■小児科医・森戸やすみ先生の子育てQ&A
Q.かかりつけ医の選び方を教えてください
A.通いやすくて話しやすい小児科専門医のクリニックがおすすめ
大人でも子どもでも同じですが、よく「かかりつけ医を持ちましょう」という話を聞きますよね。それは普段から診ている医師がいれば、いざというときに安心して診察してもらえるし、より正確な診断やアドバイスが受けられるからです。特に子どもの場合は、必要な予防接種をする、健康診断をする、発達の様子をみていくという意味もあり、さらに風邪などをひきやすいので、とても重要といえます。
では、どんな「かかりつけ医」がいいでしょうか? 一口には言えませんが、その条件を考えてみましょう。
① 距離的に近いクリニックであること
特に持病などがない場合は、予約や紹介がないといけない大病院ではなく、クリニック(診療所)がいいでしょう。自宅や幼稚園、保育園などから近い場所にあることも大切なポイント。体調の悪いときに遠くまで出かけて、長時間待つのは親子ともに大変だからです。
② 小児科専門医がいること
特に乳幼児から小学生までは、小児科専門医がおすすめです。なぜなら数年ごとに変更がある予防接種、成長発達、大人とは違う子どもがかかりやすい病気に詳しいからです。「内科/小児科」と標榜している診療所は内科の医師が、「小児科/内科」と標榜しているところは小児科の医師が診ていることが多いのですが、ウェブサイト等で確認してみてください。
③ なんでも話しやすいこと
医師の中には、なぜか患者さんや保護者を「叱る」人がいます。そもそも医師の仕事は病気を診ることですから、「叱る」こと自体がおかしいのですが、「こんなことを言ったら叱られるかも」と思ってしまったら、質問もしづらいし、よくわからないことがあっても聞けないし、コミュニケーションがうまくとれませんよね。ですから、そんなふうに思わないで何でも話しやすいことも大切だと思います。
このほか必要なときには他の専門医につなげてくれる、説明を面倒くさがらない、風邪に必要のない抗生剤を処方しない、保護者に説明なく勝手に検査をしない医師がいいと思います。
ただし、内科医でも小児にとても詳しい医師もいたり、反対に小児科医なのに詳しくなかったりすることもあるでしょうから個人差はありますし、実際には医師と患者さんの相性もあるだろうと思います。ですから、最初にいったクリニックが合わないように思ったら、遠慮なく近隣の別のクリニックにかかってみましょう。予防接種や健康診断のときにさまざまなクリニックに実際にいってみて、どこがいいか選ぶのもいい方法だと思います。そうして、いいクリニックが見つかったら、お子さんの成長発達、病気をずっと診ている医師やいるのはとても安心なことなので、ぜひ長く通ってみてくださいね。
<今回のポイント>
○ 距離が近いクリニックをチェック
○ 小児科・小児科専門医がいい
○ 相性がよく話しやすいことも大切
森戸やすみ『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK ~いつものケアから不調のときの対処法まで』(内外出版社)■連載「小児科医・森戸やすみ先生の子育てQ&A」一覧ページ