねぎなど、シャキシャキとした歯ごたえの野菜がたっぷり480gも入っています。1日の野菜摂取目標は350gですので、これ1食でクリアできてしまうのはうれしいですよね。
野菜には食物繊維やカリウム、ビタミンC、ビタミンKなどの豊富な栄養素が含まれていますし、よく噛むことで満腹中枢も刺激されるので、満足感も得られます。ほかにも、エビや豚肉など、タンパク質源となる食材も入っているので、全体のバランスも良いのではないでしょうか。
一方で、注意しなければならないポイントは、食塩相当量。1食あたり9.1gですが、女性の場合は1日6.5g程度が目安なので、1食でオーバーしてしまいます。スープを残す、セットメニューは追加しないなど、塩分を減らす工夫したほうが良いでしょう。
長崎皿うどん(680円)
川村 パリパリとした食感の揚げ麺に、野菜がたっぷり入ったあんを絡めて食べる皿うどんで、こちらもリンガーハットの定番メニューですよね。麺に噛みごたえがあるので、満足感も得られやすいと思います。
麺は揚げているため脂質は多くなりますが、キャベツやもやしなどの野菜をたっぷり食べられるという点は魅力的。一方、タンパク質は16.1gと、ほかのメニューと比べると控えめなので、もう少し欲しいところではあります。「半熟卵」(100円)をトッピングして、タンパク質を追加しつつ、まろやかな味を楽しむのもおすすめです。
まぜ辛めん(550円)
川村 花椒のピリッとした風味がきいたまぜ麺で、キャベツやニンジンなどの野菜を、麺と絡めて食べられていいですね。こちらはひき肉を使っていますので、タンパク質も一緒に摂ることができます。
カロリーはほかのメニューと比較すると、612kcalと控えめ。また、スープがないので食塩相当量も4.7gと少なくなっています。ピリ辛風味が食欲をそそるので、暑い日に試してほしい一品です。
薄皮ぎょうざ(3個・180円、5個・280円)
川村 米粉入りの薄皮ぎょうざは、軽くてサクッとした食感を楽しめます。3個入りで119kcalですが、麺類と組み合わせると、カロリーオーバーが気になりますね。一方で、食塩相当量は0.4gと控えめ。下味がしっかり付いているので、お酢だけでいただくと減塩にもなりますよ。
梅肉と鶏むね肉の冷やしまぜめん(690円)
川村 梅肉と大葉のさっぱりとした風味が堪能できる、夏の新作メニュー。梅は消化液の分泌を助けるので、食欲の出ない日には特におすすめです。
また、高タンパク質・低脂質の鶏むね肉を使っているのも、消化に負担をかけにくいので高評価。カロリーは693kcalと、リンガーハットのメニューの中では平均的なところです。
――栄養バランスなどを比較して、5品の中からおすすめを1品教えてください。
川村 野菜をたっぷり食べられるという理由から、一番のおすすめは「野菜たっぷりちゃんぽん」でしょう。1食あたり480gもの野菜を摂れますし、7種類の国産野菜を味わえるのもうれしいです。しかし、油で炒めて味付けをした“野菜炒め”が乗っていることをお忘れなく。塩分やカロリーオーバーが気になる方は、前後の食事などで調整が必要でしょう。
とはいえ、「迷ったらコレ!」とおすすめできる一品。「野菜たっぷりちゃんぽん」は、「食べても食べても、野菜がなかなか減らない!」と驚くと思うので、ぜひ試してほしいですね(笑)。
(文:佐藤真琴)
川村郁子(かわむら・いくこ)
管理栄養士。中村学園大学栄養科学部栄養科学科卒業。九州の病院栄養士経験を経て独立。レストランのヘルシーメニュー監修、栄養専門学校講師、企業・大学での食育講演を行いながら、「コンビニや外食との上手な付き合い方」「15分で作れるかんたん栄養めし」の提案をしている。
インスタグラム:@shokuikuko/WEBサイト:「酒好きの食育」