「人口増加が環境を破壊する」「環境保護のために家族を縮小すべき」と主張し、社会の意識を高めようと活動している英NGO団体「Population Matters」が、「子どもは2人しか持たない」と決断したヘンリー王子とメーガン夫人に賞を贈ることを発表した。
6月4日に第二子となる長女リリベット・ダイアナが誕生し、4人家族となったヘンリー王子とメーガン夫人。夫妻は第一子である長男アーチーが誕生した2019年に、英誌「VOGUE」のインタビューで、「地球の環境を守るため、子どもは多くても2人までにする」と表明している。
国連の世界人口デーである7月11日、「Population Matters」はこの表明を「賢明な決断」「ロールモデルになる」と改めて評価。「健全な地球と、人類が繁栄するチャンスを、世界中の子どもたち、未来の子どもたちに与えてくれた」として、夫妻が選んだチャリティ団体に寄付してもらうために500ポンド(約7万6000円)を贈ると発表した。
「Population Matters」は、「人類が自然と調和しながら共存し、健全な地球で繁栄していく」ことを目標に掲げ、そのためには二酸化炭素を排出する人口の増加を抑えなければならないと主張している団体。「コンドームで炭素減少が可能」「地球にやさしくするために小家族を選択しよう!」などと書かれたプラカードを掲げてデモを行ったり、寄付金でアフリカ地域など発展途上国の人々にコンドームを寄付して望まない妊娠を避けるための教育を行ったりと、コロナ禍においてもリモートで活発に活動している。
同NPOの活動には、世界各地で野生生物や民俗学関係のドキュメンタリー制作を手がけ、1985年に叙勲されたデイビッド・アッテンボローや、植物学者で子ども向け自然番組シリーズのプレゼンターを務めるクリス・パックハム、動物行動学者で国連平和大使も務めるジェーン・グドールら著名人も賛同し、支援。今回、ヘンリー王子とメーガン夫人に賞を贈ったことで、世界的な知名度が上がるのではないかとみられている。
「地球環境保護のため、子どもは多くて2人まで」との意向を表明したヘンリー王子とメーガン夫人だが、二酸化炭素を大量に排出するプライベートジェットでバケーションに行くこともあり、「矛盾している」と批判する声も上がった。険悪な関係とされている兄ウィリアム王子一家には、3人の子どもがいるため、嫌みだと受け取る人も少なくない。
何かと批判されがちなヘンリー王子だが、昨年末には環境保全動画を無料配信する「WaterBear」を支援。「子どもが自分の年齢になる頃には、焼け野原が広がる地球になっているのではないか。彼らの未来を奪うことはできない」と地球環境への懸念を表明。「パンデミックが始まった頃、『母なる自然が、人間の不品行を見かねて時間をくれたに違いない』と言う人がいた。立ち止まって、自分たちの行いを振り返るために」とも言い、コロナ禍の中でも環境保護を真剣に考えるべきだと訴えており、環境問題への意識は高く、今回の受賞もその点が評価されたようだ。