俳優・小栗旬主演のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。8月21日放送の第32話では、お笑いコンビ・ティモンディの高岸宏行が演じる仁田忠常の壮絶な“退場劇”が、ネット上で注目を集めた。
※本記事は、『鎌倉殿の13人』のネタバレを含みます
同作品は、小栗が演じる北条義時の半生について、源平合戦や鎌倉幕府の設立、源頼朝(大泉洋)の死後までを含めて描くという内容。第32話では、奇跡的に息を吹き返した源頼家(金子大地)が、北条時政(坂東彌十郎)に謀殺されることとなった比企能員(佐藤二朗)一族の死の真相を知り激怒。比企に直接手を下した仁田と、和田義盛(横田栄司)に時政を討つように命じる……という内容だった。
「その後、和田は時政に、頼家から討伐を命じられたと密告。一方、源氏と北条家の板挟みになって苦悩することとなった仁田は、義時に『相談したいことがございます』と持ち掛けるも、取り合ってもらえず。その場では笑顔を浮かべて取り繕った仁田でしたが、最終的に御所を訪れて、自ら刀で首を斬り自害。これが仁田の最期となったのです」(芸能ライター)
ネット上では、「“仁田ロス”になった。涙出るわ……」「仁田さんはいい人だったからこそ、いなくなるのはツラい」と“退場”を惜しむ声や、「『鎌倉殿』の数少ない癒やしキャラだったのに!」「これからますます鬱展開になりそうで怖い」など、今後のストーリーを心配するような声も出ていた。
「というのも、仁田は高岸が演じていることもあってか、明るいキャラクターとして描かれていたんです。それを象徴するのは、6月5日に放送された第22話で、仁田が子どもたちの世話をすることになった際、高岸の持ちネタである『やればできる!』というセリフが飛び出したこと。視聴者からは『不意打ちでめっちゃ笑った』『このために高岸さんを起用したのかもしれない(笑)』といった声が上がり、予想外の“ファンサービス”にネット上は盛り上がっていました」(同)
一方で、5月29日に放送された第21話では、仁田が北条政子(小池栄子)に、義時の妻・八重(新垣結衣)が子どもを助けるも川に流され、非業の死を遂げたと報告する際、泣き崩れてしまう姿も注目を浴びた。
さらに、8月7日に放送された第30話では、頼家の部下たちが、政子に匿われている義時の妹・実衣(宮沢エマ)を引き渡すように押し掛けた際にも、鎧を着込んだ仁田が仁王立ちで立ち塞がって追い返すなど、その忠義にあふれた人物像が、視聴者から愛されていたのだ。
「ちなみに史実の仁田は、一族の謀反を理由に謀殺されたという説や、義時と闘って討たれたという説が有力なようです。しかし、『鎌倉殿の13人』では人間味にあふれるキャラクターとして描かれていたからか、『どうすることもできずに自害したのも、仁田殿らしさだったと思う』『史実とは違うかもしれないけど、ドラマとしては大正解』などと、脚本を評価をする声もみられます」(同)
同作では、主要人物が続々と“退場”しており、そのたびに“ロス”を訴える視聴者が続出。「見てるのがツラい」「鬱展開すぎる」といった悲鳴も聞こえてくる。視聴者にとって“癒やし枠”だった仁田がいなくなってしまった今後の『鎌倉殿の13人』は、ますます殺伐としていくかもしれない。